一ノ字山、留夫山2018年12月02日

 群馬長野県境にある碓氷峠(旧峠)の北側の県境をなす山が「一ノ字山」だ。群馬県側から見ると、浅間山の右側に起伏のない平らな山が見える。この山は、標高も低く平らな山なので、容易に上ることができる。
 
 12月1日、一ノ字山だけでは歩行時間が少なすぎるので、隣の留夫山まで往復した。鼻曲山まで足を延ばして、霧積温泉に下山し、温泉に一泊するのもいいだろう。 
 一ノ字山へは、碓氷峠(旧峠)から登山する。碓氷峠(旧峠)には軽井沢からバス・タクシーなどを利用することができる。車で行くときは見晴台入り口に無料で置く場所があるが、いっぱいの時などは茶店などの駐車場に500円で置く。
 登山口は峠を越えて少し歩くと、右側に碓氷川の水源があり、その先の左側が登山口になっている。
  


 上の写真は碓氷川水源池。無味無臭で、うまくもまずくもない水だ。



 登山口10時。

 しばらくは緩やかな登りだが、そのあとはなだらかな道が続く。木が生い茂っていて展望はあまりない。ところどころ赤テープがあり分かりやすい。もっとも、広い尾根上の平らなところを歩くので間違えることはない。


 のんびりとした平らな登山道。




 11時一ノ字山最高点付近に到着。最高点は北側だけれど、山頂を示すものはない。
 一ノ字山から少し下り鞍部に着くと、ここから留夫山の急登がつづく。火山灰地なので土の締まりがなくて、ずるずると滑って登りにくい。

 留夫山の登山道にかわいい指導標があった。



 12時、留夫山頂上到着。ここには三角点がある。
 帰りは来た道をそのまま戻った。13時半、下山。


碓氷峠(旧峠)の熊野神社は長野側と群馬側の別な2つの神社がくっついている。

本の紹介ー科学と非科学の間2018年12月03日

   
安斎育郎/著『科学と非科学の間』かもがわ出版; 改訂増補版 (2009/4)
  
 超能力、心霊などのいかがわしい現象に対して、科学者の側から、正しい理解をするように啓蒙する本。
 世の中には一見すると不思議と思える事象がある。供給側からは、トリックの場合と自然現象の場合に分けられる。受け取る側からは、未知事象の場合と、単に勘違いないし無知の場合がある。トリック・勘違い・無知は超能力や心霊とは関係ないことは明らかだ。
 本書では、超能力や心霊現象と言われたものが、そののち、トリックや勘違いなどと分かった事例をいくつも取り上げる。そして、分からない現象があったとしても、何も考えずに超能力や心霊と短絡的な判断をしないように注意を喚起している。常識的に考えれば、まともな見解であるが、昨今、無知のままに超能力や心霊現象であるかのように思い込み、挙句の果ては詐欺にあう人が多いので、本書を読んで冷静になることは重要なのかもしれない。もっとも、超能力や心霊と思い込む人は、考えることが嫌いで無知を放置する人なので、こういう人に本書の啓蒙は無益かな。

本の紹介-図説 ユーラシアと日本の国境2018年12月04日

  
岩下明裕・他/著・編『図説 ユーラシアと日本の国境』北海道大学出版会 (2014/2)
  
国境についてのいろいろ雑多な話題。
 
国境関連展示を幾度か開催したようで、それらの話を何人もの人が書いているものだから、本にまとまりがない。
第1章は総論で、世界の国境に関する説明。これも、まとまりがない。
第2章は秋野豊の話。秋野は外務省職員として国連タジキスタン監視団に政務官として参加していたとき、タジキスタンで武装集団により射殺された。
第3章は戦前に日露の国境だった樺太と千島のはなしが前半。後半は、八重山と台湾の国境などのはなし。
第4章は沖縄・八重山と台湾・朝鮮関連のはなし。
第5章は文学で第6章がポスターによる国境問題。
第7章が先住民として、極北民族・北米先住民・アイヌの話。
各章間のまとまりもないが、章の中のまとまりもない。よく言えば、話題豊富なのだけれど。。。

本の紹介ー右翼の戦後史2018年12月05日

  
安田浩一/著『右翼の戦後史』講談社新書(2018/7)
  
 昔は街宣車に乗った、頭の悪そうなのが、内容のない演説をしていた。これが右翼だった。数年前はマンガしか読んだことがないようなのが、ヘイトスピーチを叫んでいた。今は、ネット右翼になっている。本書は戦後日本の右翼を次代を追って、その時々に流行した右翼の実態を記しているので、戦後右翼の実態についてわかりやすい。
  
 章ごとのタイトルは次のようになっている。
 序章  前史ー日本の右翼の源流
 第一章 消えゆく戦前右翼
 第二章 反米から「親米・反共」へ
 第三章 政治・暴力組織との融合
 第四章 新右翼の誕生
 第五章 宗教右派の台頭と日本会議の躍進
 第六章 ネット右翼の跋扈

ホームページ追記2018年12月15日

『日露・日ソ関係 ゆかりの地』のなかの
『樺太 国境標石』のページに、戦前絵葉書の画像をいくつか追加しました。

http://nippon.nation.jp/Naiyou/index.html
http://nippon.nation.jp/Naiyou/KarafutoKokkyou/index.htm

本ー現代日本の宗教事情〈国内編I〉2018年12月17日

   
堀江宗正、池澤優、藤原聖子・他/編・著『現代日本の宗教事情〈国内編I〉 (いま宗教に向きあう 第1巻)』岩波書店 (2018/9)
   
 あまり興味が持てなかったのだけど、読んだことを忘れないために書き留めておきます。
 第2章の「新宗教の現在」のなかに、金光教国際センター所長による金光教の現在の信仰の考えなどが書かれていて、関心がある人には興味持てる内容なのだろうけれど、私にはあまり興味が持てなかった。

本の紹介―証言 北方領土交渉2018年12月19日


本田良一/著『証言 北方領土交渉』中央公論新社 (2016/12)

北方領土交渉過程が詳しく記載されている。
ゴルバチョフ時代から2016年ごろまでの北方領土返還交渉について非常に詳しい。
 
 第一章は1945年の終戦から1973年の田中ブレジネフ階段までの期間をざっくり触れている。この時期が北方領土問題の起こりと問題の理解に最も重要なはずなのだが、この期間が詳しくない。特に、田中ブレジネフ会談の記述はおかしい。
 田中ブレジネフ会談では、共同声明に「未解決の問題」と入れることを日本が求めたのに対し、ソ連がこれを拒否して共同声明が出せない事態になった。結局、共同声明には「未解決の諸問題」との文言を入れ、日本とソ連がそれぞれ別個に記者会見を行いお互いの内容にはコメントしないということで決着した。日本は未解決の諸問題に北方領土問題が含まれるとの解釈を発表した。当時の新聞を読むとそれだけなのに、その後、「田中角栄が未解決の諸問題に北方領土問題が含まれるかとブレジネフに確認したところ黙ってうなづいた」との話が自民党サイドからまことしやかに語られ、さらに時代がたつと「ダーと答えた」などの説明もなされるようになった。

 領土交渉はお互いが妥協するものだが、一方で国民向けに政治家の政治宣伝でもある。このため、交渉当事者は後で自分の選挙に有利になるような説明をするものである。特に、日本の場合、北方領土交渉の議事録が公開されることがないので、高所当事者が選挙区向けの嘘を言っても検証できない。

 本書では、田中ブレジネフ階段で、ブレジネフが「ダーと答えた」ことが事実であるかのごとき記述がされている。このため、本書は、北方領土交渉を正しく記述したものというよりも、日本の政治家の選挙区向け宣伝が事実であるかのように書かれている危険性を頭に入れて読んだほうが良いだろう。

 第2章以下は、「ゴルバチョフ時代」「ソ連崩壊期」「エリツィン時代」「プーチン時代」と各時代ごとの北方領土交渉過程が詳しい。

本の紹介―廃墟の歩き方〈2〉2018年12月20日

栗原亨/著『廃墟の歩き方〈2〉潜入篇』イースト・プレス (2003/11)

 本書は気味の悪い廃墟のうち主に関東地方にあるもの30か所ほどを紹介したもの。文章よりも写真が多い。出版が古いので今では取り壊されたものも多いだろう。
 この中に、栃木県の「豊生庵」が記載されている。ここは、仏教系の新興宗教だったが、大伽藍が廃墟となっている。どういった新興宗教なのか知りたかったのだけれど、特にそのような解説はなかった。
 群馬県の廃墟としては、安中市「レストラン白樺」、現・安中市「軽井沢パークランド」、高崎市「高崎製紙工場」、高崎市「プラザアテネ」が紹介されている。このうち、レストラン白樺、高崎製紙工場、プラザアテネは取り壊されあるいは再開発されていて廃墟は存在しない。軽井沢パークランドの廃墟はまだあるかもしれないが道路が立ち入り禁止になっている。
 埼玉県鳩ケ谷市(現・川口市)の洋館が廃墟として紹介されているが、ここは現在、整備されて公開されており、廃墟ではなくなった。

ホームページ追記2018年12月21日

『北方領土問題-やさしい北方領土のはなし』のページに
『歯舞・色丹 2島の海洋面積は、全体の40%』を追加しました。
また、  
『どうして、北方領土問題が起こったの?』の中で、ダレスの恫喝は産経新聞のスクープで報道されたことを書きました。

http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Yasashii.htm

本の紹介―国体論2018年12月25日


白井聡/著『国体論 菊と星条旗 (集英社新書)』集英社 (2018/4)

白井氏の本は『永続敗戦論―戦後日本の核心』を読んだことがある。
本書は『国体』などと、古臭い言葉を持ち出して、戦前から戦後の日本の政治状況を説明する。かなり読まれている本であり、書評も多いので、今更、私が感想を書いても仕方ないだろう。

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