本の紹介―日本会議の野望 ― 2019年01月25日
俵義文/著『日本会議の野望 極右組織が目論む「この国のかたち」』花伝社 (2018/7)
『日本会議の全貌 知られざる巨大組織の実態』に次ぐ俵義文氏の日本会議批判の第2弾。
日本会議の全貌では日本会議の出自などが詳しかったが、本書では、これらの点には若干触れている程度。本書は日本会議が目指していることを中心に書かれている。
日本会議は元号法制化や靖国神社国家護持・憲法改正などに取り組んできた。このうち、元号法制化と教育基本法の改正や道徳教育の教科化は、すでに実現している。また、女性天皇反対、夫婦別姓反対も実現している。憲法改正、靖国神社国家護持、日本再軍備などは、まだ実現していない。
本書では日本会議の活動について詳しく書かれているが、安倍政権の方向性なのか、日本会議の方向性なのがよくわからない。森友・加計問題にも触れている。しかし、森友・加計問題と日本会議は直接関係ないだろう。最終章は櫻井よしこの批判。
本書で紹介されている日本会議系の手になる高校歴史教科書「最新日本史(明成社)」は、そのうち読んでみようと思う。それにしても、内容が乏しい高校教科書を作ったって売れないのに、ご苦労なことだ。中学教科書は、政治力で、各公立中学校に強制することが可能だが、高校教科書は各校が独自に選択するので、大学入試に役に立たない教科書は、まともな高校では採用されないだろう。