本―竹島問題の起原 戦後日韓海洋紛争史 ― 2019年01月29日

藤井賢二/著『竹島問題の起原 戦後日韓海洋紛争史』ミネルヴァ書房 (2018/4)
あまり興味を持てなかったが、読んだことを忘れないように書き留めておく。
本の表題は『竹島問題の起源』、副題が『戦後日韓海洋紛争史』となっているが、竹島問題は少なく、戦後日韓海洋紛争の話が圧倒的に多い。P341,342に、漁業問題と竹島問題を過剰に絡ませた論説に対して批判的な見解を示している。漁業問題が解決しない原因に竹島問題があるので、漁業問題と竹島問題が絡まっていることは間違いないが、それだけではないので、著者のような視点も必要なのだろう。
本の紹介―いま学ぶ アイヌ民族の歴史 ― 2019年01月29日

加藤博文・若園雄志郎/編『いま学ぶ アイヌ民族の歴史』 山川出版社 (2018/4)
高校生用教科書の副読本と言ったイメージ。旧石器時代から現代にいたるアイヌを視点においた歴史教科書とも考えられる。
本の見開き左側ページに1テーマの説明を書き、右側ページには関連資料の写真・図、あるいは関連項目のコラムを記載する。近代以前の説明はアイヌ民族だけではなくて日本全体の説明になっている部分も多く、すでに日本史を学習したことのある人には冗長に感じる。一方で、擦文文化とオホーツク文化の説明が1ページだけであるなど、中世以前のアイヌ民族の説明が薄い。
子供たちが容易に読めるように、あるいは授業の便を考えた構成になっているのだろうけれど、読んでいて、いまひとつ面白くなかった。