本の紹介―歪む社会2019年09月11日

 
安田浩一、倉橋耕平/著『歪む社会 歴史修正主義の台頭と虚妄の愛国に抗う』 論創社 (2019/2)
 
 ジャーナリスト・安田浩一と社会学者・倉橋耕平の対談。
 対談ではなくて、それぞれが論文を書いてくれた方が、読みやすいと思うのですが。。。
 
 本書の内容は、近年、歴史修正主義、ヘイトスピーチがはびこった社会背景を解明するもの。ここで言う「歴史修正主義」とは、歴史の誤りを歴史学の立場から修正するものではなくて、自己に都合の良いように史実を捻じ曲げることをいう。
 
 本書の中で、ネット右翼は30代40代のIT技術者が多いとの指摘がある。本書には、その理由に対する説明は特にない。
 
 私は、長年・コンピュータソフト関連業界に身を置いたので、30代40代の情報処理技術者にネット右翼が多い理由が、なんとなくわかる気がする。
 20~30年前から、PC・ITが急速に進み、これらのソフト関連技術者が大量に必要となった。しかし、数学や情報処理の高度知識を持つものは少なく、能力の低い人を長時間低賃金労働で酷使することで、ソフト開発をこなしてきた。こういう人たちが30、40代になっても、高度情報処理技術を身に着けられるわけもなく、また管理者になる素養もなかった。こういう人たちが、ネット右翼に流れるのは、ある意味、仕方ないだろう。
 昔ならば「工員」と呼ばれるべき職種に就いて、そののち「職人」として優遇されることがあっただろうが、情報処理業界では、数学や情報処理の能力が乏しい人は、長期間業界に身を置いても、技術スキルは上がらない。工員・職人は同じものを作り続けることで技能が向上するが、コンピュータソフトは同じものを作ることはないので、長期間業界に身を置いても、技能が向上しないのです。

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