本の紹介ーネット右派の歴史社会学 ― 2019年11月24日

伊藤昌亮/著『ネット右派の歴史社会学』青弓社 (2019/8)
500ページを超える大書。著者は、メディア論が専門の社会学者で、成蹊大学文学部教授。
一時期社会を騒がせていた在特会のヘイトスピーチは、最近ではだいぶ減ってきたようだ。本書は、ネット右翼が起こった状況・嫌韓ヘイトスピーチになって行った状況・退潮していく状況を1990年代から現在まで、各時代区分ごとに一つの章を割り当て、歴史を追って詳述している。
ネット右翼・保守にはいろいろな性向があるが、本書では、これらを以下の11に分類している。
・サブカル保守、バックラッシュ保守、ビジネス保守
・嫌韓、反リベラル市民、歴史修正主義、排外主義、反マスメディア
・規制右翼系、新右翼系、ネオナチ右翼
各章ごとのタイトルを記す。
第1章 新保守論壇と嫌韓アジェンダ・・・1990年代前半まで
第2章 サブカル保守クラスタと反リベラル市民アジェンダ・・・1990年代半ばまで
第3章 バックラッシュ保守クラスタと歴史修正主義アジェンダ・・・1990年代後半まで
第4章 ネット右派論壇と保守系・右翼系の二つのセクター・・・1990年代後半まで
第5章 ネオナチ極右クラスタと排外主義アジェンダ・・・2000年前後まで
第6章 2ちゃんねる文化と反マスメディアアジェンダ・・・2000年代前半まで
第7章 ネット右派の顕在化・・・2000年代後半まで
第8章 ネット右派の広がりとビジネス保守クラスタ・・・2010年前後まで