本の紹介ーはじめての韓国仏教 ― 2019年12月16日

佐藤厚/著『はじめての韓国仏教』佼成出版社 (2019/10)
仏教は、インド・中国から朝鮮半島を経て入ってきたのだから、これらの国の仏教を理解することは、日本の仏教理解に必要なはずだ。しかし、日本では、インド、中国の仏教は知られているにもかかわらず、朝鮮半島の仏教史についてはほとんど関心が払われていない。
本書は、朝鮮半島におけるの仏教史および現在の仏教についての説明。ただし、概要であって、詳しいことはない。タイトルは「韓国」となっているが、朝鮮半島南部だけではなく、北朝鮮を含む朝鮮半島の仏教を扱っている。
韓国の伝統仏教には、臨済宗系と華厳宗系がある。臨済宗系は座禅を中心とした修行を重んじるもので、華厳宗系は華厳経を中心に教学を重んじるもの。日本では東大寺が華厳宗である。
また、新興仏教には天台宗(法華)系、真言宗(密教)系などがある。
要するに、日本では衰退した華厳宗が、中国同様、韓国でも重要視されている点が日本と異なる。
なお、日本では仏教というと葬式などの儀式がメインであるが、韓国の仏教はあくまで信仰の色彩が強い。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。