北海道大学(理系)数学入試問題2020年03月01日



 例年の北大には難しい問題はなかった。しかし、昨年の北大は難しかった。このため、今年はかなり易しくなるのではないかと思っていたが、それほどでもなかった。昨年よりは易しいが、例年よりも難しい。
 問1、問2は易しい。問3も場合分けを間違わなければ問題ないが、限られた試験時間の中で、正答にたどり着くのはそれほど容易ではない。問4、問5は典型的な数列の問題と、積分の問題。受験勉強をまじめに取り組んでいれば容易だろうが、多くの受験生にとって易しくなかっただろう。
 そういうことで、問3、問4、問5の解答例を書きます。


問3の解答
(1)
すべてが3または6の確率から、すべてが6である確率を引いた値
  (2n-1)/6n

(2)最大公約数が偶数である確率 3n/6n
 最大公約数が3である確率 (2n-1)/6n
 最大公約数が5である確率 1/6n
よって、最大公約数が1である確率は  1 - (3n+2n)/6n

(3)場合分けを間違わないように、ベン図を書くとよい。
 最小公倍数が20ということは、4,5を含み、3,6を含まないということ。
  A:1,2,4,5のみ
  B:1,2,5のみ
  C:1,2,4のみ
  D:1,2のみ
とすると、最小公倍数が20になる確率はAの確率-Bの確率-Cの確率+Dの確率となる。
すなわち、(4n-2×3n+2n)/6n 

   

問4の解答
<考え方> y=f(x),y=xのグラフを書いてみると分かりやすい。

(1)
0<x<1のとき0<x<f(x)<1が成り立つ。
0<a1<1 であるから、0<an<1 および an<an+1 が成立する。 

(2)
bn={1-f(an)}/(1-an) である。
g(x)={1-f(x)}/(1-x) とすると、0<x<1のときg(x)は単調減少関数である。
bn=g(an)であり、an<an+1であるから、bn>bn+1となる。
 
(3)
<考え方>an→pとすると、p>α、p=f(p)が成り立つ。よって、p=1。
大学の試験問題ならば「anは有界単調なので収束する」と書いておけば十分だけど、高校生はこの理論を使えないようなので、挟み打ちの原理を使う必要がある。
x≦h(x)≦f(x)となる易しい関数h(x)にたいして、c1=a1、cn+1=h(cn)で数列cnを定めて、cnを求めて、cn→1となることを示すことが定石。
 
<解答>
 α≦x<1にたいして、h(x)を、(α,f(α))、(1,1)を通る1次関数とする。
すなわち、h(x)=β(x-1)+1とする。ただし、β={1-f(α)}/(1-α)。 
ここで、0<β<1が成り立っている。
このとき、h(x)は単調増加関数で、α≦x<1のとき、x≦h(x)≦f(x)≦1が成り立っている。
c1=a1=α、cn+1=h(cn)により、数列cnを定める。
このとき、数列cnは単調増加関数で、cn≦anが成り立つ。
また、cn+1=1-βn(1-β)となる。
cn≦an<1 cn→1(n→∞) であるから、an→1 (n→∞) となる。

次に、x→+1のとき、g(x)の極限を求める。
lim(x→+1) g(x) = f'(1) となる。
f'(x)=(π/2)cos(xπ/2)であるので、f'(1)=0であるから、
  lim(x→+1) g(x) =0 
よって、bn→0 (n→∞)  
 
 
  
問5の解答
(1)
1/{f(1-f)} = 1/f + 1/(1-f)に注意して、tの積分をfの積分に置き換えると、
求める積分値は log{f(x)/(1-f(x))}-log{f(0)/(1-f(0))}
この値がaxだから、f(x)=1/{2exp(-ax)+1}=exp(ax)/{2+exp(ax)}

(2)
f(x)を0から1まで積分すると、S(a)={log(2+exp(a))-log3}/a
よって、S(a)→1/3  (a→+0)
(注)f(x)の積分は u=exp(ax) と置けばよい。
(注)S(a)の極限は分子、分母をaで微分して、極限操作をする。
この手法は、問4(3)でbnの極限を求めた時と同じ。


大阪大学(理系)数学入試問題2020年03月01日

大阪大学は、難問・奇問が出ることがある。しかし、今年は易しい。かなり、高得点の争いになったはずだ。
ただし、問5は解答が書きにくかったかもしれない。そういうことで、問5の解答例を書きます。


問5の問題
三辺の長さの和が2である三角形ABCにおいて、辺BCの長さをa、辺CAの長さをbと書く。三角形ABCを辺BCを軸として一回転させてできる回転体の体積をVとする。以下の問いに答えよ。
(1)aの値を固定してbの値を変化させるとき、Vが最大になるのは、三角形ABCが辺BCを底辺とする二等辺三角形となるときである。これを示せ。
(2)a,bの値をともに変化させるとき、Vの最大値と最大値を与えるa,bの値をそれぞれ求めよ。


問5の説明  
(1)ができれば、(2)は簡単だろう。
(1)は三角形の面積が最大になるときにVが最大になることに気付けば、二等辺三角形のときに面積が最大になることを示せばよいことが分かる。辺の長さと面積の関係の問題なので、ヘロンの公式を使うと楽である。
 
問5の解答 
 
(1)
辺BCとAの距離をhと書くと、
V=(1/3)πah^2  (注)^は累乗の意味。
となる。
よって、hが最大の時にVが最大となる。
三角形の面積をSとすると、S=(1/2)ahであるから、三角形の面積が最大の時にhが最大になる。
ここで、三角形の面積を求めるヘロンの公式を使う。
S^2=d(d-a)(d-b)(d-c) ただし、d=(a+b+c)/2 cは辺ABの長さ。
 
題意からd=1なので、f(b)=(1-b)(1-c)としたとき、f(b)が最大の時に面積は最大になる。
ここで、c=2-a-bなので、
f(b)=-b^2+(2-a)b+a-1 である。
よって、b=1-a/2のとき、f(b)は最大になる。
このとき、c=bであるから、三角形ABCが辺BCを底辺とする二等辺三角形の時にf(b)は最大になる。
結局、三角形ABCが辺BCを底辺とする二等辺三角形の時にVは最大になる。
 
 
(2)
三角形ABCが辺BCを底辺とする二等辺三角形の時、b=c=1-a/2であるから、このとき次式が成り立つ。
h^2=(1-a/2)^2-(a/2)^2=1-a
このとき、V=(1/3)πa(1-a)
よって、a=1/2のとき、Vは最大値π/12をとる。このとき、b=3/4。

旭川医大数学入試問題2020年03月02日

 旭川医大は国立医学部としては偏差値は高くないのだろうか、数学の問題は易し目だ。問2は普通の問題なので、国立大学理系を受験する人は練習問題として類似問題を解いたことがあるだろう。問3は、ただ数えるだけ。ただし、ΣkやΣk2を覚えていないと出来ない。問4は問題文の意味が分かれば、あとは中学生の連立方程式の問題に毛が生えた程度。
 問1は出題者の意図を読めないと難しい。
 そういうことで、問1を解答します。



問1の解答

y=log(x)
y'=1/x
よって、x=pにおける接線の式は
y=(x-p)/p+log(p)
この線がx軸と交わるx座標を-nとすると、
n=p{log(p)-1}
すなわち、n=an{log(an)-1}

(1)
n=an{log(an)-1}でn=0とすると、a0=e

(2)
求める面積をS(n)とする。
S(n)=∫1anlog(x)dx=n+1

(3)
log(x)は単調増加関数だから、次式が成り立つ。
{an+1-an}log(an)<S(n+1)-S(n)<{an+1-an}log(an+1)
(2)より、S(n+1)-S(n)=1であるから、次式が成り立つ。
1/log(an+1)<an+1-an<1/log(an)
すなわち、
lim(an+1-an) = 0 (n→∞)
ここで、lim an=∞を使った。


anlog(an)=an{log(an)-1}+an{log(an)-1}/{log(an)-1}
=n+n/{log(an)-1}
なぜならば、n=an{log(an)-1}
よって、anlog(an)/n=1+1/{log(an)-1}→1 (n→1)

千葉大学数学入試問題2020年03月03日

千葉大学の数学入試問題は学部・学科によって決められた問題を解くようになっている。問10は医学科・数学科の問題。問11は医学科の問題。例年、これらの問題だけが難しいが、今年も取りつきにくかったり、難しい問題だった。特に、問11(3)は、自分の能力を信じて進まないと正解にたどり着かないだろう。



問10
有理数a,bに対して、(a+bi)2の実部と虚部が整数ならば、a,bは整数であることを証明せよ。ただし、iは虚数単位である。

<解説>
この問題は普通に考えればそれほど難しくはないが、類題を解いたことがある受験生は多くはないだろうから、とっつきにくかったと思う。

<問10の解答>
a,bが有理数の時、
a=m/k b=n/k m,n,kは整数で、m,n,kの最大公約数は1、kは正の整数と書ける。
(a+bi)2=p+qi (p,qは整数)とする。
この時、次式が成り立つ。
m2-n2=pk2
2mn=qk2   ②
ここで、k≠1とすると、k=rs (rは素数、sは正の整数)と書ける。
このとき、②の右辺はr2の倍数だから、m,nのどちらかはrの倍数。
同じことだから、mがrの倍数とする。
よって、①式より、nもrの倍数となる。
これは、m,.n,kの最大公約数が1という条件に反する。
よって、k=1である。
すなわち、a,bは整数である。



問11(若干、問題の表現を変えている)

0≦x≦1で定義された関数fn(x)を次のように定める。
f1(x)=0 fn+1(x)=∫0x{1-fn(t)}2dt  (nは正の整数)
また、f(x)=x/(1+x) とする。

(1)
nが正の整数の時、次の不等式が成り立つことを証明せよ。
 0≦fn(x)≦1 (0≦x≦1)

(2)
以下の式を証明せよ。
 nが正の奇数の時、fn(x)≦f(x)  (0≦x≦1)
 nが正の偶数の時、fn(x)≧f(x)  (0≦x≦1)

(3)
 lim(n→∞) fn(x)  を求めよ。

<解説>
(1)は易しい。(2)も普通に考えれば問題ないだろう。(3)の解がf(x)であることは、(2)から容易に推定できる。でも、それを証明するのは難しい。

(1)数学的帰納法を使えば容易に証明できる。

(2)
fn(x)≦f(x) (0≦x≦1)のとき、fn+1(x)≧f(x) (0≦x≦1)となる事を示す。
{1-fn(x)}2≧{1-f(x)}2となり、
∫{1-f(t)}2dt=f(x)であるから、fn+1(x)≧f(x)が成り立つ。
同様に、fn(x)≧f(x) (0≦x≦1)のとき、fn+1(x)≦f(x) (0≦x≦1)となる。

n=1の時、求める不等式は成立する。
あとは、数学的帰納法により、求める不等式が証明できる。

(3)fn(x)はf(x)の上下をふらふらしている数列なので、収束値はf(x)に決まっているということは、容易にわかるだろう。

ここでは、標準的に、fn(x)-f(x)を評価する。
gn(x)=fn(x)-f(x)と書く。
gn+1(x)=∫0x{1-fn(t)-1/(1+t)}{1-fn(t)+1/(1+t)}dt
よって、|gn+1(x)|≦2|∫0xgn(t)dt| ・・・(*)
(ここで、1-fn(t)-1/(1+t)=gn(t)および、gn(t)の符合はtによらないこと、さらに、 0<1-fn<1、0<1/(1+t)<1 を使った。)

(*)式の右辺の係数が1よりも小さいと簡単だったのだけど、2になったので、さらに考察が必要。

|g2(x)|=x-x/(1+x)≦x
(*)式により、|g3(x)|≦2∫0xtdt=2×x2/2
|g4(x)|≦2∫0x2×t2/2dt=2^3×x^3/3!/2
一般に
|gn+1(x)|≦2^n×x^n/n!/2<2^n/n!→0(n→∞)
よって、lim(n→∞) fn(x)=f(x)

本の紹介―「オウム」は再び現れる2020年03月04日

  
島田裕巳/著 『「オウム」は再び現れる』(2018/12)中公新書ラクレ
  
 宗教学者の著者は、オウムを擁護したとの非難を受け大学教授のポストを追われることになった。その後、本の執筆数が増えている。新興宗教を話題とした一般向けの啓蒙書が多いので、一般人が新興宗教の概略を知るうえで、参考になる本が多い。
 
 本書は、オウム真理教を話題とした本。内容は、「オウム真理教が出現した背景」「阿含宗との関係及び仏教との違い」「麻原と弟子との関係」「弟子たちが犯罪に走った原因」が示され、最後に、オウムのような団体が今後も日本社会で生まれうると警告している。
 
 オウム真理教が出現した背景では、オカルトブームやノストラダムスの大予言のような終末論が日本社会に広がっていたことを指摘する。
 弟子たちが犯罪に走った原因に、犯罪を指示された弟子たちの資質を問題にしている。すなわち、「オウム信者には気軽な気持ちで言われたとおりに行動する傾向がある」「自分たちの行動がどういった結果を引き起こすのかを事前にはまったく考えずに、ただ指示に従う」(P161)人たちだったために、犯行に走ったとのことだ。なぜ、簡単に指示に従ったのかというと「指示を下されたとき、それを断ることが面倒だったため、従ってしまったのではないだろうか」(P163)としている。
 事の善悪を考え主張することが大変だから、多少悪いことがあるとわかっていながら、会社の命令に従う人は珍しくないだろう。オウムの人たちは、一般日本人の資質を、より多く備えていただけだったのかもしれない。そう考えると、「オウムのように大きな問題を起こす組織が再び現れる可能性は十分に考えられる。それが、宗教いう形をとるとは限らない。もっと別の形をとることだって有りうるだろう。」(P204)とする著者の考えはもっともなことだ。

東工大の数学入試問題2020年03月06日

 今年の東工大は特に難しい問題はなかった。しかし簡単にできる問題もない。問1はコケオドシなので、受験勉強に取り組んでいなくても完答できるかもしれないが、それ以外は問題集をこなしていないと無理だっただろう。問1以外は東工大らしい良問といえる。特に、問2、問4は練習問題として取り組んでおくべき問題。


問1

次の問に答えよ。
(1)
|x2-x-23|の値が、3を法として2に合同である正の整数xを全て求めよ。
(2)
k個の連続した整数x1,・・・,xkに対して、
 |xj2-xj-23| (1≦j≦k)
の値がすべて素数になるkの最大値と、そのkに対する連続した正の整数x1,・・・,xkを全て求めよ。
ここで、k個の連続した整数とは、
x1,x1+1,x1+2,・・・,x1+k-1となる列のことである。


<解説>
 絶対値のある問題で、素数の問題なので、難しいのではないかと身構えたら、あっけない易問。 x=1,2,3,4,5,6,7,8と順に考え、さらに、x≧6のときはxを3で割った余りにより分ければ簡単。
 ところで、「整数Aが3を法として2に合同」という言い方は、今の高校生にはポピュラーなのだろうか。
 もし、この問題が難しかったら、それは、数学ではなくて、出題者の日本語がわかりにくかったためかもしれない。

<解答>
(1)
「整数Aが3を法として2に合同」とは「A-2」が3の倍数であるということ。
x≧6のとき、x2-x-23>0であるから、
x≧6のときには、|x2-x-23|=x2-x-23
よって、このとき、|x2-x-23|が題意を満たすならば、x2-x-23-2が3の倍数となる。
x=3k,3k+1,3k+2を入れると、いずれも3の倍数でないことがわかる。
あとは、
x=1,2,3,4,5を|x2-x-23|を入れてみると、x=1,3,4が求める値であることがわかる。

(2)
以下f(x)=|x2-x-23|と書く。
x≧6でx=3k+2(kは整数)のとき、f(x)=3(3k2+2k-7)となる。k≧2なので、f(x)は素数でない。
すなわち、x=8,11,14,・・・のとき、f(x)は素数ではない。
このため、x≧8のとき、f(x),f(x+1),f(x+2)の3つが共に素数となることはない。
f(1)=23,f(2)=21,f(3)=17,f(4)=11,f(5)=3,f(6)=7,f(7)=19である。
よって、x=3のときf(x),f(x+1),・・・,f(x+4)が素数になる。
すなわち、求めるkの最大値は5で、x1~x5=3~7


問2

複素数平面上の異なる3点A,B,Cを複素数α,β,γで表す。ここで、A,B,Cは同一直線上にないと仮定する。
(1)
 三角形ABCが正三角形となる必要十分条件は、
  α222=αβ+βγ+γα
であることを示せ。
(2)
 三角形ABCが正三角形のとき、三角形ABCの外接円上の点Pを任意にとる。このとき、
  AP2+BP2+CP2
 および、
  AP4+BP4+CP4
を外接円の半径Rを用いて表せ。ただし、2点X,Yに対して、XYは線分XYの長さを表す。

<解説>
 今年は、早稲田大学理工、京都大学理系の問題に、複素平面上の正三角形を問題とする出題があった。東工大も類似問題である。ただし、早大・京大の問題では、正三角形であることを前提に、解の関係を導かせるのに対して、東工大では、必要十分条件であることを証明させる問題であった。このため、東工大の方が難しくなっている。
 早大・京大・東工大ともに、複素平面上の典型的な正三角形はz2+1=0の解であることを使うと、見通し良く解ける。

<解答>
(1)
複素平面上の正三角形とは(-1,ω,ω*)を拡大・回転・移動して得られる図形のことである。
ただし、ωは-1の三乗根の虚数解。ω*はωの複素共役とする。
よって、(α,β,γ)=a+b(-1,ω,ω*)のときに、正三角形になっている。ここで、a,bは適当な複素数で、b≠0。

(α,β,γ)=a+b(-1,ω,ω*)のとき、
α222-(αβ+βγ+γα)
=b2(1+ω2*2+ω+ω*-ωω*)
ここで、ω2*2=-1 , ω+ω*-ωω*=0 であるので、
α222-(αβ+βγ+γα)=0が成り立つ。

逆に、α222=αβ+βγ+γαが成り立つとする。
a=(α+β+γ)/3 b=(-2α+β+γ)/3とおく。
ここで、α+β+γは同一直線状にないので、b≠0である。
さらに、s=(β-a)/b,t=(γ-a)/bとおくと、s+t=1となる。
また、(α,β,γ)=a+b(-1,s,t)であり、α222=αβ+βγ+γαから、
 1+s2+t2=-s-t+st が成り立つ。
すなわち、s2-s+1=0,t2-t+1=0となる。
s≠tであるから、(s,t)=(ω,ω*)となる。
すなわち、(-1,s,t)は複素平面上の正三角形となっている。
(α,β,γ)=a+b(-1,s,t)であるから、
(α,β,γ)は複素平面上の正三角形となっている。

(2)
正三角形の3点が(-1,ω,ω*)のときを考える。
Pの座標をpとする。Pは外接円上の点なので、pp*=1が成り立っている。
AP2+BP2+CP2=|-1-p|2+|ω-p|2+|ω*-p|2=6
AP4+BP4+CP4=|-1-p|4+|ω-p|4+|ω*-p|4=18

一般に、AP2+BP2+CP2=6R2
また、 AP4+BP4+CP4=18R4


<注意>
(1)は正三角形の条件として、(α-β)/(β-γ)=-ωなどを使用した方が回答がすんなり纏められる。



問3
 解いていません


問4

<問題>
nを正の奇数とする。曲線y=sin(x) ((n-1)π≦x≦nπ) とx軸で囲まれた部分をDnとする。直線x+y=0をLとおき、Lの周りにDnを一回転してできる回転体をVnとする。

(1) (n-1)π≦x≦nπに対して、点(x,sin(x))をPとおく。また、PからLに下した垂線とx軸の交点をQとする。線分PQをLの周りに一回転させてできる図形の面積をxの式で表せ。

(2) (1)の結果を用いて、回転体Vnの体積をnの式で表せ。

<解説>
 この問題は、受験勉強に取り組んでいれば、なんでもない問題。取り組んでいないと、(2)で間違える可能性が大きい。
 (1)は容易。(2)は回転体の体積は回転軸の長さに沿って積分することが基本。傾いた軸周りの回転の問題が、時々どこかの大学で出題されるので、間違わないようにしたい。練習問題として取り組むべき問題といえるだろう。

<解答>
(1)
P(x,sin(x))なので、Q(x-sin(x),0)
よって、
PからLへの距離:(x+sin(x))/√2
QからLへの距離:(x-sin(x))/√2
求める図形の面積をSとすると、
S=2πxsin(x)

(2) 注意)Vn=∫Sdxとすると間違える。
直線LへのPの垂線の足をRとすると、
R((x-sin(x))/2,-(x-sin(x))/2)なので、
ORの距離をrとすると、r=(x-sin(x))/√2
Vn=2π∫abxsin(x)dr  a=(n-1)π b=nπ
Vn=√2π∫abxsin(x){1-cos(x)}dx
ここで、∫xsin(x)dx=-xcos(x)+sin(x)
  ∫xsin(x)cos(x)dx=(1/8){-2xcos(2x)+sin(2x)}を使って、
Vn=√2(2n-3/4)π2

<注意>
体積を求めるだけならば、次のようにした方が簡単です。
P(x,sin(x))、R(x,0)とする。線分PRをLに周りに一回転してできる図形の面積を求めると、次式となる。
S=√2π{xsin(x)+sin2(x)/2}
VnはSをxで(n-1)π≦x≦nπの範囲で積分すればよい。


問5

kを正の整数として、Ak=∫01xk-1sin(πx/2)dx とおく。

(1) Ak+2をAkとkを用いて表せ。
(2) kを限りなく大きくするとき、数列{kAk}の極限値Aを求めよ。
(3) (2)の極限値Aにたいし、kを限りなく大きくするとき、数列
  {kmAk-knA}
 が0でない値に収束する整数m,n (m>n≧1)を求めよ。また、その時の極限値Bを求めよ。
(4) (2)と(3)の極限値A,Bにたいし、kを限りなく大きくするとき、数列
  {kpAk-kqA-krB}
 が0でない値に収束する整数p,q,r (p>q>r≧1)を求めよ。また、その時の極限値を求めよ。

<解説>
この問題は、(2)がわかるかどうかがポイント。(3)(4)は(2)と同様に考えればよいが、計算がだんだんゴチャゴチャしてくるので、結果を予測して要領よくまとめることが肝心。

 (1)は三角関数の部分積分を2回使うが、難しくない。
 (2)は(1)から答を推定する。0<Ak+2<1を使ってAkを評価するのだが、普通はAk+2をAkを使って評価することが多いので、逆になっているため、思いつかないと正解に到達しない。
 (3)は(2)と類似な考察でよいので、(2)ができれば、(3)もできるだろう。
 (4)も同じ考察で完答できるが、だんだんゴチャゴチャしてくる。

<解答>
(1)部分積分を2回行う。特に難しいところはない。
計算は省略して、答のみ記す。
Ak+2=4(k+1)/π2(1-kAk)

(2) (1)からkAk→1が推定できるだろう。
題意から0<Ak<1である。
ここで、(1)の結果を使って、|1-kAk|=Ak+2/4/(k+1)<1/(k+1)
よって、1-kAk→0(k→∞)  
すなわち、A=1

(3)
kmAk-kn=kn{km-nAk-1}
kAk→1だから、m-n≧2のとき、km-nAkは無限大に発散するので、m=n+1である。
(1)から、kn(1-kAk)=(π2/4)kn/(k+1)/(k+2) (k+2)Ak+2  
ここで、 (k+2)Ak+2→1(k→∞)だから、n=2のときに、上式は収束値π2/4をとる。
以上より、m=3,n=2,B=-π2/4

(4)
 (3)で、m=n+1を求めたのと同じ議論を行えば、p-q=1,q-r=2がわかる。
ここで、
 原式=kr{-k2(1-kAk)+π2/4} に(1)の結果を入れる。
 原式=(π2/4)kr{1-k2/(k+1)Ak+2}
となるが、ここで、{}の中身の中で、1-(k+2)Ak+2を別に出すと、次式となる。
 原式=(π2/4)kr{(3k+1)/(k+1)/(k+2) +k2/(k+1)/(k+2)(1-(k+2)Ak+2)}
このため、r≧2のときは、右辺第一項が無限大に発散。r≦0のときは、右辺第一項、第二項共にゼロに収束する。
r=1のときは、右辺第一項が3π2/4に収束し、第二項はゼロに収束する。
 以上より、p=4,q=3,r=1, 収束値=3π2/4

国立7+1大学理系数学の難易度2020年03月07日

 国立7+1大学理系数学の難易度はこんな感じ。
 得意不得意が人によって違うことや、何点取ることを目的としているのかによって、難易度は変わるので、一概に言えないのですが、私の感覚としては、こんな感じです。
 
①東大、京大、東工大
②北大、阪大
③名大、東北大、九大
 
 東大、京大、東工大の三大学は、同程度の難易度で、他の5大学に比べかなり難しい。北大は、受験勉強をしっかりしていれば容易に感じたかもしれない。名大は北大、阪大よりは易しいが、東北大、九大よりは難しい。
 今年は飛び切り難問は出題されず、総じていえば、年々易化しているように思える。少子化の影響で上位大学に入りやすくなっているように感じる。
 ただし、早慶などの私立に比べ、国立7+1大学は難しい。国立7+1大学を目指す勉強と、私立狙いの勉強には違いがあるはずだ。
 
 
東大
 易しい問題はなかったが、とてつもなくもなく難しい問題もなかった。受験勉強をしっかり取り組んでいた受験生は高得点だったと思う。
  
京大
 東大同様、易しい問題も、とてつもなく難しい問題もなかった。文理共通の問3,5も易しくはない。問1は考え方によって、難易度が変わるので、失敗した受験生も多かったと思う。
 
東工大
 とてつもなく難しい問題はなかった。受験勉強にしっかり取り組んでいれば、高得点が狙えたと思う。満点も十分可能。でも、サボっていても点が取れるような甘い問題は、問1以外にはなかった。
  
名古屋大・大阪大
 これらの大学は、時々、超難問が出題されることがあるが、今年はそういうことはなかった。
 
北大
 昨年、急に難しくなったので、その反動で今年は大幅に易しくなると思っていたら、そうでもなかった。昨年よりは易しいが、例年よりは難しい。
 
東北大、九大
 易しかった。東北大はかなり高得点でないと合格しないのではないだろうか。
 
   
 その他、千葉大の医学部専用問題の問11は難しい。精神力がないと解けないだろう。東京医科歯科大の問1は思いつかないとできないので、たまたま体調が悪かったりした受験生には不利だったと思う。
 一橋大の問3は文系の問題にしてはかなり難しい。文系の大学なのに、なんでこんなの出題されるのだろう。

京都大学(理系)数学入試問題(追加)2020年03月08日

京都大学理系数学入試問題の問1、問2、問4の解答を書いた。
http://cccpcamera.asablo.jp/blog/2020/02/28/9218732
  
問3は文理共通で普通に解けばできる問題。理系を目指す高校生には、練習問題として適切なので、問題と解答を書きます。
 
 
問3
(ベクトルを表す上付き矢印が書きにくいので、矢印を省略します。)
 
<問題>
kを正の実数とする。座標空間に於て、原点Oを中心とする半径1の球面上の4点A,B,C,Dが次の関係を満たしている。
  OA・OB=OC・OD=1/2
  OA・OC=OB・OC=-√6/4
  OA・OD=OB・OD=k
このとき、kの値を求めよ。ただし、座標空間の点X,Yに対して、OX・OYはベクトルOXとベクトルOYの内積とする。
 
<解説>
 京都大学理系問3は文理共通問題。文理共通のため、理系としてはそれほど難しくはないが、文系の問題では、かなり難しい問題。
 球面上に点が4つあるので、計算が楽で一般性を失わないように座標値を定める。
 
<解答>
 Aの方向をx軸、Bはx-y平面にあるとする。さらに、cのz座標は負ではないとする。このようにしても、一般性を失わない。
 このとき、題意と条件から、A(1,0,0) B(1/2,√3/2,0) C(-√6/4,-√2/4,√2/2) と書ける。
 D(x,y,z)とする。
 OA・OD=k、OB・OD=kより、x=k,y=√3/3kとなる。
 OC・OD=1/2より、z=√2/2+(2√3)/3kとなる
 これをx2+y2+z2=1に代入して、次式を得る。
  16k2+(4√6)k-3=0
 k>0であるから、k=(3√2-√6)/8
 
 
問3のほか、問5も文理共通問題だった。問5は場合の数の問題で、時間内に正確に数え落としをしないのは難しい。

東北大学理系の数学入試問題2020年03月11日

 東北大学理系の数学入試問題は易しかった。かつては、難しい問題が多かったのに、最近は難しい問題は出ていなかった。今年は、例年に増して易しい。相当、高得点でないと合格できないだろうし、満点の受験生も多かったことだろう。
 河合塾や代々木ゼミナールの講評を見ると、問6は「標準」となっているので、解答例を書きます。教科書中心の勉強で、十分に完答できる易しい問題です。
 
 
(1)
t=π/2-xとおくと、次式が得られる。
A(m,n)=A(n,m)
また、cos2(x)+sin2(x)=1を使えば、次式となる。
A(m+2,n)+A(m,n+2)=A(m,n)

(2)
t=sin(x)と置けば、A(m,1)=1/(m+1)

(3)
(2)と同様に考えて、∫cosm(x)sin(x)dx=-1/(m+1)cosm+1(x)となるので、
A(m,n+2)=∫cosm(x)sinn+2(x)dx=∫cosm(x)sin(x)sinn+1(x)dx
ここで、cosm(x)sin(x)とsinn+1(x)で部分積分すると、
A(m,n+2)=(n+1)/(m+1)A(m+2,n)となる。

(4)
(1)から、すべての正の整数mにたいして、A(m,1)は有理数である。
ここで、すべての正の整数mにたいして、A(m,2k-1)は有理数であるとする。ただし、kは正の整数。
ここで、mを任意の正の整数とする。
(3)より、A(m,2(k+1)-1)=A(m,2k+1)=2k/(m+1)A(m+2,2k-1)となるので、
A(m,2(k+1)-1)は有理数である。
よって、nが奇数のときにA(m,n)は有理数である。
mが奇数でnが偶数のときは、A(m,n)=A(n,m)であるから、右辺は有理数である。以上より、mまたはnが奇数のときは、A(m,n)は有理数となる。


注意)
(4)の解答はこれで十分だけれど、「すべての正の整数mにたいして」という条件が分かりにくいかもしれない。(1)の後半を見ると、出題者はこれとは異なる論考を求めたのだろう。

(4)別解・・・出題者の意図を忖度した解答
(3)より、A(m,n+2)=(n+1)/(m+1)A(m+2,n)
(1)後半より、A(m+2,n)+A(m,n+2)=A(m,n)
2つの式から、A(m+2,n)を消去すると次式を得る。
A(m,n+2)=(n+1)/(m+n+2)A(m,n)
すなわち、A(m,n)が有理数の時、A(m,n+2)は有理数である。
以下は、普通に数学的帰納法を使う。

 

 

追記:
(4)の出題意図がどうも良く分からない。有理数であることは、(1)(2)(3)や帰納法を使うことなく、被積分関数をを変形すれば容易にわかります。(1)(2)(3)があるために、かえって、まだらっこしくなります。出題者の頭がよくないのだろうか。
 
(4)別解・・・出題者の意図を完全に無視した解答
nが正の奇数の時、n=2k+1とする。ただし、kはゼロまたは正の整数。
cosm(x)・sin2k+1(x)=cosm(x)・{1-cos2(x)}k・sin(x)
i=0k (-1)ikCi・cosm+2i(x)・sin(x)
A(m,n)=A(m,2k+1)=Σi=0k (-1)ikCi・A(m+2i,1)=Σi=0k (-1)ikCi/(m+2i)
よって、A(m,n)は有理数である。
mが正の奇数の時も同様に、A(m,n)は有理数である。

二度上峠2020年03月22日

 
群馬県高崎市から北軽井沢へ抜ける二度上峠から浅間山に沈むオリオン座を撮りました。
二度上峠は、浅間隠山や鼻曲山の登山口があり、浅間山の好展望が得られます。
写真はISO200、F8で15分程度。春なので空気透明度がいま一つ。

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