北海道大学(理系)数学入試問題2020年03月01日



 例年の北大には難しい問題はなかった。しかし、昨年の北大は難しかった。このため、今年はかなり易しくなるのではないかと思っていたが、それほどでもなかった。昨年よりは易しいが、例年よりも難しい。
 問1、問2は易しい。問3も場合分けを間違わなければ問題ないが、限られた試験時間の中で、正答にたどり着くのはそれほど容易ではない。問4、問5は典型的な数列の問題と、積分の問題。受験勉強をまじめに取り組んでいれば容易だろうが、多くの受験生にとって易しくなかっただろう。
 そういうことで、問3、問4、問5の解答例を書きます。


問3の解答
(1)
すべてが3または6の確率から、すべてが6である確率を引いた値
  (2n-1)/6n

(2)最大公約数が偶数である確率 3n/6n
 最大公約数が3である確率 (2n-1)/6n
 最大公約数が5である確率 1/6n
よって、最大公約数が1である確率は  1 - (3n+2n)/6n

(3)場合分けを間違わないように、ベン図を書くとよい。
 最小公倍数が20ということは、4,5を含み、3,6を含まないということ。
  A:1,2,4,5のみ
  B:1,2,5のみ
  C:1,2,4のみ
  D:1,2のみ
とすると、最小公倍数が20になる確率はAの確率-Bの確率-Cの確率+Dの確率となる。
すなわち、(4n-2×3n+2n)/6n 

   

問4の解答
<考え方> y=f(x),y=xのグラフを書いてみると分かりやすい。

(1)
0<x<1のとき0<x<f(x)<1が成り立つ。
0<a1<1 であるから、0<an<1 および an<an+1 が成立する。 

(2)
bn={1-f(an)}/(1-an) である。
g(x)={1-f(x)}/(1-x) とすると、0<x<1のときg(x)は単調減少関数である。
bn=g(an)であり、an<an+1であるから、bn>bn+1となる。
 
(3)
<考え方>an→pとすると、p>α、p=f(p)が成り立つ。よって、p=1。
大学の試験問題ならば「anは有界単調なので収束する」と書いておけば十分だけど、高校生はこの理論を使えないようなので、挟み打ちの原理を使う必要がある。
x≦h(x)≦f(x)となる易しい関数h(x)にたいして、c1=a1、cn+1=h(cn)で数列cnを定めて、cnを求めて、cn→1となることを示すことが定石。
 
<解答>
 α≦x<1にたいして、h(x)を、(α,f(α))、(1,1)を通る1次関数とする。
すなわち、h(x)=β(x-1)+1とする。ただし、β={1-f(α)}/(1-α)。 
ここで、0<β<1が成り立っている。
このとき、h(x)は単調増加関数で、α≦x<1のとき、x≦h(x)≦f(x)≦1が成り立っている。
c1=a1=α、cn+1=h(cn)により、数列cnを定める。
このとき、数列cnは単調増加関数で、cn≦anが成り立つ。
また、cn+1=1-βn(1-β)となる。
cn≦an<1 cn→1(n→∞) であるから、an→1 (n→∞) となる。

次に、x→+1のとき、g(x)の極限を求める。
lim(x→+1) g(x) = f'(1) となる。
f'(x)=(π/2)cos(xπ/2)であるので、f'(1)=0であるから、
  lim(x→+1) g(x) =0 
よって、bn→0 (n→∞)  
 
 
  
問5の解答
(1)
1/{f(1-f)} = 1/f + 1/(1-f)に注意して、tの積分をfの積分に置き換えると、
求める積分値は log{f(x)/(1-f(x))}-log{f(0)/(1-f(0))}
この値がaxだから、f(x)=1/{2exp(-ax)+1}=exp(ax)/{2+exp(ax)}

(2)
f(x)を0から1まで積分すると、S(a)={log(2+exp(a))-log3}/a
よって、S(a)→1/3  (a→+0)
(注)f(x)の積分は u=exp(ax) と置けばよい。
(注)S(a)の極限は分子、分母をaで微分して、極限操作をする。
この手法は、問4(3)でbnの極限を求めた時と同じ。


大阪大学(理系)数学入試問題2020年03月01日

大阪大学は、難問・奇問が出ることがある。しかし、今年は易しい。かなり、高得点の争いになったはずだ。
ただし、問5は解答が書きにくかったかもしれない。そういうことで、問5の解答例を書きます。


問5の問題
三辺の長さの和が2である三角形ABCにおいて、辺BCの長さをa、辺CAの長さをbと書く。三角形ABCを辺BCを軸として一回転させてできる回転体の体積をVとする。以下の問いに答えよ。
(1)aの値を固定してbの値を変化させるとき、Vが最大になるのは、三角形ABCが辺BCを底辺とする二等辺三角形となるときである。これを示せ。
(2)a,bの値をともに変化させるとき、Vの最大値と最大値を与えるa,bの値をそれぞれ求めよ。


問5の説明  
(1)ができれば、(2)は簡単だろう。
(1)は三角形の面積が最大になるときにVが最大になることに気付けば、二等辺三角形のときに面積が最大になることを示せばよいことが分かる。辺の長さと面積の関係の問題なので、ヘロンの公式を使うと楽である。
 
問5の解答 
 
(1)
辺BCとAの距離をhと書くと、
V=(1/3)πah^2  (注)^は累乗の意味。
となる。
よって、hが最大の時にVが最大となる。
三角形の面積をSとすると、S=(1/2)ahであるから、三角形の面積が最大の時にhが最大になる。
ここで、三角形の面積を求めるヘロンの公式を使う。
S^2=d(d-a)(d-b)(d-c) ただし、d=(a+b+c)/2 cは辺ABの長さ。
 
題意からd=1なので、f(b)=(1-b)(1-c)としたとき、f(b)が最大の時に面積は最大になる。
ここで、c=2-a-bなので、
f(b)=-b^2+(2-a)b+a-1 である。
よって、b=1-a/2のとき、f(b)は最大になる。
このとき、c=bであるから、三角形ABCが辺BCを底辺とする二等辺三角形の時にf(b)は最大になる。
結局、三角形ABCが辺BCを底辺とする二等辺三角形の時にVは最大になる。
 
 
(2)
三角形ABCが辺BCを底辺とする二等辺三角形の時、b=c=1-a/2であるから、このとき次式が成り立つ。
h^2=(1-a/2)^2-(a/2)^2=1-a
このとき、V=(1/3)πa(1-a)
よって、a=1/2のとき、Vは最大値π/12をとる。このとき、b=3/4。

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