本の紹介ー小学校英語のジレンマ ― 2020年06月01日
寺沢拓敬/著『小学校英語のジレンマ』岩波新書(2020/2)
2020年、小学校での英語が必修化された。
本書前半は日本における小学校英語教育のこれまでの歴史。
後半は、急に必修化となった経緯や小学生に対する英語教育のメリット・デメリットなど。
英語教育に関心も知識もない私に、この本の良し悪しは判断できない。興味をもった記述として、小学生の時に英語教育を受けると、中学2年での英語能力は、100時間勉強した者で偏差値が0.5高いとのことだ。
要するに、小学校で英語教育を受ける必要はないけれど、受けてればそれなりの効果はあるということになるだろう。毎日3時間余分に英語を勉強すると1年間でほぼ1000時間となるが、この時の偏差値の上昇が5.0程度だとすると、感覚的にそう違いはないだろう。このため、小学生が100時間の勉強で偏差値0.5だとすると英語の勉強は小学生も中高生でも、勉強時間当たりの効果に大きな違いはなさそうだ。
「勉強は何歳でも早すぎることも遅すぎることもない。」 英語教育も同じなのではないだろうか。この本を読んでいてそんな感じがした。
英語は語学なので教師に習う必要がある。将来、英語が出来るようになかどうか、最初に習う英語教師や学習環境の良し悪しが大きく影響する。小学校の英語は担任教師が行うことになっているが、本書では、この施策には批判的であり、英語を母語とする指導者による教育を推奨しているように感じた。
しかし、英語を母語とする人と、日本語を母語とする教育者を比較した場合、初等英語教育はどちらがうまいのかというと、それは一概に言えないことではないだろうか。
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