オリオン2021年01月10日

コロナが深刻化しています。年末年始、人出が多かったので当然と言えば当然ですが。
 
自宅のベランダからオリオン座や冬の大三角を撮ってみました。目視ではオリオン座三ツ星がやっと見える程度なのに、写真ではたくさんの星が写っています。
 
シャッター速度5秒を10分間繰り返し、重ねています。フィルターはSC64を使用。

本-ガチ文系のための「読む数学」2021年01月11日

 
斉藤孝/著『数学的思考ができる人に世界はこう見えている ガチ文系のための「読む数学」』祥伝社 (2020/2)  
 
 読んだことを忘れないように書き留めておきます。
  
 学生の時の専攻は数学系で、就職後の職業も数学系だった自分にとって、著者の言う「数学的思考」は、なんだかこじつけのような気がする。
 教育には「こじつけ」で生徒にやる気を起こさせるとか、「こじつけ」で覚えるなど、なにかと「こじつけ」を多用することも多いだろうから、教育学者らしい本なのかもしれない。いずれにしても、根っからの理系人である自分には、興味の持てない本だった。

本の紹介-漁業と国境2021年01月13日

 
濱田武士、 佐々木貴文/著『漁業と国境』みすず書房 (2020/1)
 
 日本の国境問題と漁業の関連を手際よくまとめている。文章も読みやすいのだけれど、今一つ読書意欲がわかなかった。なぜだろう。
 第一章は近現代の日本外洋漁業史。乱獲と諸外国の批判から衰退へと向かったのが、日本の漁業史なわけで、本書では、そう露骨に書いているわけではないが、まあ、そういうことが書かれている。
 第二章は北方領土関連の漁業。詳しく、また、わかりやすく書かれている。
 第三章は竹島関連、第四章は尖閣関連、第五章は南洋漁業。

ホームページ追記2021年01月14日

飛騨屋とクナシリメナシノ戦いに関して、下記ページに、以下の4点を追記しました。
http://nippon.nation.jp/Naiyou/Hidaya/index.htm

①飛騨屋の横暴は、歴史専門書以外に、一般啓蒙種にも書かれており、広く知られたことである。
②飛騨屋の横暴は、江戸時代から指摘されていたことである。
③松前藩や江戸幕府が飛騨屋を処罰せずに、飛騨屋の横暴を放置した原因。
④船戸与一の小説「蝦夷地別件」では、飛騨屋の横暴が書かれている。

私は歴史学者ではないので、記述はなるべく、一般に史実と思われていることを、中立的に書くことを心掛けています。
飛騨屋の支配に対して「人道的であった」「合理的であった」等、肯定的評価の視点からも記述したいと思い、近所の図書館で、歴史書を中心に調べました。しかし、肯定的評価をしている本が見つかりませんでした。もっとも、コロナの影響で、調査は不十分だったので、コロナが収束したらもう一度調べてみようと思っています。

クナシリ・メナシの戦いは北方領土の歴史と関係しています。
北方領土の解説は以下をご覧ください。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm

やさしいく書いた北方領土の解説は以下をご覧ください。
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Yasashii.htm

大学入試共通テストの数学2021年01月18日

 昨日は大学入試共通テストの理系科目試験が行われた。数1・A、数2・Bを見ると、基礎的な問題だけで、授業をまじめに勉強していた受験生には易しかっただろう。これまでのセンター試験に比べると、数2・Bが多少易しくなっている。ただし、問題文が長くなったので、文章読解・理解が苦手な受験生には難しくなったかもしれない。普通に新聞を読んでいる人にはどうってことないが。
 太郎君と花子さんの会話がいくつかあるが、単にヒントを与えているだけで、二人の会話にする必要はない。無駄に、問題文を冗長にしているようで感心しない。

本-逆さ地図で解き明かす新世界情勢2021年01月24日

 
松本利秋/著『逆さ地図で解き明かす新世界情勢 ー東アジア安保危機と令和日本の選択』 ウェッジ (2019/11)
 
特に興味なかった。脅威論を説く本。

本の紹介-黒船来航と琉球王国2021年01月25日

 
上原兼善/著『黒船来航と琉球王国』名古屋大学出版会 (2020/8)
 
 幕末、琉球に外国船が現れると、琉球王国・薩摩藩は外国船対応に苦慮する。建前上、琉球は清国の一部であって、薩摩藩とは無関係ということになっていた。このことが、外国に知られないようにすることも、琉球王国や薩摩藩の課題になった。
 本書は、この時代の外国船・琉球王国・薩摩藩・幕府の対応に関する専門書。学術書なので内容は高度で参考文献も多い。

本の紹介-古琉球2021年01月26日

 
村井章介/著『古琉球 海洋アジアの輝ける王国』角川選書(2019/3)
 
 薩摩藩侵攻以前の琉球を「古琉球」という。本書は、この時代の歴史書で、かなり詳しい。琉球が世界に開かれた貿易立国であったことが記述の中心。

本の紹介-ヘイト・クライムと植民地主義2021年01月27日

  
木村朗、前田朗、他/著『ヘイト・クライムと植民地主義』三一書房 (2018/2)
  
20人ほどの著者による論文集。著者により問題の力点が違うためか、私には今一つ理解しにくかった。

本の紹介-AI vs.教科書が読めない子どもたち2021年01月28日

 
新井紀子/著『AI vs.教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社 (2018/2)
 
著者は数学者でAI技術者。東大入試で合格点を取れるAIを開発するプロジェクトの担当者。
 
 本書の2/3は東大合格を目指すAIの話と、AIの仕組み・問題点。
 残りの1/3で、簡単な文章を理解できない中高生が多い状況を問題提起している。
 AIと低学力の問題は直接関係ないが、AIが発達すると、低学力の人が主に就いている職業がAIにとってかわられる恐れが高いので、AIと低学力問題が関係するとの危機意識なのだろう。
 
 第一章と第四章はイントロとまとめ。第二章はAIの話。第三章は低学力問題の話。
 このため、AIに興味があって教育に興味がない人は第二章だけ読めばよいし、教育に興味はあるがAIに興味がない人は第三章を読めばよい。
  
 著者は、最初、東大入試で合格点を取れるAIの開発を目指したが、その後、目標を下げてMARCH合格を目指すAIの開発に取り組んでいる。この研究の中で、内容を理解することがAIでは困難であるとの結論に達した。
 
 本の後半は、一部の上位生成者を除いて、中高生は文章の内容を正しく理解しておらず、教科書を読んでも、正しい理解に至らない事実を指摘している。上位国立大に合格する生徒の多くは、文章を正しく理解しているが、上位私立大だと理解者が減ってくる傾向が顕著に表れている。著者の別の論文によると、学校で教科書を読んで正しく理解できるのはクラスに2人程度とのことだ。
 児童・生徒が文章をどの程度理解しているのかという問題は、本来「国語科」の課題であるように思える。しかし、本書の著者は数学者であることがおもしろい。国語では文学作品をザッと読んで、書かれていない心情などを推測する訓練をしている。ところが、数学の文章題を解こうとすると、正確に問題が理解することが必要になる。このため、数学者が「文章の正確な理解」を問題とするのだろう。
 著者の研究によると、上位国立大に入れる能力がある生徒以外は、教科書を正しく理解する能力に欠ける場合がある。上位私立大進学者の一定割合でも、教科書理解の能力に欠ける、下位私立大進学者の多くは中高時代の教科書を理解する能力に欠ける。
 この結論に従うならば、昨今のヘイトスピーチも理解できる。中高生の教科書を読んで理解する能力に欠ける右翼が、自分に都合よく歴史書をデタラメに理解するなら、ヘイトスピーチにもなるだろう。

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