本の紹介-テーラワーダ仏教 ― 2021年02月04日

アルボムッレ・スマナサーラ/著『テーラワーダ仏教「自ら確かめる」ブッダの教え』大宝輪閣(2014.1)
日本の仏教は「大乗仏教」だが、本書は「上座部仏教」のテーラワーダによる仏教解説。
テーラワーダはスリランカ仏教界長老が東京幡ヶ谷の道場で指導・説法をしている仏教団体。
釈迦入滅後、釈迦の教えは口伝により伝えられた。これらを基に成立した経典が「阿含経」である。テーラワーダは阿含経を所依の経典としているが、日本の仏教は、のちに成立した大乗仏教である。阿含経の中にも釈迦の教えでないものが混入しているし、大乗仏教経典がすべて釈迦の教えに反しているというわけでもないが、テーラワーダの教えは釈迦の教えを色濃く残していると考えられる。
平たく言えば「心を見つめようね」「正しい行いをするといいよ」「正しい知恵があった方がいいよ」、これがテーラワーダによる釈迦の教えである。
上座部仏教は自分の心や、自分の行いに関する教えなので、日本では全く流行っていない。大乗仏教では「観音菩薩を拝むとご利益があるよ」のように、絶対者を拝むことや、坊さんにお金を払って拝んでもらうことを推奨するが、日本人には、この方が手っ取り早くて人気があるのだろう。
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