本の紹介-東電原発事故 10年で明らかになったこと ― 2021年04月02日

添田孝史/著『東電原発事故 10年で明らかになったこと』平凡社新書(2021/2)
著者は大阪大学基礎工学研究科修士修了の科学ジャーナリスト。
本書は、福島原発事故10年が過ぎて明らかになった、これまでの東電のずさんな事故対策を明らかにするもの。
第1章は福島原発事故のあらまし。すでに、良く知られていることなので、読み飛ばしても良いだろう。
第2章が本書の中心で、ページ数も多い。事故前に、津波の可能性が指摘され、女川原発や、東海第2原発なででは、それなりの津波対策をしていたにもかかわらず、東電だけが津波対策を故意に怠っていた事実を明らかにしている。
第3章は原発事故裁判の話。政府・東電が事故に真摯に向き合うことなく、言い逃れに終始している実態が示される。
第4章はまとめや今後の話などであり、ページ数は少ない。
本書を読むと、如何に東電の対応が悪かったか、さらに事故後も対応が悪いのかが、良く分かるだろう。福島原発事故は予期しえない自然災害などではなく、東電の故意犯に近いように感じる。
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