本の紹介-真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話 ― 2021年07月15日

佐々木閑、大栗博司/著『真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話』幻冬舎新書(2016/11)
理論物理学者・大栗と、仏教学者・佐々木閑による執筆で、科学と釈迦の仏教は、両者ともに神の存在を仮定せずに、法則性を探求する点で類似しているとの立場で本書の解説がすすめられている。
第一章は大栗による現代物理学、特に宇宙論の解説。佐々木が聞いているところがあるが、ほとんどは大栗による説明なので読みにくいところはない。
第二章は佐々木による釈迦の仏教の解説。大栗の質問は少なく、ほとんどが佐々木閑の説明。
第三章は佐々木と大栗の対談。両者が半々程度に話している。
特別講義として、大栗による現代理論物理学のホットな研究である「超弦理論」のさわりの説明と、佐々木による「大乗仏教の起源」の説明がある。予備知識がなければ、どちらもあまり理解できないかもしれない。