本の紹介-東電原発事故 10年で明らかになったこと ― 2021年09月18日

添田孝史/著『東電原発事故 10年で明らかになったこと』平凡社新書(2021.2)
フリー科学ジャーナリスト添田孝史による福島原発事故の解説。
本書を読むと、東電・国が原発安全性が低いことが分かっていながら、危険な状態を放置してきたことが分かる。
第一章は福島原発事故の経緯。既に、良く知っている人も多い内容だが、今一度、事故の経緯を確認するうえで、読む価値はあると思う。
第二章が、この本の中心。福島原発事故は、地震による津波で炉心冷却機能を喪失したために起こった。本章によると、もともと、福島第一・第二原発は、予想最大津波に対する余裕度がなかったこと、その後、貞観地震が知られ、これまで予想された津波よりも、到達津波が高いことが分かったにもかかわらず、追加工事をしないで、それを行政当局も追認していたこと、さらに、東海第二原発では、貞観地震の知見により、対策工事をしていたことなど、東電や国の対応のまずさが書かれている。
第三章は事故の検証と裁判の話。
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