本の紹介-ホモ・デウス ― 2022年01月21日

ユヴァル・ハラリ/著、柴田裕之/訳『ホモ・デウス 上・下』河出書房新社 (2018/9)
著者は「サピエンス全史」で人類史を著した。本書は、これに続く本で、人類の将来を展望する。
第一部は、人類は、自ら神のようなホモ・デウスを目指すようになるとの内容。第二部は人間至上主義。第三部で、データフローの中などにより存在意義を失うとの予想。
著屋の記述に反対ではないけれど、本二冊は冗長、100ページぐらいで良い内容に感じる。
医療が悪かった時代は、病気になると神頼みをした人も多かったが、医療が良くなれば神頼みはなくなる。そんなことで、病気に対して、人間が自ら神のようなホモ・デウスを目指すと考えるのは、ちょっと神概念が狭いように感じる。著者はイスラエル人なのでユダヤ教が神の基本にあるのだろう。日本人が神というと、お祭りの時の張り子人形程度の存在の場合もあるので、神頼みと言っても絶対信仰とは異なる。今、日本人の多くは、病気の時に医者にかかることは当然のことでも、厄除けなどをする人や、絵馬に家内安全と書く人は多い。受験の時に神社をお参りする人はいるが、勉強しないで神社をお参りすれば大学に合格すると思う人は誰もいないだろう。神とは、そういう存在も含んでいるはずだが、一神教の人たちの「神」や「人のあるべき姿」の概念はずっと狭いのだろうか。
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