ロシア軍、キエフ周辺から撤退・・・やる気のない戦争2022年04月05日

 
 ウクライナ軍がキエフ地域を解放したかのような言説があるが、事実はロシア軍が撤退したところに、ウクライナ軍が入ったということだ。ロシア軍はなぜ撤退したのか、この点について、ニュース報道等で、まともな解説がない。
 
 現在の状況は、昨年から予想できたことの一つだ。そもそも、ロシアがウクライナに侵攻した目的は何か。
 元外交官の孫崎亮氏が開戦当初から正しい指摘をしている。例えば、3/4のTwitterには以下のように書かれている。
『繰り返しますがロシアの今回の行動は反ウクライナでもウクライナを奪取しようという動機ではない。①NATO拡大によって隣接地に短距離・中距離弾道ミサイルの配備を阻止、②東部二州の「自治権」確立。』

1)プーチンは昨年、ベラルーシでロシア軍演習を行い、兵力を見せつけることで、①②の目的を達成しようとした。
2)これが、不可能とわかると、今度はウクライナに侵攻し、戦車を見せつけた。①②が目的なのだから、犠牲者をなるべく少なくするため、戦車の長い車列を作り、軍事施設の攻撃なども最小限にとどめた。
3)それでも、ウクライナ大統領が停戦に応じないことがわかると、キエフを包囲して、圧力を加えた。また第2の都市ハリコフを攻撃し、次はキエフとの威圧を与えた。同時に、マリウポリを攻撃し、ネオナチの排除を図った。
4)ウクライナ大統領には、ウクライナ人の死に関心がなく、自らの権力と取り巻きの利益にしか関心がないのだと判断し、さらにNATOへの早期加盟はないと判断すると、戦局を転換し、東部の解放に全力を挙げだした。
 
 これで、戦争が終わるかどうかはウクライナ側の態度いかんにかかっている。プーチンの態度は昨年から変わっておらず、『反ウクライナでもウクライナを奪取しようという動機ではない。①NATO拡大による隣接地への短距離・中距離弾道ミサイル配備を阻止、②東部二州の「自治権」確立。』 これは、以前から、孫崎氏が指摘している通りで、プーチンの態度には全く変化がない。
 アメリカ・ウクライナがNATO加盟を目指すならば、軍事施設やインフラへの攻撃は決して終わらない。ウクライナが、東部攻撃をやめないならば、特に、ロシア系住民の人権弾圧政策をやめないならば、ロシアのウクライナ攻撃は決して終わらない。もっとも、東部問題はロシアがこの地域を解放し、ネオナチの多くを逮捕すれば、自然に終了する問題です。
  
ウクライナ・ロシア戦争に関して、孫崎亮氏の解説は、簡潔で分かりやすく、正確です。
https://www.jacom.or.jp/nousei/rensai/2022/03/220314-57498.php
https://www.jacom.or.jp/nousei/rensai/2022/03/220315-57529.php

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