本の紹介-密教2022年05月14日

  
正木晃/著『密教』(2004.9)講談社選書メチエ  
 
 著者は、早稲田大学・慶應義塾大学・立正大学の非常勤講師を務める宗教学者。仏教、特に密教系の解説書を多数執筆している。本書は、密教や仏教の知識がなくても理解できるように書かれており、密教を知ろうと思っている人に勧められる。
 本書の内容は、「密教とは何か」「キーワードで考える日本密教」「マンダラの理論と実践」「修行と秘儀から考える日本密教」。

 「密教とは何か」では、インド、チベット、中国の密教史を概説する。日本の密教の位置を理解する上で重要。岩波新書「密教」と類似な内容なので、どちらを読んでも良いように思う。
 「キーワードで考える日本密教」は日本の密教の概要説明。密教の修業方法の説明の中に、密教の思想の説明がなされている。密教と無関係な一般人にも理解しやすい内容になっている。
 「マンダラの理論と実践」は金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅の解説。図を示し、ある程度詳しく書かれているので、理解しやすい。
 「修行と秘儀から考える日本密教」は日本密教で行われている阿字観や四度加行などの仕方の説明。密教の修行って、こんなことをしているのだ、と、何となくわかるようだ。
  
 このほか、日本の有名密教寺院の案内がある。
  
 もし、普通の人が密教を知ろうと思った時、岩波新書か講談社選書メチエのどちらを読もうかと思ったならば、講談社選書メチエの方が読みやすい。

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