朝日新聞のウクライナ記事 ― 2022年05月19日
朝日新聞に限ったことではないが、ウクライナ・ロシアの戦争関連記事には呆れる。「これでも記者か」と言いたい。
2022/5/19の朝日新聞一面トップは「ロシア、捕虜交換拒む動き」のタイトルで、アゾフスターリ製鉄所に立てこもっていたウクライナ兵捕虜を、ロシア側が簡単にはウクライナに返さないとの記事がある。前日の朝日新聞朝刊一面では、ウクライナ国防次官によるSNS記事により、「ロシア兵の捕虜と交換される」と書かれている。
今日の記事が正しいなら、昨日の記事は何だったのだ。昨日の記事は、ロシア側に確認取材をしたのだろうか。ウクライナ側が一方的に流したプロパガンダを、さも真実のように書いただけではないか。取材せずに、一方のプロパガンダを垂れ流しているだけなら、報道の名に値しない。
アゾフ大隊とは何者であるかの知識があれば、こんな報道にはならなかったはずだ。アゾフ大隊とは、サッカーファンのフーリガンを中心としてできた、人種差別主義のならずもの集団で、数々の犯罪行為に手を染めてきた人たちだ。これまで被害を受けてきたドネツク共和国の人たちが、黙って見過ごさない可能性があることは容易に推測できただろうに。この地域に対する基礎知識がなさすぎる。
2022/5/10の朝日新聞一面トップもひどかった。「プーチン氏戦争宣言せず」のタイトルで、第二次大戦戦勝記念日の5月9日にプーチンが戦争宣言をしなかったとの内容だ。イギリスの誰かが、5月9日にプーチンが戦争宣言するのではないかとの憶測を、さも確度の高い情報として報道したが、それが誤りだったというだけのことだ。報道機関ならば、憶測は裏付け取材をすればよいのに。米・英の根拠薄弱な憶測や、ウクライナのプロパガンダを検証することなしに、漫然と垂れ流しているのならば、報道機関の名に値しない。
テレビ朝日もひどい。
2022/5/6のテレ朝ニュースに『独自:ウクライナ鉄道の幹部が語るロシア軍の思惑』との記事があった。内容は、ウクライナ鉄道幹部の話として、「ロシア軍は当初、鉄道への攻撃は行わなかった」「彼らは自分たちで鉄道を使いたかった」とのことだ。
ロシア軍は当初、鉄道への攻撃は行わなかったことは、事実だろうからこれは問題ない。その理由として、ウクライナ鉄道幹部が、ロシア軍は自分たちで鉄道を使いたかったためと推測しているということだが、この記事を聞いた視聴者の多くは、ウクライナ鉄道幹部の推測は事実であるか確度が高いと理解する。しかし、よく考えてみれば、中立国の日本がロシアの意図を取材するよりも、敵国の関係者が、相手国を取材する方が困難だろう。戦争当初、ロシアが鉄道攻撃をしなかった理由は、報道機関ならば、自分で取材すべきことだ。テレビ朝日はロシアの取材もしないで、ウクライナの憶測を垂れ流すのか。
2022/5/19の朝日新聞一面トップは「ロシア、捕虜交換拒む動き」のタイトルで、アゾフスターリ製鉄所に立てこもっていたウクライナ兵捕虜を、ロシア側が簡単にはウクライナに返さないとの記事がある。前日の朝日新聞朝刊一面では、ウクライナ国防次官によるSNS記事により、「ロシア兵の捕虜と交換される」と書かれている。
今日の記事が正しいなら、昨日の記事は何だったのだ。昨日の記事は、ロシア側に確認取材をしたのだろうか。ウクライナ側が一方的に流したプロパガンダを、さも真実のように書いただけではないか。取材せずに、一方のプロパガンダを垂れ流しているだけなら、報道の名に値しない。
アゾフ大隊とは何者であるかの知識があれば、こんな報道にはならなかったはずだ。アゾフ大隊とは、サッカーファンのフーリガンを中心としてできた、人種差別主義のならずもの集団で、数々の犯罪行為に手を染めてきた人たちだ。これまで被害を受けてきたドネツク共和国の人たちが、黙って見過ごさない可能性があることは容易に推測できただろうに。この地域に対する基礎知識がなさすぎる。
2022/5/10の朝日新聞一面トップもひどかった。「プーチン氏戦争宣言せず」のタイトルで、第二次大戦戦勝記念日の5月9日にプーチンが戦争宣言をしなかったとの内容だ。イギリスの誰かが、5月9日にプーチンが戦争宣言するのではないかとの憶測を、さも確度の高い情報として報道したが、それが誤りだったというだけのことだ。報道機関ならば、憶測は裏付け取材をすればよいのに。米・英の根拠薄弱な憶測や、ウクライナのプロパガンダを検証することなしに、漫然と垂れ流しているのならば、報道機関の名に値しない。
テレビ朝日もひどい。
2022/5/6のテレ朝ニュースに『独自:ウクライナ鉄道の幹部が語るロシア軍の思惑』との記事があった。内容は、ウクライナ鉄道幹部の話として、「ロシア軍は当初、鉄道への攻撃は行わなかった」「彼らは自分たちで鉄道を使いたかった」とのことだ。
ロシア軍は当初、鉄道への攻撃は行わなかったことは、事実だろうからこれは問題ない。その理由として、ウクライナ鉄道幹部が、ロシア軍は自分たちで鉄道を使いたかったためと推測しているということだが、この記事を聞いた視聴者の多くは、ウクライナ鉄道幹部の推測は事実であるか確度が高いと理解する。しかし、よく考えてみれば、中立国の日本がロシアの意図を取材するよりも、敵国の関係者が、相手国を取材する方が困難だろう。戦争当初、ロシアが鉄道攻撃をしなかった理由は、報道機関ならば、自分で取材すべきことだ。テレビ朝日はロシアの取材もしないで、ウクライナの憶測を垂れ流すのか。
センカクオトギリの花 ― 2022年05月24日
ソナレムグラ ― 2022年05月25日
バイカウツギ ― 2022年05月26日
シモツケ ― 2022年05月26日
本の紹介ー進駐軍向け特殊慰安所RAA ― 2022年05月27日

村上勝彦/著『進駐軍向け特殊慰安所RAA』ちくま新書(2020/3)
終戦直後、日本は急遽、GHQ向けに、日本人女性を集め、売春所を建設した。米軍向け売春場は、アメリカ本国で批判を受け、半年後には閉鎖になった。
GHQ向け売春所や米軍人による強姦犯罪などについては、占領下では報道禁止となっていたため、当時報道されることはなかったが、米軍相手の売春婦(いわゆるパンパン)は良く知られた存在だった。
本書の前半はRAA設立のいきさつから、売春婦の募集、売春の実態を記す。もともと売春婦であったものの募集も多かったが、事務員名目で募集した者に売春をさせて自殺した話など、嫌がる女性に売春を強いた話も記載されている。
売春所があったにもかかわらず、米軍人による強姦は頻発していた。これらについても若干の記述がある。
本書の後半は、売春所が閉鎖になった後の話。公的売春所が閉鎖になると、私的な売春が流行るようになった。
GHQ向けの売春所については、これまでいくつかの本も出版されているので、関心のある人は知っているはずだが、売春や性犯罪の歴史は、学校で習うことが少ないので、知らない人も多いと思う。本書は、新書版で手軽に読めるため、日本史の闇の部分を知るうえで、好適な書と言えるだろう。
本の紹介-科学と技術の歩み ― 2022年05月28日

道家達将/著『科学と技術の歩み』岩波ブックレット(1995/5)
元、東京工業大学教授、道家達将先生による日本近代科学技術史の簡単な説明。時代区分は、幕末以降明治・大正期まで。
本の紹介-インド仏教の歴史 ― 2022年05月30日

竹村牧男/著『インド仏教の歴史』講談社学術文庫(2004/2)
インドにおける仏教思想の変遷を中心とした仏教史の概要。ただし、本書で取り上げている範囲は、おおむね唯識までのため、インド密教については記載されていない。
各章立ては以下のようになっている。
第1章 仏教の原点――ゴータマ・シッダッタの目覚め
第2章 部派仏教の展開――アビダルマの迷宮
第3章 大乗仏教の出現――仏教の宗教改革
第4章 空の論理――中観派の哲学
第5章 唯識の体系――瑜伽行派の哲学
第6章 その後の仏教――「空」の思想の行方
仏教思想の解説では、角川書店刊行の仏教の思想全12巻がある。角川書店の本では、1巻から4巻がインド仏教思想であり、本書では、第1章、2章、4章、5章が角川本の第1巻から4巻にそれぞれ対応している。角川本に比べ、本書は分量が少ないので、インド仏教史、特にインド仏教思想史がざっくり理解できる。
第3章は角川本では独立した巻となっていない内容で、大乗仏教の起こりと、主要経典である、般若経典・華厳経・法華経・浄土経典について説明されている。大乗仏教の起こりとして、本書ではダルマバーナカ(法師)の存在と、彼らが、布教の中心となったとの説明がある。かつては、部派仏教のうちの大衆部系の中から生まれたのだろうとの推測もあったが、部派仏教内部ではなく周辺の存在を重視した説明は、納得できるものだと感じる。ダルマバーナカとは、音楽や手品などを民衆の間で行う旅芸人のようなものであり、修行僧に比べ賤しい存在だった。ダルマバーナカが大乗経典布教の中心であったが、著者は、大乗経典の作成がダルマバーナカであるとしてはいない。本書では、大乗経典の作者について以下のように記述している。
「部派仏教の中の修行者の特殊なグループだったのか、それともまったく部派の外にいた求道者のグループなどだったのか、あるいは両者の共同になったのかもしれず、確かなことは何も判らない。作者を示唆することもない大乗経典の出現は、誠に不思議の出来事である。」