プーチンは癌なのですか2022年06月01日

最近まで、プーチンが重大な病気であるかのような報道が盛んに流されたことがある。報道機関がプーチンのことを嫌いなのは構わないが、だからと言って、謀略報道は良くない。報道機関は真実を報道すべきで、信憑性のない謀略情報をそのまま垂れ流すのでは、報道機関失格だ。
プーチンの病状について以下のような報道がなされた。

 『プーチン大統領ガン手術で指揮権を一時手放す?後任に元連邦保安局長官…政権内に権力の空白が生じて大丈夫なのか(2022/5/2 FNNプライムオンライン)』
 『プーチン大統領、がん手術で一時的に権力手放す可能性?長期間の指揮権譲渡は拒否濃厚 海外報道(2022/5/5 日刊スポーツ)』
 『プーチン大統領が「血液のがん」にむしばまれている可能性が浮上している。近々、手術を受けるとの情報も流れている。(2022/05/16 日刊ゲンダイ)』
 『プーチン氏は血液のがん、ザ・タイムズ報じる…ウクライナは「露でクーデター計画進行」(2022/05/16 読売新聞)』

 ウクライナの一部の悪質政治家が、謀略情報を流すのは理解できる。『プーチンは重病だ。この戦争はウクライナが勝つぞ。だから、今すぐ、ウクライナに金をよこせ。腐敗汚職で有名なウクライナ政治家がピンハネして私腹を肥やすぞ。』
 こんなことを後押しするのが、日本の報道機関の責任なのか。
 
 日本で伝えられた報道にもかかわらず、一向にプーチンは健在のようだ。最近になって、以下のような報道に変わった。
 
 『プーチン氏から「いかなる症状の病も見て取れない」ロシア外相(2022/5/30 朝日新聞)』

ウクライナ軍は強力で、反攻に自信を深めている のでしょうか?2022年06月02日

最近まで、ロシア軍が苦戦して、ウクライナ軍が攻勢をかけているとの報道が流されたことがある。報道機関がロシアのことを嫌いなのは構わないが、だからと言って、謀略報道は良くない。報道機関は真実を報道すべきで、信憑性のない謀略情報をそのまま垂れ流すのでは、報道機関失格だ。
ロシア軍のドンバス制圧作戦、「勢いを失っている」と英国防省が分析…兵士士気も低下
英国防省は15日、ウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク州、ルハンスク州)で軍事作戦を続けるロシア軍について「攻撃の勢いを失っている」との分析を明らかにした。露軍はドンバス地方の制圧に向けて各地で攻撃を続けているが、反撃するウクライナ軍と激しい攻防となっている。(5月15日 読売新聞)

【キーウ共同】ロシアのウクライナ侵攻から24日で3カ月。欧米の武器支援本格化を受け、ウクライナ軍は今月、東部ハリコフ州でウクライナ第2の都市ハリコフ周辺の集落をロシア軍から次々と奪還した。ゼレンスキー大統領は21日、侵攻前の状況に戻せば「勝利」との認識を表明。政権内ではロシアが2014年に強制編入した南部クリミア半島の解放も目指すとの声が上がるなど反攻に自信を深めている。ロシアも譲歩の兆しはなく、戦争長期化は必至だ。(5月22日 東京新聞)
 
 これらは、ウクライナ・イギリス・アメリカからの情報を確認せずに垂れ流したものに感じた。
 もし、上記報道のように、ロシア軍が苦戦して攻勢の勢いを失い、兵士士気も低下していて、ウクライナが反攻に自信を深めているのが事実ならば、当面はウクライナ優位で戦争が進むのかと思いきや、5日後には、逆にウクライナ苦戦の報道になった。
ロシア軍はウクライナ東部ルハンシク州で全域の掌握をねらっていて、ウクライナ側の最後の拠点とされるセベロドネツクを包囲しながら攻勢を強めています。(5月27日NHKニュース)

ウクライナ東部のルガンスク州を含むドンバス地域で、ロシア軍が攻勢を強め、ウクライナ側の苦戦が明らかになっている。(5月27日 ロイター)

ウクライナ東部ルハンスク州のセルヒ・ハイダイ知事は5月31日夜、同州の要衝都市セベロドネツクについて、SNSを通じ、「市の大部分が露軍に支配された」と明らかにした。露軍は同市の制圧に向け、攻勢を強めている。(6/1 毎日新聞)
 マスコミが謀略報道をするのは、世の常なのかもしれないが、せめて、一週間ぐらいバレナイ嘘をついてほしい。

本-江戸幕府の北方防衛2022年06月03日

 
中村恵子/著『江戸幕府の北方防衛』ハート出版 (2022/2) 

 読むことをすすめない。
 
 幕末期、日本周辺に外国船が来航するようになる。蝦夷地周辺にも、ロシア船が頻繁に来航している。この時期、幕府は蝦夷地を直轄領とし、諸藩に命じて警護を厳重にした。このことは、中学校歴史教科書にも、一般に記載されていることであり、知っている人も多いだろう。
 
 本書のメインテーマは、幕末期の蝦夷地防衛。幕末期の蝦夷地防衛の史実を説明したものとして読めば、普通の内容。ただし、すでによく知られ、他書にも記載されていることなので、特に、本書を読むメリットは感じられない。
 
 本書には著者の思い入れなのか、不思議な記述が多い。中でも、不思議な記述は、数か所、江戸時代の北方防衛を知る人がほとんどいないと書かれていることだ。例えば、P208には以下の記述がある。

「この著書で…今では、ほとんど知る人がいない江戸時代の北方防衛の事実を、くっきりと浮かび上がらせようとしてきた。」
 江戸幕府が北方防衛をしたことは、中学歴史教科書にも記載されていることなので、そのような事実を知っている人は多いだろう。もちろん、何藩がどこを担当したとか、個人個人の苦労話の詳細物語など、詳しいことを知る人は少ないだろうが。
 著者の経歴を見ると、チャンネル桜のキャスターをしていたとのことだ。チャンネル桜とは、右翼系の番組制作会社なので、チャンネル桜の視聴者は、著しく頭が悪く、まともに中学校もいけなかったために、落ちこぼれて、社会の落後者になってしまった、ネット右翼なのかもしれない。
 
 現在、日本史の常識として、江戸時代の蝦夷地は「アイヌ文化」であるとされている。本書執筆の目的の一つに、これを否定することがあげられている。第五章第一節は「江戸時代の蝦夷地をアイヌ文化とするのはおかしい」の表題で、各地の展示館では、江戸時代の蝦夷地をアイヌ文化となっていることを批判している。
 どうしてこのような牽強付会解釈をするのか、理解できない。蝦夷地に松前藩などの権力が及んでいたこと、また、幕末には各藩士が警備兵として送られていたことは事実だ。しかし、警備兵は単身赴任して、駐屯していたにすぎず、家族は国元に残していたのであって、蝦夷地を生活拠点としていたわけではない。蝦夷地の生活者はアイヌであって、和人とは異なる文化・言語の担い手だった。また、渡島半島南部の狭い範囲である松前地はアイヌの地ではなかったが、それ以外の北海道の大部分はアイヌの居住地だった。このような蝦夷地の実態を理解するならば、当時の蝦夷地がアイヌ文化であったことは容易に理解できると思うのだが、著者は実態を考えて判断することができない人なのだろうか。
  
 著者が本書を執筆した目的の一つに、「日本はアイヌを弾圧などしていない」と主張したいように見受けられる。これも不思議な主張だ。豊臣秀吉の蠣崎氏あて朱印状や、徳川家康の黒印状で、アイヌに対する非道を禁じる命令があることを以て、著者は以下の主張をしている。 
 戦後の歴史学者が、階級史観、自虐史観で、「和人がアイヌを虐げた」という前提のもとに論を展開している文章に出合うが、日本の統治者2人には決して、差別、虐殺、民族浄化等の考えはなかったのである。(P65) 
 朱印状・黒印状から、秀吉や家康にアイヌ弾圧の意図がなかったことは明らかだが、そんなことを持ち出すまでもなく、秀吉や家康が直接アイヌ弾圧をしなかったことなど、誰でも知っていることだろう。アイヌの弾圧は、松前藩や、松前藩にやとわれた場所支配人によって実施されており、秀吉や家康は関係なかった。江戸時代の日本は幕藩政治だったので、住民支配は藩が実施しており、直接幕府が手を出していたわけではないことなど、小学校の社会で習ったことだろうに。
 日本人の中に、アイヌ弾圧に反対した人がいたことを実証しても、「日本はアイヌを弾圧などしていない」との主張の根拠にならないことは明らかだ。なお、幕吏の松田伝十郎は宗谷アイヌの救済に尽力したし、民間人の松浦武四郎は、日本人に虐げられていた、アイヌの現状を告発しているので、アイヌのために働いた日本人がいたことは事実だ。
 
 著者が本書を執筆した目的の一つに、「江戸時代の北海道・樺太・千島は日本の領土だった」と主張したいように見受けられる。P67で、社会科教科書に江戸時代の蝦夷地が日本領になっていないものがあることを批判している。
 1644(正保元)年の時点で松前藩が統治している自国領は、蝦夷地、樺太、千島列島であり、これらの地域が日本国のものであることを示している。つまり、小学校の社会科教科書にある江戸時代の日本地図を「江戸時代の蝦夷地は日本かどうか判らないので白にする」という内容を文部省検定で通した者は、この事実を知らない無知な者ということになる。また、それに対して意見をいえない歴史学者、文部大臣、総理大臣も、自国の領土保全意識に欠け、国民のために仕事をしていないということになるだろう。(P67) 
 現代は国際法によって、原則として領土の範囲が定まっているが、中世においては領土の定義はあいまいだった。このため、蝦夷地が日本の領土であったか、そうではないのかという問題は、実態に即して総合的に判断する必要がある。このため、研究者によって、判断が分かれるところである。しかるに、著しく頭が悪いネット右翼は、総合的に物事を判断する能力が欠如しているため、自分に都合の良い、一つのことを見つけると、自説を声高に主張する。
 著者が主張するように、正保御国絵図は、蝦夷地・樺太・千島が日本領であることを示す一つではあるが、領有を総合的に判断できないようでは、知恵がなさすぎだ。

 それから、細かいことだけれど、ちょっと気になる記述があった。
 世界最古の土器は、青森県大平山元1遣跡の1万6500年前の縄文土器である。(P47)
 世界の古い土器の正確な年代は確定しているとはいいがたいので、日本の土器が本当に世界最古かどうかは不確定なことだ。このため、例えば育鵬社の中学歴史教科書でも「世界最古の土器の一つ」と記載されている。他の教科書、歴史書もほぼ同等な記述となっている。
 著者が「世界最古の土器」と原稿に書いたとしても、校正の段階で「世界最古の土器の一つ」と訂正すればよかったのにと感じる。出版社が弱小のため人材不足で、そこまで手が回らないのだろう。

マメヅタカズラ2022年06月05日

筑波実験温室に行ったらマメヅタカズラがありました。
以下に、写真を掲載しました。
http://nippon.nation.jp/Senkaku/Plant/index.htm
 
また、イソマツ、コウシュンウマノスズクサの写真も掲載しました。
イソマツは尖閣とは関係ないのだけれど、センカクハマサジを見たことがないので、近縁種のイソマツの写真を掲載しています。
 
尖閣問題の解説は以下をご覧ください
http://nippon.nation.jp/Senkaku/index.html
http://nippon.nation.jp/Senkaku/YasashiiSenkaku/index.htm
 
北方領土問題の解説は以下をご覧ください
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/index.htm
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/Yasashii.htm

アヤメ祭り2022年06月07日

 
先日、潮来市のアヤメ祭りを見学しました。まだまだ感染者数は多いけれど、コロナ騒ぎも徐々に収まって来ている。
写真はアヤメ。単子葉類なので3が基本。

甘茶の花2022年06月08日


小石川植物園ではアマチャの花が咲いています。紫陽花そっくり。

ミョウギカラマツ2022年06月09日

 小石川植物園ではミョウギカラマツが咲いていました。
 ミョウギカラマツはキンポウゲ科カラマツソウ属アキカラマツの変種。
 名前の通り、群馬県妙義山に自生する。周辺地域にも自生するので、妙義山の固有種と言うわけではない。妙義山は断崖絶壁の山なので、一部の登山道以外入域困難なため、ミョウギカラマツに出会う機会は少ない。

本-パール判決を問い直す2022年06月09日

 
中島岳志,西部邁/著『パール判決を問い直す 「日本無罪論」の真相』講談社新書(2008/7)
 
 読むことをすすめない。
 
 対談集はあまり好きでない。学者や評論家などは、論文を読んだり書いたりするのは専門だろうが、人の話を聞いたり話したりするのは、 どうも得意でない人が多いようだ。このため、学者や評論家の対談集は、読みにくいものが多いように感じる。もっとも、池上彰のように、話すことが専門の人の対談集は読みやすくて良い。
 
 本書は、右翼系学者と右翼系評論家の対談集。著者の一人、評論家の西部は以下の説明をしている。
 この本(中島岳志/著「パール判事東京裁判批判と絶対平和主義 白水社」)は、パール判事のA級戦犯無罪論を肯定的な文脈で紹介していますが、 これはおそらく日本の広い意味での、左翼勢力への十分な批判になり得ています。
 一例を挙げれば、靖国神社参拝反対、と言うときの左翼勢力の最大の根拠は、東條英機以下A級戦犯が祀られているから、という理屈です。 このA級戦犯という判断は、まさしく東京裁判を肯定するという立場からしか出てこないわけです。
 中島君は、東京裁判の判決が法律論として問題がある、それどころか棄却さるべきだ、とすら認めています。 だから、左翼は、中島はA級戦犯という存在を否定している、これは許せない、マスコミから抹殺すべきだ、となるはずであるのに、正反対の反応をしている。(P15)
 靖国神社問題が一番話題になったのは1960年代後半から1970年代前半のことで、この時は、左翼のみならず、キリスト教界・仏教界もこぞって、靖国国家護持に反対した。 このときは、まだA級戦犯は合祀されていなかった。西部は年配者なので、この時のことは知っているはずで、左翼による靖国反対の最大の論拠がA級戦犯合祀問題でないことぐらいわかってるはずだ。 それなのに、「靖国神社参拝反対、と言うときの左翼勢力の最大の根拠は、東條英機以下A級戦犯が祀られているから」などと、いい加減なことをいう。 もし、これが対談でなくて、論文なり解説書なりだったら、もう少しまともな推敲がなされていたと思われ、残念な本だ。

ヒスイカズラ2022年06月10日

  
 小石川植物園ではヒスイカズラが咲いていました。見栄えがする花なので、植物園などでよく見る花です。

ノボタン2022年06月11日

 
 小石川植物園ではノボタンが咲いていました。
 ノボタン科の植物は、中南米原産でシコンノボタン属(Tibouchina)のシコンノボタンが花屋で良く売られている。ノボタンはこれとは違って、琉球以南に自生するノボタン属(Melastoma)。

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