歩く・知る・対話する琉球歩く・知る・対話する琉球学学 ― 2022年06月12日

松島泰勝/編,著『歩く・知る・対話する琉球学 歴史・社会・文化を体験しよう』明石書店 (2021/11)
高校生が修学旅行等で、沖縄を訪れるときの事前学習に適した内容。50ほどの項目を解説する形で、沖縄の歴史・社会・文化など幅広く沖縄の全体像を説明している。特に沖縄に対する事前知識がなくても、読みやすいように感じる。
本書の編集者は琉球独立を主張している人なので、日本の支配に反対するような記述があるが、内容はしっかりしており、史実・事実が冷静に記述されている。
本書は4部構成。
第一部は沖縄の歴史。15項目のトピックスを解説する形で、先史時代から、グスク時代、琉球王国時代、薩摩の侵攻と日中両属、明治初年の内国化、沖縄戦、占領統治、本土復帰と、一通り、沖縄の歴史すべてにわたって、ほぼ時代順に、説明している。
第二部は沖縄の社会と社会問題。13項目のトピックスを解説する。米軍基地問題が多い。
第三部は沖縄文化。15項目のトピックスを解説する形で、沖縄の文化、伝統工芸、芸能、文学など多義にわたっているが、何となくまとまりを欠く。
第四部はフィールドワークの案内。グスク、戦跡、自然などが紹介されている。