日本が国際法を無視して一方的に設定したEEZ2022年08月07日

 中国が台湾周辺海域で行った軍事演習で、日本のEEZ(排他的経済水域)内に弾道ミサイルが落下したと日本政府は抗議している。これに対して、中国外務省は「日中両国は関連の海域で境界をまだ確定しておらず、日本のEEZという言い分は存在しない」と説明した。
 さらに、これに対して、松野官房長官は「国連海洋法条約の関連規約に基づき、領海基線から200カイリまでのEEZの権限を有している。向かい合う国とEEZの権限が重複する水域では中間線を基に境界を画定するとされている」と説明した。(産経新聞2022/8/5)
 
 日本と中国のどちらの説明が正しいのか。国連海洋法条約を見れば明らかだ。
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海洋法に関する国際連合条約
第五十七条 排他的経済水域の幅
 排他的経済水域は、領海の幅を測定するための基線から二百海里を超えて拡張してはならない。
第七十四条1
 向かい合っているか又は隣接している海岸を有する国の間における排他的経済水域の境界画定は、衡平な解決を達成するために、国際司法裁判所規程第三十八条に規定する国際法に基づいて合意により行う。
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 日本は「領海基線から200カイリまでのEEZの権限を有して」と言っているが、実際は「二百海里を超えて拡張してはならない」のだから、200海里を超えて権利を有していないのであって、200海里まで権利を有しているわけではない。日本は、「EEZの権限が重複する水域では中間線を基に境界を画定するとされている」と主張したが、国際法の説明としては、完全な虚偽で、海洋法条約では「国際法に基づいて合意により行う」と定められている。
 日本の説明は、国際法の説明としては、ほぼ完全に嘘で、中国の説明は国連海洋法条約に従った正しい説明であることが明白だ。
 
 中国の軍事演習のため、漁民が出漁できないなど、日本としては迷惑をこうむっている。だからと言って、日本政府が、嘘をついて、日本国民をだますことが正当化されることにはならない。普通に、説明すればよいのに。

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