本の紹介-バウッダ2022年09月08日

 
中村元、三枝充悳/著『バウッダ』小学館(1987/2)
 
本書は、2009/12に講談社学術文庫から再版された。
第1部「三宝」、第4部「宗教と哲学の意義」は中村元の執筆で、どちらも小章。
第2部「阿含経典」、第3部「大乗仏典」は三枝充悳の執筆で、どちらも量が多い。
 
 第2部第1章は初期仏教から大乗仏教までの仏教史を概括し、阿含経の位置を示す。この中で、富永仲基による「加上説」を紹介し、江戸時代の日本でも、大乗仏教が仏説ではないことを示した研究があった事実を明らかにしている。
 第2部第2章は阿含経のテキストの説明。学術的には重要な内容だが、一般の読者にどれだけ必要なのか、若干疑問。
 第2部第3章は阿含経を基に、釈迦の教えがどのようなものだったのか、初期仏教の姿を明らかにする。
 第3部は大乗仏教の説明。第1章で部派仏教以降どのような状況で大乗仏教が起こったのか、歴史的経緯を説明する。第2章では、大乗仏教の特徴である、多様な菩薩の説明。第3章は般若経典、浄土経典、華厳経、法華経、密教経典等の主要大乗経典の概説。2章、3章と盛りだくさんの内容を詰め込みすぎの感がして、事前の知識がないとかなり読みにくいと思う。
 
 本書一冊で、仏教の全体像が理解できる本であると評価することはできるが、多くの内容を詰め込んだため、基礎知識がない人には、理解が大変で、ある程度、仏教に対する知識がある人には、各記述が物足りない感じがするだろう。

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