ヒゼンマユミ ― 2022年12月01日
最悪な宗教家か-ローマ教皇 ― 2022年12月02日

ロシア・ウクライナ戦争に関連して、フランシスコ教皇が『一般的に最も残忍なのは、恐らくロシアの伝統に属さないロシア人、例えばチェチェン民族やブリヤート民族などだろう』と発言したそうだ。
https://www.asahi.com/articles/ASQCZ1C96QCYUHBI04B.html
イタリア人・ロシア人・チェチェン人・ブリヤート人・日本人の中には、悪い人・残虐な人だっているし、中にはサイコパスもいるだろう。でも、これらの民族の多くの人は愛すべき善良な人たちだ。
報道が事実ならば、フランシスコ教皇は自分と異なった宗教の人に、悪人がいることを以て、彼らの多くが悪人であるかのように主張しているようだ。このような考えこそ、唾棄すべきネオナチそのままである。
ソナレムグラの実 ― 2022年12月03日
ユズリハワダン ― 2022年12月04日
12月になると、咲いている花はほとんどなくなる。
小石川植物園の公開温室に小笠原固有種のユズリハワダンが咲いていた。冬に咲く。
キク科で、常緑の小低木。
本の紹介-平頂山事件を考える ― 2022年12月05日

井上久士/著『平頂山事件を考える』新日本出版社(2022.8)
平頂山とは、中国東北部撫順市近郊の村の名称。
1932年9月、中国東北部の撫順で、日本の支配に反対する人たちが、蜂起した。彼らの攻撃用の武器は棍棒で、このほか、防衛用に「お札」を持っていた。お札は、弾丸が当たらないとの迷信によるもの。この武装蜂起は、すぐに鎮圧されたが、日本軍は、蜂起の報復として、蜂起部隊が通過した、途中の部落である平頂山住民の皆殺しを図った。蜂起の翌日、平頂山の住民を、姦計により一か所に集め、一斉射撃し、虐殺した。この時殺された老若男女は2000~3000人。これは、全住民の殺戮を目論んだもので、一斉銃撃の後、死んでいない人を一人一人銃剣で刺殺した。しかし、殺し忘れた人も若干残ったので、事件は瞬く間に中国や世界に知られることとなった。
本書は、歴史学者で平頂山虐殺事件研究の第一人者による執筆で、事件の詳細と日本軍のかかわりを明らかにする。また、日本軍独立守備隊第中隊長川上精一大尉が虐殺の首謀者であることを明らかにしている。かつて、東京理科大学中退の田辺敏雄なる人物は、川上大尉は虐殺に無関係であると主張した。田辺は川上大尉の親族であり、また歴史学者ではないので、川上の言い訳を集めて、自己の主張を組み立てたのかもしれないが、このような主張が日本の右翼勢力の中で賞賛されたことがある。本書では、田辺説を完全に否定している。
本書は、平頂山事件の経緯と戦前の日本による隠蔽を明らかにすることを目的としているが、10ページほど、歴史修正主義者たちによる事件の矮小化を批判している。
本-新宗教と巨大建築 ― 2022年12月06日

五十嵐太郎/著『新宗教と巨大建築』講談社現代新書(2001.12)
新宗教と巨大建築の解説。モノクロの写真はあるが少ない。あまり、興味の持てる内容ではなかった。
取り上げている新宗教は、天理教・金光教・大本教/他。
2007年に新編がちくま学芸文庫から、また、2022年11月に増補版が青土社から出版された。
本の紹介-日朝交渉30年史 ― 2022年12月08日

和田春樹/著『日朝交渉30年史』ちくま新書(2022.9)
著者で歴史学者の和田春樹氏は日ソ、日ロ関係の泰斗。北朝鮮問題も詳しく、日朝関係に関する著書も多い。
本書は、1990年以降、最近までの日朝関係の解説。年代を1~6年ごとに、9つに区切って、各年代の日朝関係を記す。学者の執筆なので、内容は、客観的。
小泉内閣の時に、拉致問題が大きく進展し、国民の支持を得、その結果、日朝関係が進展するかと思われたことがあった。しかし、救う会を中心とした一部勢力の巻き返しにより、日朝関係は頓挫した。本書は、この時の経緯についても詳しい。
救う会は右翼・暴力団・統一教会などが活動に参加ないし関係が深いと指摘されることがあるが、本書にはその点の記述はない。
ところで、本書著者の和田春樹は、東大名誉教授で、救う会の西岡力はFラン大学の東京基督大の教授を務めていた。教授の思想傾向と、学生の能力に関係はないはずだが、左翼系は一流大教授が多く、右翼系はFラン大教授が多いのはどうしたことだろう。もっとも、和田春樹は東大卒で、西岡力はICU卒なので、本人同士の能力にも違いがあるのかもしれない。
著者で歴史学者の和田春樹氏は日ソ、日ロ関係の泰斗。北朝鮮問題も詳しく、日朝関係に関する著書も多い。
本書は、1990年以降、最近までの日朝関係の解説。年代を1~6年ごとに、9つに区切って、各年代の日朝関係を記す。学者の執筆なので、内容は、客観的。
小泉内閣の時に、拉致問題が大きく進展し、国民の支持を得、その結果、日朝関係が進展するかと思われたことがあった。しかし、救う会を中心とした一部勢力の巻き返しにより、日朝関係は頓挫した。本書は、この時の経緯についても詳しい。
救う会は右翼・暴力団・統一教会などが活動に参加ないし関係が深いと指摘されることがあるが、本書にはその点の記述はない。
ところで、本書著者の和田春樹は、東大名誉教授で、救う会の西岡力はFラン大学の東京基督大の教授を務めていた。教授の思想傾向と、学生の能力に関係はないはずだが、左翼系は一流大教授が多く、右翼系はFラン大教授が多いのはどうしたことだろう。もっとも、和田春樹は東大卒で、西岡力はICU卒なので、本人同士の能力にも違いがあるのかもしれない。
本の紹介-731部隊と100部隊 ― 2022年12月09日

加藤哲郎、小河孝/著『731部隊と100部隊』花伝社 (2022/8)
旧満州を占領した日本軍731部隊は、細菌戦のために、中国人などを使って人体実験(殺人実験)を実施した。このことは、1980年代、森村誠一/著『悪魔の飽食』により、広く知られることとなった。731部隊は、主に、人間の感染症を研究対象としたが、100部隊は主に家畜感染症を研究対象とした。
本書は、政治学者と獣医学者の共同研究で、100部隊を中心とした細菌戦研究や科学者の戦争動員を明らかにしている。また、細菌戦研究に従事した科学者が、戦後、ワクチン開発や大学研究などで、現代医療体制につながっている状況に対する記述もある。
731部隊が人体実験をしていたのは、よく知られたことであるが、100部隊でも人体実験が行われていたとの伝聞がある。この点について、本書では、関係者の証言が記載されている。