本の紹介-731部隊と100部隊2022年12月09日

 
加藤哲郎、小河孝/著『731部隊と100部隊』花伝社 (2022/8)

 旧満州を占領した日本軍731部隊は、細菌戦のために、中国人などを使って人体実験(殺人実験)を実施した。このことは、1980年代、森村誠一/著『悪魔の飽食』により、広く知られることとなった。731部隊は、主に、人間の感染症を研究対象としたが、100部隊は主に家畜感染症を研究対象とした。
 本書は、政治学者と獣医学者の共同研究で、100部隊を中心とした細菌戦研究や科学者の戦争動員を明らかにしている。また、細菌戦研究に従事した科学者が、戦後、ワクチン開発や大学研究などで、現代医療体制につながっている状況に対する記述もある。
 731部隊が人体実験をしていたのは、よく知られたことであるが、100部隊でも人体実験が行われていたとの伝聞がある。この点について、本書では、関係者の証言が記載されている。

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