本の紹介-マインド・コントロールの恐怖2023年01月05日


スティーヴン ハッサン著、浅見定男/訳『マインド・コントロールの恐怖』恒友出版 (1993/4)

 著者はアメリカ統一協会元幹部。ユダヤ教の家庭に生まれたが、失恋で失意の中、統一協会に誘われ、マインドコントロールを受けて、統一協会活動家となると、マインドコントロールをする側になった。脱退後、統一協会の悪質手口を明らかにして、マインドコントロールを受けた人の救済活動に当たる。
 統一協会のマインドコントロールの手口が詳しい。人は誰でも、失恋などショックのことがあるだろう。あるいは、人生うまく行かず腐っていることがあるだろう。こういう時、近くに相談相手がいない場合、そこに付け入り、心理学の手法でマインドコントロールを行う。これが、統一協会の手口のようだ。

 本書は、統一協会のこのようなマインドコントオールの手口と、マインドコントロールを受ける人の心理が詳しい。本書の前半では、著者がマインドコントロールを受けた経緯、脱会した経緯、統一協会のマインドコントロールの手口が示される。
 本書後半では、マインドコントロールから回復するための救済方法。具体例を挙げて詳しく説明されているが、私の場合は、知人にマインドコントロールを受けている人がいないので、自分にはあまり役に立たない。マインドコントロール状態から救済したい人がいる場合は、本書の記述は必読だ。

 ある教団が破壊的カルトかどうかを判定する方法として、以下の記述がある。この手法は、日本の新興宗教を評価する上で参考になる。
 ・教義ではなくて行動を見ること
 ・教団内のコミュニケーションは、教団の信仰体系に回心させるものか、それとも、多様な視点で物事を自分自身で処理するように励ますのか

 破壊的カルトの疑いがあるグループを調べ鑑定するとき、私はまず、神学やイデオロギーの分野ではなく、心理学の分野で作業をする。破壊的カルトについて考える私の基準は、マインド・コソトロールと暗示と集団心理、この三つの影響作用ということである。私はそのグループが何を信じるかではなく、何をするかを見る。ほかの分析家や批評家が、自分の聖書解釈や政治的見解こそが正しいものだという信念でカルトのメンバーに対処していくのに対して、私は、破壊的カルトがそのメンバーとどんなコミュニケーショソをするか(あるいはしないか)を分析する。私の見るところでは、破壊的カルトはメンパーを彼ら自身の信念体系へと回心させようとする。だが私のやりかたは、その人が多様な視点を調べ、物事を自分自身で処理するように励ますものである。
 しかしある人が何かを信じる自由は、その信念にもとついて見境なく行動する免許を自動的に与えるものではない。もしそんなことをしたら、白人優越主義のグループはこの国の非白人をみな追放したり殺したりするだろうし、悪魔カルトは、自分たちの儀式のいけにえに、公然と人々を殺すだろう。
 あるグループが、その目的を推進するために嘘をつくのはよいことだと信じているとしよう。しかしもしその嘘が、人々の憲法で保障された諸権利を侵害するなら、それは人々の自由を侵していることになる。(P174)



 


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