本の紹介-統一教会 何が問題なのか2023年03月01日

 
文芸春秋/編『統一教会 何が問題なのか』(2022/11)文春新書
 
 週刊文春、文芸春秋の統一協会関連記事をまとめたもので、多くは、安倍殺害以降に書かれたもの。
 安倍殺害以降、テレビではミヤネ屋、雑誌では週刊文春・文芸春秋・フライデーなどが中心となって、統一協会問題を取り上げた。このため、統一協会の問題が広く知られることとなった。
 本書は、週刊文春、文芸春秋の統一協会問題の記事なので、今読むと「確かにそうだよね、でも、何度か聞いたことがあるよ」との内容で、どうも新鮮な感じがしない。
 
 著者は石井謙一郎、森健、鈴木エイト、甚野博則、伊藤達夫、宮崎哲弥、島田裕巳、仲正昌樹、小川寛大。

センカクツツジ2023年03月02日

 
小石川植物園・公開温室のセンカクツツジ(鉢植え)が咲いています。ちょうど見頃。小石川植物園の屋外には大きなセンカクツツジがあるけれど、こちらは開花していない。センカクツツジは尖閣諸島の固有変種。
 
現在、センカクツツジはマルバサツキの変種とされている。マルバサツキの開花時期は地域によって違うだろうが、関東では5、6月。これに対して、センカクツツジの開花はずいぶん早い。

本の紹介-政治と宗教 この国を動かしているものは何か2023年03月03日

 
島田裕巳、前川喜平/著『政治と宗教 この国を動かしているものは何か』 徳間書店 (2023/1)

 著者の島田は元東京女子大教授。教授時代に、オウム真理教擁護発言が批判を浴びて、教授職を失った。前川は元文科省事務次官。本書は、このような経歴の二人の対談なので、一般社会常識に比べると、新興宗教にやや好意的なような感じがする。ただし、本書の内容は、まともで、宗教と政府自民党との関係を考えるうえで参考になる。もっとも、論文ではなくて、対談なので、論の構成が趣旨一貫していないようで、好きではない。
 
以下、章ごとの目次を記す。 
 第1章 国は宗教団体をどのように扱ってきたか
 第2章 自民党と創価学会・公明党との関係性は
 第3章 旧統一教会をめぐる諸問題の現状
 第4章 戦前回帰志向の流れと日本会議・神社本庁
 第5章 日本人は宗教への関心、理解を深める必要がある
 第6章 安倍元首相国葬と旧統一教会に対する解散命令請求

ハゼロウソク2023年03月05日

 
「近江和ろうそく大與」の櫨蝋燭(ハゼロウソク)を買った。
ハゼノキの実から作ったもの。臭いもススもほとんどない。

東大の数学入試問題2023年03月06日

例年、主要大学の数学入試問題を見ているのだけれど、今年はやる気がしない。そうは言っても、頭の体操に、東大理系の数学入試問題を一部解いてみた。

問1は積分の問題。東大の積分問題は難しいことが多いのだけれど、この問題は易しい。1/√を積分から出すところに気が付かないとこの問題はできないけれど、東大受験生ならば、ほとんどの人ができたのではないかと思う。

東大の数学入試問題2023年03月07日

例年、主要大学の数学入試問題を見ているのだけれど、今年はやる気がしない。そうは言っても、頭の体操に、東大理系の数学入試問題を一部解いてみた。

問題5
  整式 f(x)=(x-1)2(x-2) を考える。
  (1)  g(x)を実数係数とする整式とし、g(x)f(x)で割った余りをr(x)とおく。{g(x)}7f(x)で割った余りと、{r(x)}7 f(x)で割った余りが等しいことを示せ。
  (2)  abを実数とし、h(x)=x2+ax+bとおく。{h(x)}7f(x)で割った余りをh1(x)とおき、{h1(x)}7f(x)で割った余りをh2(x)とおく。h2(x)h(x)と等しくなるようなa,bの組を全て求めよ。


解答と解説
 東大らしい問題だ。それほど難しくはないけれど、かといって易しくもない。手際よく進めないと時間内には正解にたどり着けないだろう。日頃の受験勉強がものをいう、そんな問題だ。
(1)  は自明なので割愛。
(2)  の解答
 この問題はh1を評価して、次にh2を評価してもよいが、(1)がヒントになっているのだと思えば、{h(y)}49を評価した方が楽になるような気がするだろう。また、y=x-1と置き換えると、若干答案を書く量が減るが、本質的ではない。


<(2)の解答>
(1)  より、h49を多項式fで割った余りがh2である。

y=x-1とする。すなわち、f(y)=y2(y-1)
ここで、h(y)=y(y-1)+By+Cとする
{h(y)}49=P(y)y2(y-1)+49C48y(y-1)+(By+C)49と書ける。ただしP(y)yの多項式。
(By+C)49=y2(y-1)Q(y)+μy(y-1)+βy+γ とおく。ただしQ(y)yの多項式。
y=0を代入して、γ=C49
y=1を代入して、β+γ=(B+C)49
(By+C)49-γ=y2(y-1)Q(y)+μy(y-1)+βyの両辺をyで割って、y=0を代入すると次式を得る。
49BC48=-μ+β
以上より、
h2(y)=αy(y-1)+βy+γ
ただし、α=(B+C)49-C49-48BC48+48C48
β=(By+C)49-C49γ=C49
α=1, β=B, γ=C となる条件を求める。 
γ=C49 であるから、C=-1,0,1のいずれかである。

C=1で、q=Bとすると、
 (B+1)49-1=Bが成り立つので、B=-2,-1,0のいずれかである。

C=0で、q=Bとすると、
 B49=Bが成り立つので、B=1,-1,0のいずれかである。

C=-1で、q=Bとすると、
 (B-1)49+1=Bが成り立つので、B=2,1,0のいずれかである。

以上、解の候補として、B,Cの組が9通り見つかった。この中で、α=1となるものが解である。
このとき、(B+C)49=B+C  C49=C に注意して、9通り試すと、

B=1,C=0およびB=1,C=-1  が解であることがわかる。

すなわち、h(x)=x2-2x+1  h(x)=x2-2x

京都大学 理系 数学入試問題2023年03月08日

京都大学の数学入試問題は一癖あるものが多い。受験勉強に取り組み、かつセンスがないとできないような問題が出題される。今年の、理系問6もそんな感じがする問題。

問6

(1)  cos3θ、cos4θをcosθの式で表せ。

(2)  p3以上の素数とする。cosθ=1/pのとき、θ/πは無理数か。

 

方針:(1)(2)のヒントになっていることは容易にわかるだろうけれど、私には、どうヒントなのかわからなかった。そこで、cos5θとsin3θ~ sin5θまで書いてみたら、ようやく解答方針がわかってきた。 (1)のヒントだけで方針を立てろと言われたらつらい。

 

 cos2θ=2cos2θ-1

 cos3θ=4cos3θ-3cosθ

 cos4θ=8cos4θ-8cos2θ+1

 cos5θ=16cos5θ-20cos3θ+5cosθ

sin2θ=2cosθsinθ

sin3θ(4cos2θ-1) sinθ

sin4θ=(8cos3θ―4cosθ) sinθ

sin5θ(16cos4θ-12cos2θ+1) sinθ

 

(2)の解答

最初に、n2のとき、cos(nθ)sin(nθ)は以下のように書き表せることを数学的帰納法によって示す。

 cos(nθ)2n-1cosnθ+fn-2(cosθ)

 sin(nθ){2n-1cosn-1θ+gn-2(cosθ)} sinθ

    ただし、fn-2(x)gn-2(x) n-2次以下の整式

(示し方は簡単なので割愛)

cosθ=1/p  θ=(m/n)π  (p3以上の素数、mnは整数)とする。

このとき、cos(nθ)は明らかに整数であり、cos(nθ)2n-1cosnθ+fn-2(cosθ)であるから、

両辺にpn-1を掛けると、fn-2(cosθ)×pn-1は整数であるから、2n-1/p は整数となる。

これは、p3以上の素数であることに矛盾する。

すなわち、cosθ=1/pのときθ/πは無理数です。

サクラツツジ2023年03月09日

 
 東京文京区の小石川植物園公開温室ではセンカクツツジが見ごろです。でも、屋外のセンカクツツジには、つぼみもない。
 写真はサクラツツジ。屋外のツツジ園で見頃です。まだ3月初旬なので、咲いているツツジは少ない。
 サクラツツジは四国から九州・奄美・沖縄に分布するけれど、サキシマや尖閣には分布しない。

本の紹介-信仰から解放されない子どもたち2023年03月10日


横道誠/編著、菊池真理子・末冨芳・安井飛鳥・藤倉善郎・塚田穂高・他/著『信仰から解放されない子どもたち』明石書店 (2023/2)
 
宗教2世問題の本。
前半は、統一教会・オウム・天理教・エホバ・創価学会の信者2世の話。
後半は、編著者と有識者との会談。
 
本書の編著者は「宗教2世」の用語を使うが「カルト2世」「新宗教2世」ではないかとの意見もある。カルト2世と言ってしまうと、創価学会はカルトか否か、との問題が入ってしまって、議論がややこしくなる。本書前半で取り上げた5名は、通常、新宗教といわれるところなので、「新宗教2世」問題ということもできるだろう。もっとも、普通のお寺で、息子に住職を継承させる問題を含めて議論するならば、「宗教2世」問題になるが、これは、会社の経営権の継承と同じく、事業の継承の話であって、いわゆる宗教2世問題とは異なる。
 新宗教でない宗教であっても、一部の原理主義的キリスト教などでは、宗教2世問題が起こるのかもしれない。新宗教や原理主義的キリスト教は、日本社会から遊離している事が多いので、親子問題、特に母娘問題が、社会から遊離して深刻化するのではないかと感じる。
 
 本書前半の宗教2世の話は天理教以外の4件と、編著者自身のエホバの件が深刻で気の毒だ。
 天理教の話は良く分からなかった。ただし、インタビューを整理する段階で削除された内容があったことが、p184に記されているので、天理教に都合の悪いことを書かなかったのだろう。
 天理教以外の、ここに取り上げられた宗教2世問題のすべてに、新興宗教を信じる親の精神的な問題(毒親問題)があるように感じる。精神と生活に問題を抱えているために、新興宗教にハマってしまって、それが子供に悪影響を及ぼしているように感じられる。
 
 本書後半は教育学者・末冨芳、弁護士兼社会福祉士・安井飛鳥、カルト問題ジャーナリスト・藤倉善郎、宗教社会学者・塚田穂高の4氏と編著者との対談。
 末冨芳、安井飛鳥、両氏の話を読むと、教育行政、法規制、司法で宗教2世問題を解決することは、かなり絶望的なような感じがする。創価学会が政権党とくっついているのだから、創価学会の儲けに支障が出るような政策を行えないのは当然だ。
  
 本書の最後に、編著者は以下の記述をしている。
 『「被害者救済法案」と呼ばれてきたものが成立した。しかし、…統一教会2世はもちろん、別の教団出身の宗教2世問題を解決するものではない。献金の取り消し要件も限定的で、創価学会を母体とする与党の公明党によって骨抜きにされたことが、さまざまな識者から指摘された。幅広く手厚い宗教2世支援は今後の課題にとどまっている。』
  
 編著者は「幅広く手厚い宗教2世支援は今後の課題」と書いているが、創価学会が政権党に食い込んでいる以上、不可能ではないだろうか。



北方領土問題  やさしい北方領土問題の話   竹島(独島)問題    尖閣(釣魚)問題 

シコタンハコベ2023年03月11日

 
小石川植物園・冷温室のシコタンハコベが芽を出していた。多肉植物の雰囲気。
シコタンハコベの名前は色丹島にちなんでいるけれど、千島列島固有ということではない。

* * * * * *

<< 2023/03 >>
01 02 03 04
05 06 07 08 09 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

RSS