本-誰も国境を知らない 令和版2023年10月25日

  
西牟田靖/著『誰も国境を知らない 令和版 揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅』清談社 (2023/7)
 
 同名の本が、情報センター出版局から2008年に出版されている。本書は旧版の増補版。
 341ページまでが旧版と同じ内容。342ページ~431ページが、本書で追加された部分。
 追加部分の最初は、吉田夏彦・東海大教授の日本の領土問題の簡単な解説。吉田氏は著書も多く、テレビなどの出演機会も多いので、氏の領土問題の説明を聞いたことのある人は多だろう。本書の説明は、ページ数も少なく、内容的にもいつもの吉田氏の主張なので、特に参考になることも少ない。
 著者の追加部分は、尖閣問題が二章、与那国が一章、それから最終章に領土問題のまとめとして北方領土・沖ノ鳥島・竹島・対馬・小笠原。硫黄島について、少し書かれている。
 旧版は著者が取材した内容を、淡々と事実を書いていて共感が持てた。
 しかし、今回追加された部分は、一面的領土主張が先行していて、客観的な取材記録とは程遠い。ただし、尖閣問題の最初の追加部分は、著者らが尖閣を取材したレポートなので、それなりの読みごたえはあると感じる人もいるだろう。ただし、私は、同じレポートをどこかで読んだような記憶がある。
 今回、増補された、それ以外の章は、一方的な領土主張に基づく、一面的記述のようで、興味が持てない。
 と、言うことで、今回増補された部分には、魅力を感じなかった。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

* * * * * *

<< 2023/10 >>
01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

RSS