本の紹介ー弥生人はどこから来たのか 最新科学が解明する先史日本 ― 2024年07月22日

藤尾慎一郎/著『弥生人はどこから来たのか 最新科学が解明する先史日本』吉川弘文館 (2024/2)
日本の水田稲作の始まり、弥生時代に変容する過程を、炭素14、酸素16,18比、DNA分析などの物理・化学的手法などを使って、明らかにした最新の研究。
従来の説明では、水田稲作は、紀元前4世紀ごろ、朝鮮半島や中国南部から、九州北西部にもたらされ、そこから弥生時代が始まったとされていた。また、この時、少数の渡来人と縄文人が混血し、弥生人が作られたとされていた。水田稲作はその後200年ほどで、日本に広く伝わったと考えられていた。
本書によると、このような従来の弥生時代観は完全に覆される。水田稲作は朝鮮半島から紀元前10世紀に九州北西部に伝わったこと、弥生人の祖先は、縄文人との混血よりも、むしろ渡来人の人口増加によることが大きいこと、水田稲作は数百年かけてゆっくり日本への伝搬したことが解明されている。
佐倉にある歴史民俗博物館の展示では、弥生時代の説明が本書のようになっていて、かつての歴史教科書とは異なっていた。近年の研究成果に基づいているのだろう。
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