クピャンスク戦線 ― 2024年10月10日
2023年5月、ロシア軍がウクライナ東部の要衝バフムトを解放すると、ハリコフ州東部でも進軍が活発になった。これに対し、ウクライナ軍はクピャンスク北東のシンキフカに防衛拠点を置いたが、ロシア軍の圧力は強まっていった。こうした中、ウクライナは6月5日夜にアンモニアパイプラインを爆破した。世界的な肥料不足が懸念されたが、その後なぜか、この話は立ち消えになり、ロシア軍のシンキフカ進軍もなくなった。
それから1年以上たった2024年8月末、シンキフカが解放された。その後、シンキフカ戦線は膠着し、代わりにクピャンスクの南20㎞のKruhlyakivkaに東方から進軍する動きが目立ってきた。この地域のオスクル川に架かる橋はすべて落とされているので、Kruhlyakivkaがロシア軍の手に落ちると、川の東部に布陣するウクライナ軍の補給が困難になる。
今後、冬に向かって、ウクライナ軍はますます厳しい状況になることは明白だろう。
このほか、ゴルロフカ北西のジェルジンスク(Toretsk)やドネツク市西部でも、ロシアは活発に進軍している。バフムート西部のチャソフヤール(Chasiv Yar)戦線は、しばらく膠着していたが、最近になって、ロシア軍がチャソフヤール西地区で数百メートル進軍したとの情報がある。