本の紹介-明解 統一教会問題 ― 2024年10月30日

櫻井義秀/著『明解 統一教会問題: 宗教に無関心の人も宗教者でも知らなかった事実』興山舎 (2024/2)
宗教社会学者・櫻井義秀の統一協会解説本。出版社が、雑誌『月刊住職』の興山舎なので、本書は、宗教に対して関心はあるが、統一協会はあまり知らない読者を対象にしているのだろう。
本の内容は、統一協会の出自、宗教教義、霊感商法、政治との癒着、二世問題とは幅広く扱っている。ただし、宗教にあまり関心がない一般読者にとっては、統一協会の教義よりも、霊感商法や政治との癒着の方が関心が高いだろうから、そういう意味では、統一協会の出自や教義が若干厚いようにも感じる。これは、宗教関連の学者の本だから当然ではあるが。統一協会は宗教・霊感商法の面と、反共団体・まともな経済活動の面がある。本書には、後者の話はほとんどない。
また、本書は統一協会の本ではあるが、エホバの証人や摂理なども取り上げている。