チャソフ・ヤール解放2025年07月03日

 2023年5月、プリゴジン率いるワグネルはドネツク州におけるウクライナ軍の要衝バフムトを解放した。バフムトの西10㎞のチャソフ・ヤールはウクライナ軍の兵站だったが、バフムト陥落後に、ウクライナ軍はここを拠点とした。
 チャソフ・ヤールは東西2地区に分かれており、2024年7月までに、ロシア軍は東地区を解放した。その後、西地区での戦闘が激しくなり、2025年初には50%程度が解放された。
 2025年7月に入ると、チャソフ・ヤール全地域に加えて、西隣のMykolaivkaも解放されたとの情報がある。ただし、ロシア軍の正式発表はまだないので、一部地域に、ウクライナ兵若干名が立てこもっている可能性が高い。チャソフ・ヤールが解放されると、コンスタンチノフカの解放が十分に視野に入ってくる。

ロシア軍攻勢2025年07月04日

 
ロシア軍の攻勢が、加速化している。上の図は、各月ごとのロシア占領地拡大のようすで、DEEP STATE(ウクライナ人が運営する情報分析グループ)公表データをもとに作成したもの。
昨年は6月の攻勢が鈍化した。ウクライナは、6月の降水量が多いので、その影響だと思うが、今年は、逆に6月の解放面積が増えている。ウクライナ軍の兵員・弾薬不足が大きいのだろう。
  
このところ、ロシアの攻勢が最も活発なのは、コンスタンチノフカの南西方向・南方向・北東方向である。コンスタンチノフカはドネツクの北50㎞。コンスタンチノフカ北東のチャソフ・ヤールはほとんど解放された。

本の紹介-中国戦線、ある日本人兵士の日記2025年07月07日

 
小林太郎/著、 笠原十九司・吉田裕/編『中国戦線、ある日本人兵士の日記 1937年8月~1939年8月侵略と加害の日常』新日本出版社 (2021/2)
 
元日本軍兵士・小林太郎の日記に、歴史学者・笠原十九司が解説を付けたもの。
昨今、いい加減な歴史知識を振りかざし、「日本は素晴らしい」と宣伝する政治勢力が存在する。このような虚偽宣伝を真に受けるネット住民も多い。このような愚を犯さないためにも、本書は有益だ。ただし、本書は若干高度な内容なので、虚偽宣伝を真に受ける無知なネット住民が本書を読んで理解することは至難かもしれない。

本の紹介-日本軍の治安戦2025年07月08日

 
笠原十九司/著『日本軍の治安戦 日中戦争の実相』(岩波現代文庫 学術471)(2023/12)
  
 2020年5月発行の単行本を文庫化したもの。
 本の内容は盧溝橋事件に始まる日中戦争を日本軍の側から記載したもの。ただし、日本軍を美化するものでも、日本軍の残虐性のみを指摘するものもなく、史実を忠実に記述する歴史書である。
 タイトルの治安戦とは、占領地支配の安定を確保するための戦略、作戦、戦闘、などを言う。

イブキトラノオ2025年07月09日

 
日光戦場ヶ原ではイブキトラノオが咲いています

本の紹介-私とスパイの物語2025年07月10日

 
孫崎亮/著『私とスパイの物語』ワニブックス (2025/1)
 
タイトルは「物語」であるが、本の内容は小説ではなくて、著者が体験したスパイ関連の話題。著者は、元外交官なので、スパイの知り合いも多かったのだろう。

本の紹介-仏教は、いかにして多様化したか2025年07月11日


佐々木閑/著『仏教は、いかにして多様化したか 部派仏教の成立』NHK出版 (2025/2)

 本のタイトルの「部派仏教の成立」は、本書全体の1/4程度。著者は律蔵の専門家なので、この部分は現存する6本の律蔵をもとに、解明しており、学術的で高度な内容。
 それ以外、全体の3/4程度は、仏教成立の社会状況、大乗仏教の起こり、日本仏教の話、と、日本人が仏教を知る上で必要最低限の知識を提供する。しかし、この部分は、他書にも触れられていることが多く、本書を読む必要はあまり感じられなかった。

本の紹介ー法句経講義2025年07月12日

 
友松円諦/著『法句経講義』(昭和43年11月)(角川文庫)
 
 本書は、大正時代に著者がラジオ放送で行った講義を、昭和9年に書籍化して出版された本が元になっている。昭和30年6月に文庫本で出版され、昭和43年に、新字・新かな使いに改定された。現在、角川文庫の本は絶版になっているが、1981年に、講談社学術文庫から出版されている。

 法句経はダンマパダと言って、初期仏教に属する教典で、日本の各宗派では重要視されてこなかったが、南伝仏教では重要な教典。
 本書は、法句経の訳本ではなくて、教典のうちの15の句を取り上げて、それに解説する形で、釈迦の仏教はどういうものだったのかを説明し、さらに、著者の人生観・仏教観を語っている。戦前の日本人の解説のためか、若干、儒教臭を感じるところがある。日本の仏教は釈迦の教えとは異なる大乗仏教なので、ラジオ放送当時は、日本の仏教が釈迦の教えであると勘違いしていた日本人に、新たな視点を与えた点で、重要な放送だった。

本の紹介ー法句経2025年07月13日

 
友松円諦/著『法句経』(昭和60年3月)(講談社学術文庫)
 
 本書は昭和10年に出版された本の新版。著者は大正時代にラジオ放送で法句経の中から幾つかの詩偈を解説した。これに対して、法句経全体の翻訳を求める声が起こり、それにこたえて出版した本が、本書の元になっている。
 法句経はダンマパダと言って、初期仏教に属する教典で、日本の各宗派では重要視されてこなかったが、南伝仏教では重要な教典。法句経にはパーリ語、サンスクリッド語、漢語、チベット語などの、いくつかの言語の本が存在するが、本書ではパーリ語原典を訳している。
 本書の前半は、文語調に訳したもの、後半は現代語に訳したもの。文語の前半は著者の味が出ていて読むのがうれしい人もいるだろうが、そう思わない人にとっては、本書前半の意味は無い。法句経の翻訳としては、岩波文庫から中村元/著「真理のことば、感興のことば」が出版されているので、多くの人には、岩波文庫の方が良いと思う。

本の紹介-ブッダの 真理のことば 感興のことば2025年07月14日


中村元/翻訳『ブッダの 真理のことば 感興のことば』岩波文庫 (1978/1)

 パーリ語仏典ダンマパダ、ウダーナヴァルガの翻訳。訳は普通の口語訳なので読みやすい。
 ダンマパダのすべてがブッダの説教そのものというわけではないが、ダンマパダはスッタニパータと並んで、仏教の初期に作られた教典であり、ブッダの教えを色濃く反映していると考えられている。
 現在、ダンマパダの解説本や訳本はいくつもある。本書は、今となっては、もう50年近く前の出版であるが、今なお、ダンマパダの訳本として、一番お薦めしたい。

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