国士舘大学の数学入試問題2017年06月28日

 国士舘大学は右翼系の大学として有名。Fラン大というほどではないが、かなり偏差値が低い大学。
 左翼的主張をする学者には一橋大など偏差値が高い大学教授が多いのに対して、右翼的主張の学者は国士舘大など偏差値が低い大学教授が多い。学者の主義主張と学生の偏差値は本来無関係だと思うのだが、実際には明確な相関があるようで不思議だ。 

 国士舘大学の数学入試問題をいくつか解いてみた。多くの問題が教科書を一通り理解したかどうかを問う初歩的な問題。
 しかし、平成29年度数学Ⅲの問Ⅱは、受験勉強が必要な問題だった。国士舘受験者のどれだけができただろう。ただし、論理的思考が必要な問題ではなくて、どれも受験テクニックで足りるので、頭がよくない生徒でも、まじめに勉強していれば完答できる問題だ。もっとも、まじめに勉強していて、国士舘はないか。 


国士舘大学 平成29年度数学Ⅲ2月1日の問Ⅱ

(1)
 分数関数の積分は分母を分離することが定石。さらに、1/(X2+1)の積分がarctanであることを知っている必要がある。このため、まじめに勉強していないと無理だろう。

解答方針:
(2X2+7X+1)/{(X2+1)(X+1)}=aX/(X2+1) + b/(X2+1) + c/(X+1)となるa,b,cを求める。
a=4,b=3,c=-2である。
また、 ∫2X/(X2+1)dX=log(X2+1) (注:t=X2+1と置けば良い)
    ∫1/(X2+1)dX=arctanX   (注:t=tanθと置けば良い)
    ∫1/(X+1)dX=log(X+1)
であることを使う。以下省略。

(2)
この問題は、(1)(3)に比べれば易しい。普通に数Ⅲの受験勉強をしていれば、一度は類題を解いたことがあるはず。

解答方針:
分子がsinで、分母はcosの関数なので、cosの微分が-sinであることを知っていれば、t=cosX と置けば良いことに気が付くだろう。 あとは容易

(3)
類題を解いたことがないと難しい。この問題の類題をしっかり勉強していた受験生が、国士舘を受けるかな。tanのn乗の不定積分の漸化式を求める方法を知っていれば難なく解ける。tanの2乗の不定積分計算をやったことがなければ、まず無理だろう。

解答方針:これはtanの4乗の積分をする問題。
t=tanXとおく
∫tan4XdX=∫tan2X (sin2X/cos2X)dX=∫t2sin2Xdt
ここで、sin2X=sin2X/(cos2X+sin2X)=t2/(1+t2)
よって、∫tan4XdX=∫t4/(t2+1)dt=∫{t2-1+1/(t2+1)}dt
=(1/3)t3-t+arctan(t)=(1/3)tan3X-tanX+X
以下省略。

キバナアツモリソウ2017年06月25日

2017年6月17日、入笠山のホテイアツモリソウを見学した。
キバナアツモリソウも咲いていたが、こちらは、見頃を過ぎていた。

ホテイアツモリソウ2017年06月24日

2017年6月17日、入笠山のホテイアツモリソウを見学した。
ロープウエイ山頂駅下車すぐのところに、20株程度咲いていた。フェンスで、厳重に守られている雰囲気だが、盗掘で絶滅寸前に追いやられた植物だから、これも仕方ないのだろう。

岡山理科大学の数学入試問題の変形2017年06月21日

2016年前期SA方式2日目の数学入試の問4の変形として、こんな問題はどうでしょう。
       
問題
    
i^2+j^2=k^2 (i,j,kは正の整数)とする。
sinθ=i/k (ただし0<θ<π/2) とすると、θ/πは無理数であることを示せ。
    
解答方針
a(n)=k^n×sin(nθ) 、 b(n)=k^n×cos(nθ) とする
このとき、α=2j-kとすると
a(n)+(k-i)×α^(n-1) 、b(n)+(k-j)×α^(n-1)
はkの倍数となることを示せばよい。

Fラン大学 岡山理科大学の数学入試問題2017年06月20日

安倍晋三首相がからむ「加計学園問題」は国会閉会後も尾を引きそうです。
  
タイトルのFラン大学とは、偏差値がものすごく低い大学のことを言う受験用語で、A~Eの五段階評価をしたときのFであるとか、ボーダーフリーのFだとか、そのように言われます。
  
加計学園の中核大学は岡山理科大学で、理工系のFラン大学です。岡山理科大学の他に、千葉県銚子市にある千葉科学大学も加計学園グループ大学で、ここの薬学部も恐ろしく偏差値が低い大学です。「加計学園問題」の政治問題にはいろいろな見解があるだろうけれど、政治問題以前に、「Fラン獣医学部を作ってどうするんだ」と言いたい。総理大臣の頭が悪い国があっても良いかもしれないが、頭が悪い獣医はゴメンだ。
  
「加計学園問題」とは関係ないが、岡山理科大学の数学入試問題を解いてみました。Fラン大の入試問題の特徴として、教科書の初歩的理解度を試す問題が中心です。上位大学を目指す生徒も、知識にぬけがないかを確認する意味で、いくつかのFラン大学の入試問題に、ざっと目を通しておくのも良いことでしょう。
  
2016年前期SA方式2日目の数学入試の問4は良くできた問題です。
   
(1)三角関数の定義を知っていれば十分。この問題は、高校に行っていたかどうかを見る問題です。
答: cosθ=5/13
  
(2)三角関数の和の公式を覚えているかどうかの問題。頭が悪くても、きちんと勉強していればできる問題です。
答: a(n+1)=5a(n)+12b(n)
  
(3)日本語で書かれた問題の意味が理解でき、数学的帰納法が使えるかどうかを試す問題。
解答:(2)と同様に、b(n+1)=-12a(n)+5b(n)となる。よって、a(n),b(n)が整数とすると、a(n+1),b(n+1)も整数。a(1),b(1)は明らかに整数だから、数学的帰納法により、すべての正の整数nに対して、a(n),b(n)は整数である。
  
(4)高校で習ったことを組み合わせ、さらにゴールを見据えて式変形ができるかどうかを試す問題。高校で易しい演習問題を解いていたかどうか、つまり自分で机に向かって勉強していたかどうかを試す問題です。この問題ができた生徒は、岡山理大よりも、上位大学を狙えたかもしれない。
解答:
 次式が成り立つ。
 a(n+1)+(-3)^n=5{a(n)+(-3)^(n-1)}+12{b(n)+8(-3)^(n-1)}-13×8(-3)^(n-1)
 b(n+1)+8(-3)^n=-12{a(n)+(-3)^(n-1)}+5{b(n)+8(-3)^(n-1)}-13×4(-3)^(n-1)
 このため、a(n)+(-3)^(n-1)、b(n)+8(-3)^(n-1)が13の倍数の時は、a(n+1)+(-3)^n、b(n+1)+8(-3)^nは13の倍数になる。n=1の時、a(n)+(-3)^(n-1)、b(n)+8(-3)^(n-1)は、どちらも13なので、13の倍数。
 よって、数学的帰納法により、すべて正の整数nに対して、a(n)+(-3)^(n-1)、b(n)+8(-3)^(n-1)は13の倍数である。
  
(5)この問題はFラン大にしては難しい。生まれつき頭が悪い生徒には困難でしょう。
解答:
 θ/πは有理数であるとする。この時、θ/π=m/n  (ただし、m,nは正の整数)と書ける。
 このとき、a(n)=13^n×sin(mπ)=0となる。
 よって、a(n)+(-3)^(n-1)=(-3)^(n-1)となるので、この値は13の倍数ではない。これは、(4)の結論と矛盾する。
 以上より、θ/πは無理数である。

本―日露外交 北方領土とインテリジェンス2017年06月14日

 
佐藤優/著 『日露外交 北方領土とインテリジェンス』角川書店 (2017/5)
 
 特に関心を持った本ではないが、読んだことを忘れないために書き留めておきます。
     
 北方領土と日ロ関係を解説した佐藤優の近著。内容は、産経新聞のコラムにこれまで書いた記事の再編集。新聞コラム記事なので、一つのテーマのページ数が少なく、問題に深く立ち入ったものではない。各項目の関連性も乏しいため、北方領土問題や日ロ外交について、多少でも詳しく知りたいと思っている人には、読む価値は少ないだろう。

本の紹介―ドキュメント日本会議2017年06月13日

    
藤生明/著『ドキュメント日本会議 』筑摩書房 (2017/5)
   
 2016年4月に菅野完/著『日本会議の研究』が出版されて以来、日本会議解説本がいくつか出版された。出版も一段落したのかと思っていたら、菅野の本からおよそ一年後に、本書が出版された。
   
 本書は、朝日新聞の連載記事がもとになっているようだ。日本会議の出自から現在に至る活動を淡々と記述している。文章は読みやすい。もっとも、菅野の本など、読みやすい本が多いので、読みやすさは、同様な他書とさほど違わないかもしれない。菅野の本を読むと、日本会議にはどこかおどろおどろしいところが感じられるが、本書にはそのような感じはない。
 日本会議を過大評価する必要はないが、過小評価もよくない。本書では、過大評価も過小評価もなされずに、事実を淡々と描いている。この点は好感が持てるのだけれど、では、なぜ日本会議が影響力を持つに至ったのか、あるいは、そもそも影響力を持っているのか、その点が分からなかった。
   
 p99に臨教審専門委員を務めた高橋哲也について、「反共愛国を掲げて活動していた元生学連委員長」と書かれているが、高橋については、1ページ余りの記述だけ。

本―古代の海洋民オホーツク人の世界2017年06月12日

     
天野哲也/著『 古代の海洋民オホーツク人の世界 アイヌ文化をさかのぼる 』雄山閣 (2008/11)
     
 礼文島などのオホーツク文化の遺跡調査結果の詳細が示されるなど、オホーツク文化研究には重要な書だと思うが、素人には専門的すぎる。遺跡の発掘調査に興味のある人には面白い本かもしれない。
 本のメインはオホーツク文化研究ではあるが、擦文文化の解説もある。

本―片山通夫写真集2017年06月11日

   
『サハリン』未知谷 (2005/08)
『サハリン逍遥』群像社 (2017/03)
  
どちらの本も、サハリンやサハリン残留朝鮮人のモノクロ写真集。
これらの写真を見て何を感じ取るか。うーん。

本の紹介―トビニタイ文化からのアイヌ文化史2017年06月07日

    
大西秀之/著『トビニタイ文化からのアイヌ文化史』 同成社 (2009/03)
   
 ちょっと古いが、読み応えのある本だ。
   
 5から10数世紀ごろ、アムール河口域・樺太・千島・カムチャツカ・北海道北部・北海道北部のオホーツク海沿岸地域に、オホーツク文化が起こっている。この時期、北海道では擦文文化だった。オホーツクは突如として消滅するが、北海道東部ではオホーツク文化を引き継ぐ形でトビニタイ文化が起こった。この文化は、擦文文化とともに消滅して、北海道はアイヌ文化になった。
   
 本書は、トビニタイ文化の研究書。トビニタイ文化については、北海道古代史の中で数ページ触れられた本はあるが、1冊の本にまとめられたものは本書が唯一だろう。
 本書は、第1章でトビニタイ文化の研究の現状をまとめ、第2章ではトビニタイ土器と擦文土器の関係を考察し、トビニタイ文化の遺跡で発見される擦文土器の多くも模倣品であることを示す。また、トビニタイ文化の住居スタイルを考察し、トビニタイ文化の担い手はオホーツク文化の末裔であることを明らかにし、鉄器の輸入など擦文文化の交流を考察している。第3章では、トビニタイ文化の居住地など生業を考察する。トビニタイ文化の担い手たちは、サケ漁が主であったことを明らかにする。第4章では、トビニタイ文化が成立したいきさつとして、擦文文化との関連の他に、律令制の中での東北との関係についても考察している。
   
 本書は研究書なので、発掘などの事実と、それに基づく推察と示され、何が事実で何が推量なのであるかが明確に分離されていて、読んでいて混乱しない。
 事前知識がないと、読むのが難しい部分もあるが、多くは素人でも十分に理解できる記述になっている。トビニタイ文化の概要を結論だけ知りたい人には、詳しすぎる内容かもしれないが、じっくり理解したい人には、十分に読みごたえがあり、読んでいて、おもしろい。
   
 中世の地球高温期に栄えたオホーツク文化が寒冷化で滅んでゆく過程で、道東のオホーツク文化人たちは、生業を変え、擦文文化と交流することで、生き残りを図ったのだろう。最後は、擦文文化に吸収される形で消滅し、次のアイヌ文化の一部へと変容していった。それが、トビニタイ文化なのだろう。

* * * * * *

<< 2017/07
01
02 03 04 05 06 07 08
09 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

RSS