ナワリヌイの死因2024年02月26日

 
 ウクライナ国防省の情報部門のトップ、ブダノフ情報総局長は25日、記者団に対し、ロシアの刑務所で今月、死亡した反体制派の指導者、ナワリヌイ氏の死因について「がっかりさせるかもしれないが、われわれが知っていることは彼が血栓で死亡したということだ。確認されている」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240226/k10014370611000.html#anchor-01

さて、ブダノフ情報総局長は、この情報をどのようにして入手したのでしょう。

アヴデエフカ解放2024年02月18日

 ドネツクの北西にあるアヴデエフカ(アウディイウカ)はウクライナ・ネオナチの要塞になっていたが、2月17日、北部コークス工場を含めて、陥落した。北部コークス工場にロシア国旗を掲揚する動画が拡散してる。
 昨年5月にアルテモフクス(バフムト)が陥落して以来、ウクライナ最大の敗北。 
 ロシア軍は、昨年10月ごろから、アヴデエフカ掃討作戦を開始した。昨年来、暖冬傾向が続いていたが、今年1月下旬になると、寒波が襲来し、地面が凍結すると、ロシア軍は大攻勢に出た。暖冬に戻った、2月になっても、攻勢は続き、2月15日には、北部コークス工場を除いて、ほぼ解放した。ウクライナ軍最高司令官に就任したばかりのシルスキーは、2月17日にアヴデエフカの放棄を発表した。
 現在、ウクライナ軍はアヴデエフカの西5km近辺に防衛ラインを構築している模様。
 
 このほか、昨年5月に解放したアルティモフスク(バフムト)方面では、クロモボを完全制圧した後、西方に進軍し、現在はイヴァノフスケやボグダノフカ東部に進軍、チャソフヤールに迫る勢いにある。
 また、オリホフ方面では、昨年のウクライナ軍大攻勢により奪われたロボチネを再奪取する勢いである。ただし、この村にはあまり戦略的価値はないので、今後どうするのかは不明。
 ドネツク南西部のマリンカは、昨年5月以降解放済みであるが、昨年末以降、さらに西部に進軍している。
 
 チェチェンなど一部地域を除いて、ロシアでは伝統的に子供が少なく、青年の戦死が続くと、母親たちの反発が強くなり、政権は維持できなくなる。このため、厳冬期に地面が凍結して、戦車・戦闘車両の行動範囲が広がると、攻勢をかける。この時期は、兵器や弾薬の消耗戦により、兵員の死亡を少なくする。春になると泥濘期になるため、戦闘は停止する。春が終わって地面が乾いてくると、歩兵戦になるが、兵員の損失が大きいため、ロシアは防戦になる。
 ロシアの戦い方は、ナポレオン戦争・第二次大戦同様、冬の寒さを利用する。本来、ウクライナも同じ戦い方のはずだが、昨年、ウクライナは夏季に攻勢をかけ、多くの戦死者を出した。これは、兵力・弾薬に劣るウクライナとしては、兵士の命と引き換えに戦果を挙げる必要があったこと、および、ゼレンスキー大統領が選挙で再選される見込みがなく、国民の支持を考慮しなかったためである。

アヴデエフカ解放か2024年02月16日

 ドネツクの北西にあるアヴデエフカ(アウディイウカ)はウクライナ・ネオナチの要塞になっていたが、ロシア軍の攻撃により、北部コークス工場を除いて、事実上陥落した可能性がある。残るは、敗残兵の掃討。
 昨年5月にアルテモフクス(バフムト)が陥落して以来、ウクライナ最大の敗北。

プーチン インタビュー2024年02月13日

タッカー・カールソンのプーチン インタビューが世界中で話題になっている。
公開された動画は英語。日本語字幕を付けている親切な人がいる。
https://twitter.com/tonakai79780674/status/1755821082861605280?s=46&t=bppLDNcdmSlkMH5sJGuzXA
 
青山貞一氏の翻訳は以下に掲載されている。
https://eritokyo.jp/independent/Ukraines-war-situation-aow4561.htm

アヴデエフカ解放間近2024年02月05日

 ドネツクの北西にあるアヴデエフカ(アウディイウカ)はウクライナ・ネオナチの要塞になっていたが、ロシア軍の攻撃により陥落は時間の問題になっている。
 昨年5月にアルテモフクス(バフムト)が陥落して以来、ウクライナの最大の敗北が近い。

本の紹介-ペンギンの憂鬱2023年11月15日

 
アンドレイ・クルコフ/著 、沼野恭子/訳『ペンギンの憂鬱』新潮社(2004/9)
 
 本書は、キエフ在住、ロシア系ウクライナ人作家の小説。
 原作は1996年にロシア語で出版された。その後、ヨーロッパ各国語に翻訳され、2004年に日本語訳が出版された。
 ロシア語版が出版されたとき、すでにソ連が崩壊してウクライナは独立国家となっていたが、この時は、ウクライナ政権には汚職はあったものの普通の民主国家だった。このため、本書がロシア語で出版することに特に問題はなかった。
 2014年、ウクライナではマイダンクーデターによって、ネオナチ政権が誕生すると、民族弾圧が国是となり、ロシア語の使用が事実上禁止される。これに反発したルガンスク州やドネツク州では、自治政府を宣言して、ウクライナは内戦状態となった。アメリカの援助を受けたウクライナ中央政府は、自治政府を攻撃し、2022年までに1万2000人から1万6000人を殺害した。
 2022年2月、ロシアはルガンスク州やドネツク州の独立を承認し、ウクライナとの戦争に介入した。
 
 本書は、2004年に訳出されたものであり、これは、マイダンクーデターの10年も前のことだ。しかし、訳者は後書きに、ウクライナでは、ロシア語排斥運動が起きているとしている。2004年には、ウクライナでは、すでに、ネオナチが政権の中枢を担っていたことが窺われる。

本-ウクライナ・ベラルーシ史2023年11月05日

 
中井和夫/著『ウクライナ・ベラルーシ史』山川出版社(2023/5)
 
この地域の歴史書として、以下の本が出版されていた。
伊東孝之・他/編『ポーランド・ウクライナ・バルト史』山川出版社(1998)
本書は、この本のウクライナ・ベラルーシの部分の抜粋で、その後の歴史が追記されている。ざっくり、ウクライナの歴史を知るためには本書は有用だが、それほど詳しいわけではない。

本の紹介-講義 ウクライナの歴史2023年10月29日

 
黛秋津 /編著、他/著『講義 ウクライナの歴史』山川出版社 (2023/9/4)
 
ウクライナの歴史書は、一般的なものでは、これまで、以下の本が出版されていた。
 黒川祐次/著 『物語ウクライナの歴史』中央公論新社(2002)
 伊東孝之・他/編『ポーランド・ウクライナ・バルト史』山川出版社(1998)
しかし、これらの本は、出版年の関係から、ソビエト崩壊以降の記述は少ない。
 
 本書は、ウクライナの歴史のうち、キエフルーシから現代まで、広い範囲を扱う。また、地域・国家の歴史の他に、ユダヤ問題、正教会の分裂、ロシア・ウクライナの歴史認識にも、各一章が割り当てられ、幅広いウクライナ史の観点から、ロシア・ウクライナ戦争を考える材料が提供されている。
 本書は11章に分かれ、それぞれ違った著者が担当している。このため、各専門的な立場での記述で良いともいえるのだけれど、筆者ごとの文体やニュアンスが異なり、少し読みにくい。
 最終章は防衛研究所・山崎博史氏の「ロシア・ウクライナ戦争と歴史的観点」の表題で、現在起こってる戦争を解説する。2023年3月の執筆。このころ、ウクライナ軍の春季大攻勢があるかのように宣伝されていたが、実際には、5月にはバフムトが陥落し、6月になってからウクライナ軍が攻勢をしかけたものの、ほとんど成果はなく、西側供与の装備も、あまり役に立たなかった。今になってみると、本章は、戦況分析能力が低い日本の軍事専門家にありがちな、貧弱な記述になってしまっていて、残念。

本の紹介-プーチンの10年戦争2023年10月26日


  池上彰、佐藤優/著『プーチンの10年戦争』東京堂出版(2035/6)

     池上彰、佐藤優による対談。プーチンのいくつかの重要演説をもとに、ウクライナ・ロシア戦争を解明するもの。話が上手な二人の対談なので、読みやすいが、何となく表面的な説明にとどまる感じがした。対談ではなくて、論文、あるいは解説として執筆した方が理解が深まったような気がする。
   また、ウクライナ近代史、クリミア現代情勢の説明もそれぞれ一章を使っているが、それほど詳しい内容はない。
 
   戦争が長引いている理由を以下のように説明している。ロシア・ウクライナ情報収集の第一人者の見解として傾聴に値する。
 
  佐藤 それから、ロシアの基本的な概念については、プーチンが何度も繰り返し表明しています。「ウクライナ人は同胞である」と。だから攻勢さえ保っていれば、将来の自国民を無理に殺害する必要はない。進軍が遅いのはそういうイデオロギー的制約があるためなんです。
  池上 ところが、西側はその理屈をわかっていない。ロシア軍は兵器や弾薬が足りていないとか、最前線の軍隊の士気が低いとか、聞いて心地のいい理由づけに終始している感じですよね。
  佐藤 状況を冷静に分析すれば、ロシア軍が決して劣勢ではないとわかります。例えば、四州にはもともと二〇一二年時点で、九五〇万人が暮らしていました。二〇一四年からの戦争でドネツク州とルハンスク州からはかなりの人が逃げ出しました。正確な統計はないのですが、現時点でロシアが実効支配する地域に五〇〇万人が残っていると仮定します。一方、二〇二二年九月一二日の時点で、この地域に駐留するロシア軍は推定で三五万人。その大半は戦闘に回るので、地域の治安維持を担うのはせいぜい五万人だと思います。だとすれば、わずか五万人で五〇〇万人を統治できていることになる。これが何を意味するか、健全な常識を働かせればすぐにわかるでしょう。端的にいえば、統治ができている。(P25)

   日本の報道は著しくいい加減だ。佐藤優は次のように言っている。
    佐藤 開戦当初にどういう報道があったか、思い出してみればいいと思います・プーチンは末期がんに冒されているとか、戦場でロシア軍が化学兵雛を使っているとか、東部の都市マリウポリでコレラが発生して一万人が死亡したとか、ロシア国民はどんどん国外に脱出しているとか、二〇二二年六月からウクライナ軍の反転攻勢が始まり、二二年中にロシア軍をウクライナ領から放逐するとか。しかし全部嘘か、もしくは誇張がありました。  また多くの有識者がメディアに登場し、これらの情報をもとにさまざまな分析や見通しを語っていました。しかしそもそもの情報が怪しいので、そういう人たちの見解もたいてい的外れでした。  発信源はウクライナ政府やイギリス国防省など、いずれも公的権力です。アメリカのネオコン系のシンクタンクである戦争研究所の主要な情報源もイギリス国防省を中心とする公的権力と私は見ています。問題は、それをメディアが鵜呑みにして報じていること。公的権力が嘘をつくはずがないという前提に立っているわけです。まるで警察が発表する交通事故の死者数のように。(P271)

 本書、後1/3程度に、プーチンの演説が記載されている。また、ゼレンスキーの演説も少し記載されている。

ダメな日本の報道2023年09月28日

ウクライナ軍、ロシア黒海艦隊司令官を「殺害」 (日本経済新聞2023/9/25 22:34)
ウクライナ軍攻撃でロシア軍黒海艦隊の司令官ら34人死亡…特殊作戦軍が成果強調(読売新聞2023/9/26 05:44)
 今週前半、日本の報道機関では、ウクライナ軍攻撃でロシア軍黒海艦隊の司令官が死亡したとの報道がなされた。情報源は、ウクライナ軍のどこかのようだ。しかし、冷静に考えれば、ウクライナ軍はロシア軍司令官死亡をどのように確認したのか、疑問が生じるだろう。ウクライナ軍が、ロシア支配地域に行って検死したと思う人はいない。
 時間がたつにつれ、ロシア軍黒海艦隊司令官死亡の情報は、ガセネタだった可能性が高くなってきており、報道もそのように変わってきている。いかがわしいウクライナ軍の謀略宣伝を未検証のまま報道するのではなくて、報道機関なのだから、多少は検証してから報道すればよいのに。

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