原発被災者は、いつ戻れるのか2011年08月28日


 原発事故当初、菅総理が、汚染地区には何十年も戻れないかもしれないと発言したとき、自民党やマスコミはいっせいに反発したことがある。
 セシウム137の半減期は30年なので、放射能が1/10になるには100年かかる。このため、汚染地域には何十年も戻れないかもしれないと考えるのは、高校生程度の物理知識があれば容易に分かることだった。

 最近になって、原発に近い場所では、相当長期にわたって汚染が続くことが、一般にも知られるようになり、被災者も、ようやく現実を直視できるようになって来たように見受けられる。

 セシウム137の物理的半減期は30年だが、環境にあるセシウムは雨によって流されるので、もう少しは早く減少する。
 図は、飯館村役場の環境放射線強度。縦軸は対数メモリ。赤い線は、最近の減少傾向に対して近似的に直線を引いたもの。今は、およそ300日で半減しているようだ。このまま減衰すれば、2年後には年5ミリシーベルトになるだろう。また、4~5年後には、年1ミリシーベルト以下も期待できるかも知れない。
 ただし、福島市の放射線強度に対して、同様な図を書いてみると、先月に比べ、今月のほうが減少傾向が遅くなっているので、楽観はできない。

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