尾瀬の植物-ツマトリソウ ― 2008年07月29日
鬱陵島(ウルルン島-ウルルンド)から竹島(独島-トクド)はどのように見えるか ― 2008年07月29日
注)これは中央日報の画像をリンクしています。
1452年の高麗史地理志に鬱陵島の説明として、「一云、于山、武陵、本二島、相距不遠、風日清明、則可望見(一説に言うには、于山と武陵は2つの島で、互いの距離は遠くない、空気が澄み切った日には、望み見る事ができる)」と書かれている。鬱陵島から、空気が澄み切った日に望見できる島は竹島しかないので、于山島とは竹島のことであると、説明される。
ところが、ネットで調べると、竹島日本領説を唱える人の中には、「鬱陵島から竹島を肉眼で見ることはほぼ不可能」などとの主張が見受けられる。Excelで計算すれば、空気が澄み切った日には、鬱陵島から竹島を望見できることは明らかです。
最近、中央日報に鬱陵島から竹島を撮影した写真が掲載されました(上の画像)。この写真は、縦横比が35ミリフイルムと異なることからも分かるように、中央部がトリミングされています。このため、この写真を見ただけでは、撮影したレンズの焦点距離はわかりません。説明文では、200mmレンズで撮影に成功したとあります(この写真が200mmで撮影したものなのか、良く分からない)。もし、200mmで撮影したものであるとするならば、写真を4つ切か6つ切にプリントして、パソコンのディスプレーに同じような大きさに表示されるようにトリミングしているようです。
前景に鬱陵島の松が写っています。竹島の大きさと、松葉の大きさを比較すると、2~3倍程度なので、視角10分~15分になります。松葉の実際の大きさが10cm~15cmであるとすると、これは35m程度先にあることがわかります。200mmで撮影するとき、絞りをF32にすると、被写界深度は35m~∞になります。ピントが合う、ちょうどよい場所に松の木を配置していることが分かります。
(もし、横方向がトリミングされていないとすると、400mmを使って、F64で撮影すると、このようになります。また、300mmF45で撮影して、横方向1.5倍強でトリミングしても同じような写真になります。でも、400mmでF64まで絞れるレンズや、300mmでF45まで絞れるレンズって、あったかどうか知りません。)
ところで、EOSデジタルの最高機種だと、水平方向は5600ピクセルあります。でもこの画像は横方向540ピクセルです。この写真が200mmで撮影されたのだとしたら、横方向を半分にカットして、さらに1/5に間引いて画像を粗くしていることになります。もし、400mmで撮影されたものだとすると、画像を1/10に粗くしていることになります。いずれにしても、画像をものすごく粗くしているので、実際に撮影された写真に比べ、かなり見えにくくなっているはずです。フイルムでもベルビアの描写性能は低コントラストで80本/mmのため、横方向フルサイズで2800ピクセルに相当します。高コントラストだとその倍の5600ピクセルに相当します。200mmでも400mmでも、実際に撮影された写真を4つ切程度にプリントしたら、竹島はもっと鮮明に見えているでしょう。
この写真を詳しく見ると、竹島の高さ方向は10ピクセルです。竹島は視角5分なので、1ピクセル0.5分になります。これは、視力2.0の人が見える限界の視角に相当します。視力2.0の人は、ほぼ、この写真程度に見えるんですね。
鬱陵島から竹島を見ると、どの程度の大きさに見えるのかは、簡単な計算で分かるはずですが、計算が苦手な人も多いので、計算することなしに、どの程度の大きさに、また、どのように見えるのか、簡単に分かるように説明しましたので、よろしければごらんください。
<鬱陵島(ウルルン島)独島展望台から見た竹島>
(この記事は26日に書いたものを若干訂正したものです。)