サンフランシスコ条約2005年06月13日

 全然タイムリーな話題ではないのですが、最近ちょっと気になったもので。

 日本の領土問題には、戦後占領下のGHQ命令SCAPIN-677とサンフランシスコ講和条約が深く関係しています。このうち、サンフランシスコ条約の解釈で、混乱する余地はないはずなのに、なぜか混乱している人が多いので不思議です。

日ロ関係:
 サンフランシスコ条約をソ連は批准していないので、南樺太・千島はソ連・ロシア領ではないと、誤解している人がいます。
 日本はサンフランシスコ条約で南樺太・千島を放棄しました。このため、サンフランシスコ条約は南樺太・千島が日本領でないことの根拠になります。これは、日本の問題です。
 ソ連とかロシアとか何も書いていないので、サンフランシスコ条約はロシアが南樺太・千島を領有する直接の根拠にはなりません。ソ連が領有するか否かはソ連の国内問題です。ソ連が領有する根拠は、一九四六年二月二日付ソ連邦最高会議命令です。サンフランシスコ条約で日本が南樺太・千島を放棄した事実は、ソ連邦最高会議命令が不当でないことの根拠にはなります。

日韓関係:
 日本はサンフランシスコ条約で朝鮮の独立を承認しました。朝鮮独立の根拠がサンフランシスコ条約であるかのように誤解する人がいます。サンフランシスコ条約は、日本が朝鮮独立を承認する根拠になりますが、朝鮮独立の根拠にはなりません。
 朝鮮独立の根拠は、朝鮮人自らが国家を建国し、政治を運営している事実です。

注)かつて、日本は竹島を領有したとき、他国との調整をすることも、連絡することもしませんでした。それどころか、官報に記載さえしていません。島根県庁に張り出した、たったそれだけのようです。日本と領有権を争っている朝鮮は、当時、日本が領有を宣言したことを全く知りませんでした。朝鮮に竹島領有を伝えたのは、朝鮮の外交権を完全に乗っ取った後の事です。日本政府の説明では、国際法的には、こんなのでも領有は有効になるそうです。
 ソ連が南樺太・千島を領有宣言したことは、当時から、日本政府もGHQも十分知っていました。しかし、ソ連に対する抗議はしていません。

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