本の紹介 独島(ドクト)研究2012年10月08日


金学俊 (著, 原著)『独島(ドクト)研究―韓日間論争の分析を通じた韓国領有権の再確認』 論創社 (2012/02)

 前書、『独島/竹島 韓国の論理 (2004/05) 論創社』『独島/竹島 韓国の論理 増補版 (2007/11)論創社』の改定新版。前書は一般大衆向けだったのに対して、本書は、より研究者向けになっており、参考文献も豊富。参考文献は、韓国語の本が圧倒的。
 竹島は韓国の領土であるとの立場を一貫して主張し、その根拠や、日本の反論に対する再反論を詳細に記載。

   日本では、竹島を日本の領土とする考えの人が多いが、研究者の中には、必ずしもそうでないとの見解も多い。実際、竹島日本領論は、我田引水的な解釈が多く、まともな研究としては、かなり首を傾げたくなるようなものもある。かつて、外務省の役人だった川上健三氏の著した本では、鬱稜島から竹島は見えないなど、簡単に計算すれば分かるような間違いを、平気で書いていた等、ずさんな理論がまかり通っていた。最近では、これほどずさんな見解はないが、それでも、日本史に対する認識不足等が多く、日本の研究者の間にも、竹島日本領論に対する疑問がある。

 韓国では、一般大衆も研究者も圧倒的大多数が、韓国領と思っている。本書は、竹島韓国領論の集大成とも考えられる。このため、論理に矛盾もなく厳密詳細と言いたいところだが、読んでみると、必ずしも、そうでもないように感じる。

 本書は、300ページを超える大書。これだけの本を、日本人向けに、日本語で出版した点については、敬意を払いたい。

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