本-ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景2024年03月21日

 
国末憲人/著『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』岩波書店 (2023/10)
 
 読むことをすすめるわけではないが、この本があることを忘れないように書き留めておく。
 著者は、朝日新聞の記者のようだ。本書は、ロシア・ウクライナ戦争中に、ウクライナ各地を取材し、現地人の声を聴いた取材記。一般に、平時の現地取材記はそれなりに真実を言っていることが多いはずだが、戦争中のものはあまり真実でないことが多い。戦争中、住民は危険にさらされ、さらに将来、どちらが支配者になるのかわからないので、よほど信頼の置ける友人以外に、本音を話すとは限らない。著者は、西側国の取材者なので、本書が、住民への取材を客観的にまとめたものだとしても、西側国に都合の良い話がメインだったと想像される。さらに、ウクライナの取材なので、ウクライナ政府の便宜を受けていたはずなので、当然ながら、ウクライナ擁護の取材になることは容易に想像できる。
 このため、本書は、あくまで、ウクライナ政府側の取材であって、客観的立場ではないことを理解する必要があるだろう。また、本書は、2023年の夏ごろの執筆のようだ。このころ、日本では、ウクライナが反転大攻勢をかけるとの虚偽情報がはびこっていた。このため、そのような虚偽情報に惑わされた執筆になっていないかも考慮する必要があるだろう。
 いずれにしても、戦争が終結して、ウクライナが落ち着いてから、種々の情報を冷静に判断する必要があるだろう。

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