本の紹介-ロシア・ウクライナ戦争 歴史・民族・政治から考える ― 2024年03月13日
塩川伸明/編・著。他/著『ロシア・ウクライナ戦争 歴史・民族・政治から考える』東京堂出版 (2023/9)
ロシア・ウクライナ戦争では、事実を理解せずに、ロシアを一方的に非難する言動がマスコミ等で横行していた。非難はともかく、「プーチンは癌で死にそうだ」「ロシアは弾薬が枯渇した」「ウクライナは2003年春以降、大攻勢をかけてクリミアを奪還する」などの、虚偽宣伝が、まことしやかに語られた。筑波大学・中村氏・東野氏、東大・小泉氏、慶応大・廣瀬氏、防衛研・兵頭氏などの名前が思い浮かぶ。
こうした中、本書は、ウクライナ地域の歴史、ウクライナの政治、ウクライナにおけるナチスの評価など、客観的で正しい知識を得るために最適である。著者の一人、塩川伸明氏は旧ソ連地域の歴史・政治研究の大御所だけあって、他の執筆陣もしっかりしており、TVでいい加減な解説をしていた人たちとは大違い。
本書の各章のタイトルと著者を記す。
塩川伸明/著『第1章 総論―背景と展開』
松里公孝/著『第2章 ルーシの歴史とウクライナ』
大串敦/著『第3章 現代ウクライナの政治―脆弱な中央政府・強靭な地方政府』
浜由樹子/著『第4章 「歴史」をめぐる相克―ロシア・ウクライナ戦争の一側面』
遠藤誠治/著『第5章 自由主義的国際秩序とロシア・ウクライナ戦争―正義と邪悪の二分法を超えて』