渡来銭(2)2010年09月11日

渡来銭の中で多い順に第6位から10位までです。

第6位 永楽通宝(明銭)
第3代皇帝・永楽帝の永楽6年(1408年)発行。
学校教科書では、室町時代の渡来選の代表とされているが、残存数はそれほど多くない。入手しようとすると、開元通宝などに比べて若干高額かもしれない。良品が多い。書体は真書体のみ。
永楽銭は永楽年間に明での使用目的に作られたが、実際には中国での出土が少ないため、日本への輸出のために作られたとする推察もあった。日本への輸出目的で公鋳・私鋳された永楽銭が存在する可能性は高いが、だからと言って、輸出目的に作られたというわけではない。15世紀末になると。中国では、永楽銭はほとんど姿を消すが、16世紀後半に、日本での永楽銭の出土がピークに達する。特に、関東での出土が多い。このため、これらの永楽銭は日本で鋳造されたと説明されることもある。16世紀後半あるいは17世紀前半には、鹿児島加治木町で私鋳された洪武通宝の鐚銭が知られるが、これらは概してつくりの悪いものが多い。これに対して、永楽銭は立派なつくりのものが多い。


第7位 天聖元宝(宋銭)
第4代皇帝・仁宗の天聖元年(1023年)発行。真書体・篆書体がある。渡来銭第1位の皇宋通宝も仁宗時代のもの。


第8位 紹聖元宝(宋銭)
第7代皇帝・哲宗の紹聖元年(1094年)発行。真書体・篆書体がある。第4位の元祐通宝も哲宗時代のもの。


第9位 政和通宝(宋銭)
第8代皇帝・徽宗の政和元年(1111年)発行。真書体・篆書体がある。


第10位 聖宋通宝(宋銭)
第8代皇帝・徽宗の建中靖国元年(1101年)発行。写真の真書体のほかに篆書体がある。第9位の政和通宝も徽宗時代のもの。

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