本の紹介ー大乗仏典 8 十地経 ― 2026年03月21日
荒牧典俊/訳『大乗仏典 8 十地経 新訂版』中央公論社(1980.8)
1974年に出版された本の改定新版。2003年に中公文庫から出版されている。
十地経とは華厳経の中の十地品のこと。華厳経は奈良時代に伝わり、東大寺を中心に研究され、日本仏教に多大な影響を与えた。
本書は十地経の口語訳。漢文は無い。文章は平易に書かれているけれど、何となくすっきりしない。
十地経は菩薩の段階を十段階に分けて、それぞれの内容を説明するもので、特に第6地では、唯識につながる大乗仏教の世界観が示されている。本書P400の解説には、十地のそれぞれの内容を以下のように説明している。
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十地の「菩薩道」はどのような構造をもつようになっているか。『十地経』自身が、その「菩薩道」の中心ともいうべき第七地において、つぎのようにうたっている。
第一地において、「あらゆる誓願を成就する」
第二地において、十種の善なる実践道をふみ行なうことによって「心の垢れがなくなる」
第三地において、すべてを喜捨して一句の法を聴聞し、禅定に深まり、神通をあらわすことによって,「真理の現前を体得する」
第四地において、三十七種の菩提にみちびく「修行道を体得する」
第五地において、さらに向上して、それらの修行道を実践するとともに、「世闘のもろもろの活動にしたがって生きていく」
第六地において、さまざまな条件に条件づけられて生成するという「もっとも奥ぶかい真理の種々なる道を体得する」
第七地において、「あらゆる仏の不思議なる存在が、いまここに現前する」
もし同様につづけるとするならば、
第八地において、あらゆる存在は生じないというさとりをさとって、無量無辺なごとごとについての知がある。
第九地において、無璽無辺なことことについての知がさらにきわまって、四種の無擬自在な説法力をはたらかせ、仏法のエッセンスを体得して、無磯自在に説法する。
第十地において、「すべてを知る知者のすぐれた知をさとるであろうとの灌頂を授けられる」三昧が現前し、無量無辺なごとごとについての知がいよいよ円満になって、「かぎりない法の雲」のごとくである。
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