北大(後期) 数学入試問題2017年03月23日

    
この問題、代ゼミの講評では『難』となっており、河合の講評では『やや難』となっている。一見すると難しい雰囲気だけれど、そんなに難しいはずはないと思って取り組むと、容易に解ける。問題を解くときは『自分はできるのだ』と思って取り組むと、案外易しいことが多い。
    
(1)
a(n)≧0のとき
a(n+1)=a(n)/2+1となるので、a(n+1)≧0が成り立つ。
C≧0のときは、数学的帰納法から、すべてのnに対してa(n)≧0が成り立つ。
また、このとき、a(n)=(1/2)^(n-1)×(C-2)+2となる。
   
(2)
すべてのnに対して、a(n)<0とする。このとき
a(n+1)=(3/2)×a(n)+1 となるので、
a(n)=(3/2)^(n-1)×(C+2)-2となる。
これは、C≦-2の時にa(n)<0となるので、求める答えはC≦-2。
   
(3)
C≧0のとは(1)より、a(n)は収束する。
C=-2のときは(2)より、a(n)は収束する。
C<-2のときは(2)より、a(n)は発散する。
   
ここまでは、普通の練習問題程度の易しい問題でしょう。
-2<C<0の時はどうなるのか。a(n)の符号が一定でないので、とても難しいような気がするかもしれないけれど、北大なのだからそんな難しいはずはないと思って取り組めば簡単です。
試みにC=-1として計算してみよう。
a(1)=-1,a(2)=-1/2,a(3)=1/4,a(4)=9/8・・・となって、以降a(n)>0であることがわかる。
ここまで来れば解答方針は容易だろう。
   
a(N+1)≧0とする。b(n)=a(n+N)とすると、b(n+1)=b(n)-(1/2)|b(n)|+1,b(1)=a(N+1)≧0が成り立つので、
a(n+N)=b(n)=(1/2)^(n-1)×{a(N+1)-2}+2
このため、a(n)は収束する。
(2)より、-2<C<0の時はa(N+1)≧0となる自然数Nが存在するので、よって、a(n)は収束する。
以上より、a(n)が収束するための必要十分条件はC≧-2である。

海陽学園2017年03月07日

 森友学園問題で、森友学園側が海陽学園に推薦枠があると大阪府に申告していたが、海陽学園側はこれを否定しているとの報道がある。そこで気になったのが、毎日新聞の次の記述だ。
  
「海陽中等教育学校は、全寮制を特色とする中高一貫の男子校で、高い進学実績がある。 」
  
 2016年の進学実績を見ると、東大2人、京大1人、名大1人で、現役生を見ると東大1人、京大0人、名大0人。
 この数字を見る限り、それほど高い進学実績とは言えないし、合格者に浪人生が多いところを見ると、浪人して予備校に通わないと、一流大学合格は難しいのだろう。この中高一貫校は学費が高く全寮制で生活全般を管理される学校として知られている。頭の良い生徒は、生徒の生活全般を管理するよりも、自主的に勉強したほうが成績アップにつながるのに。

東工大の数学入試問題2017年03月06日

 東工大は易しい年とそうでない年があって難易度が一定しない。今年は難しめの年だった。特に、問4(2)は考えにくい。問1はこのような問題に慣れていると容易だが、しっかり受験勉強をしていない人には難しいだろう。問5は典型的な問題なので、完答できるようにしたい。そういうことで、問1、問4、問5を書きます。
       
 
問1   
          
落ち着いて考えれば難しくない。
           
12=2^2×3なので、
N=2^n×3^m あるいは N=2^n×3^m×M (Mは2,3と互いに素な5以上の整数)
         
最初に、N=2^n×3^mとすると、Nの約数の個数が12なので、(n+1)(m+1)=12 (n≧2,m≧1)
このうち、約数が小さいほうから7番目が12になるものは、N=96,108
         
N=2^n×3^m×M(Mは2,3と互いに素な5以上の整数)とする。
Mが素数でn=2,m=1の時はNの約数は12個で、そうでないときはNの約数は24個以上。
よって、Mは素数でn=2,m=1。
このうち、約数が小さいほうから7番目が12になるものは、N=84,132
     
小さい順に書くと N=84,96,108,132
    
    
問4
    
(1)は漸化式を立てれば答えにたどり着く。難しくないので、(1)は落としたくないだろう。
(2)は考えにくい。わたくしの解答例の書き方では、高校の範囲外かもしれない。高校の範囲内にするには、確率ではなくて個数で書けばよい。
        
(1)
*を満たすもののうち、n番目がcの確率をc(n)、cでない確率をa(n)と書く。
P(n)=c(n)+a(n)
c(n+1)=(1/3)a(n)  ・・・(a)
a(n+1)=(2/3)c(n)+(2/3)a(n)・・・(b)
a(1)=2/3  a(2)=2/3  となる。
      
(a)(b)より、次式が成立する。
a(n+1)=(2/3)a(n)+(1/9)a(n-1)
よって、
P(n)=c(n)+a(n)=(1/3)a(n-1)+a(n)
    =tα^n+sβ^n
 ただし、α=(1+√3)/3  β=(1-√3)/3
   t=(6+2√3)/6   s=(3-2√3)/6
      
(2)
*を満たすもので7番目がcのものは、8番目がcでなくて、9番からn番は連続するcがない。
このため、*を満たすもので7番目がcのものの確率S1は、次式となる。
S1=C×P(n-8) 
ここで、Cは先頭から8この中で、*を満たし7番目がcで、8番目がcでない確率。
      
次に、*を満たすもので7番目がcで10番目がcのものは、7,10番がcで、8,9,11番がcでなくて、12番からn番は連続するcがない。
このため、*を満たすもので7番目がcで10番がcの確率S2は、次式となる。
S2=C×(2/3)×(1/3)×(2/3)×P(n-11) 
      
よって、求める確率Q(n)は次式となる。
Q(n) = S2/S1 = (4/9)×P(n-11)/P(n-8)
    
nが大きいとき、 |(1+√3)^n| >> |(1-√3)^n| であることに注意して、次式となる。
Q(n)→(4/9)×{3/(1+√3)}^3=3√3-5
      
     
  
問5
    
典型的な練習問題。完答できるようにしたい。
      
(1)判別式が負なので、-2<c<2
  これが十分条件であることを示すのは容易。
      
(2)F(Z)=0の時、Zの複素共役も解であることを示せばよい。
  詳細省略
      
(3)a=c1+c2   b=c1×c2+2 となる。
  このような、c1,c2が、-2<c1<2、-2<c2<2 に存在する条件を求める。
b≦(1/4)a^2+2    b>2a-2    b>-2a-2  -4<a<4  の範囲です。



入試の数学 難易度2017年03月05日

    
旧帝大7校プラス東工大の数学入試問題を比べると、例年難しい問題が出る東大は易化し、京大は易しめの年だった。これに対して、例年易しい北大や九大がやや難しくなった。
その結果、各大学間の難易度の差が少ない年だった。ただし、東工大は難しめの年だった。
   
難易度の差は少ないけれど、強いて書くとこんな順番だろうか。これは、私の主観でどの大学が難しいかを考えたものであって、人によって、得意不得意があること、何点取るのか受験生によって違うので、一概には言えない。
   
①阪大
②東工大、京大、東大
③東北大
④北大、名大、九大
②④はそれぞれ3校ある。差は少ないがおおむねこの順番。
   
阪大は、難しい問題が出題されたけれど、これは数学の問題として難しいというよりも、出題者の意図が読みにくいという点が難しかった。出題者がひねくれているのだろうか。
 
今年の問題の中で、以下のものは練習に解いておいたほうが良いと思う。
京大・問6 東工大・問5 東北大・問6 北大・問3 東京医科歯科医学部・問3

東北大学 理系 数学入試問題2017年03月04日

    
ここは、難しい問題が出題される年もあるが、最近は易しいことが多かった。今年は、例年に比べ多少難しくなったが、それほど難しい問題ではない。
このうち、問5(2)は少し考えにくいかもしれない。入試問題なのだから必ずとけるだろうと自信をもって取り組めば正解にたどり着く。
問6は典型的な積分の問題なので、落とさないようにしたい。
   
   
問5
   
解答例(クリックすると拡大します)



  
この解答では条件のうちの|α|=|β|≠0を使用していない。どうして、このような出題になっているのだろう。
   
   
問6
   
   
三角関数が虚数の指数関数であらわされることを知っていると三角関数と指数関数が混合した積分の見通しがよくなることがある。高校の範囲外かもしれないが、知っておくと何かと便利。知らなくても、それほど困る問題は出ないと思うが。
   
解答例
   



東京医科歯科大学・医系 数学入試問題2017年03月03日

 ここの問題はいつもながら難しい。問1は特に考えにくい。問2はそれほど難しくなく、問3も落ち着いて考えれば何とかなるだろう。ただし、積分の定義をしっかり理解していないと、(1)ができないだろう。東京医科歯科狙いでない人も、問3はできるようにしておいたほうが良いだろう。
 そういうことで、問3の問題と解答例を書きます。
        
問3
  
  
  
解答例
  
積分記号は書きにくいので、関数fの[a,b]区間での定積分を Int[a,b](f) と書く
  
  
この問題は、積分が2重になっていて、間違いやすいので、f(x)の積分をF(x)と書いて、計算間違いをしないようにします。計算間違いしない人は、置き換える必要はない。
  
F(x)=Int[0,x](f) と書く。F(0)=0である。
この時、原式は次式と書ける。
  
F(x)=4ax^3+(1-3a)x+Int[0,x](F)+(1-x)F(1)-Int[x,1](F)
  =4ax^3+(1-3a)x+2Int[0,x](F)+(1-x)F(1)-Int[0,1](F)    (*)
  
(*)を微分すると次式となる。
f(x)=12ax^2+(1-3a)+2F(x)-F(1)   (**)
  
さらに微分すると次式となる。
f'(x)=24ax+2f(x)    (***)
  
1) (*)式でx=0,x=1とすると次式となる。
  0=F(0)=F(1)-Int[0,1](F)
  F(1)=4a+(1-3a)+Int[0,1](F) 
 よって、4a+(1-3a)=0     すなわち、a=-1
 次に、(**)式から、次式が成り立つ
 f(0)+f(1)=(1-3a)-F(1)+12a+(1-3a)+F(1)=6a+2=-4
  
2)(**)式と(***)式を使う。
 g'(x)=exp(-2x){-2f(x)+f'(x)}=-(24x)exp(-2x)
  
3) 2)より、g(x)=(ax+b)exp(-2x)+Cと書くと
 -2ax-2b+a=-24x となるので、a=12,b=6
  よって、f(x)=(12x+6)+Cexp(-2x) となる。
 ここで、f(0)+f(1)=-4を使って、Cを求めることにより、次式を得る。
 f(x)=12x+6 - 28exp(2x)/(1+e^2)

北海道大学 数学入試問題2017年03月02日

ここは、例年難しことはない。今年も、とりつきやすかったと思う。ただし、複素平面の問3は北大にしては難しかった。
  
北海道大学 理系 問3
  
(解答例 作図省略)
  
外心とは外接円の中心のことだから次式が成り立つ。
|z|=|z-α|=|z-β|
z=αβにより、次式が成り立つ。
|1-α|=|α|   |1-β|=|β|
  
1)
 |1-α|=|α| を図示すればよい。x=1/2の直線です。
  
2)
 1)から、α=1/2+ai β=1/2+bi とする。このとき、z=αβ=(1/4)-ab + (1/2)(a+b)i
 ここで、z=x+iyと書く。
  x=(1/4)-ab y=(1/2)(a+b) となる異なるa,bが実数の範囲で存在するための条件は次式である。
 y^2+(x-1/4)>0  <==  これを図示すればよい。(横倒れの放物線の片側です)

大阪大学・理系 数学入試問題2017年03月01日

 この大学は、例年難しい問題が出題される。本質的に難しいというよりも、出題者の意図の読み取りが難しいなど好ましくない問題も多い。今年も、そんな感じの出題だった。
 出題5問のうち、問3、問4が鬼門だ。問3は出題者の意図が読み取れるかどうかがポイント。問4は問題文に引きずられないで、問題の本質が見抜けたかどうかがポイント。もっとも、問題文の通りに解いても、計算力があるならば十分正解にたどり着く。
  
問3
  
この問題は(1)が(2)のヒントになっていることは気づくだろう。どう使えばよいのか、出題者の意図が読み取れるかどうかがこの問題のポイント。出題者の意図が読み取れるかどうかは数学の能力と無関係なので、こういう問題は出題しないでほしい。
  
解答例  
  
(1)容易なので省略
  
(2)元の不等式と(1)の不等式をかけ合わせて、次の不等式を得る。(ここに気が付くかどうかがポイント)
  |a^2-7b^2|<12/b^2
 √7は無理数だから、a^2-7b^2≠0 なので、|a^2-7b^2|≧1
  よって、12/b^2>1
   これを満たすb≧2の自然数はb=2,3である。
 この中で、元不等式を満たす値は a=8,b=3 のみである。
  
  
問4
  
この問題をそのまま解くと、計算量が多くて大変。でも、ちょっと考えてみると、f(x)=-x^2+bx+cと書いた時のb,cはどうでもよくて、要するにf(x)は2次の係数が-1の2次式であるということです。
  
解答例
  
(1)このまま解いてもよいけれど、
 f(x)=-x^2+ax+(d-4a)
 と書くと、f(4)=-16+d となって、aが消えるので、少し計算量が減る。
  0≦f(1)≦2 、5≦f(3)≦6  から次の④つの式が成り立つ。
 ①-3a+d-1≧0  ②-3a+d-3≦0  ③-a+d-14≧0  ④-a+d-15≦0 
  結局dの最小値はd=39/2(a=11/2)  最大値はd=22(a=7) である。
 すなわち、7/2≦f(4)≦6
  
(2)このまま解くと計算が多くて面倒なので、
 f(x)=-(x-p)^2+q 
 と書いて、qの範囲を求めると計算量が少なくて済む。
  p^2-2p+1≦q≦p^2-2p+3     p^2-6p+14≦q≦p^2-6p+15
  で囲まれた部分で、p=3のときq=5、p=7/2のときq=25/4となるので、
  5≦q≦25/4 
  
(3)f(X)=-X^2+6 (X=x-p)と考えると容易。
 答えはS=8√6

      
注 (2)はf(x)=-(x-p-2)^2+qと置くと、
(p+1)^2≦q≦(p+1)^2+1,(p-1)^2+5≦q≦(p-1)^2+6
となるので、このほうが見通しが良い。

京都大学・理系 数学入試問題2017年02月28日

   
京大・理系の数学入試問題は時々とてつもなく難しい問題やひねった問題が出題される。今年はそういうことはなく、普通にまじめに受験勉強に取り組んでいれば、解きやすかったと思う。問5などは、計算が若干ごちゃごちゃするので、まじめに受験勉強をしていなければ、正解にたどり着かなかったかもしれないが、京大受験生でまじめに受験勉強をしていなかった生徒はいないかな。
   
ところで、東大・理系の問1は三角関数の関数の形の出題だったが、三角関数にする意味があるの疑問に感じた。京大・理系の問3も問題に三角関数が現れているが、意味があるのか疑問だ。
   
京大・理系 問3   
 
   
解答例
 最初にtanβ≠1、すなわちq≠1とする。
 この時、tan(α+2β)の展開をすることにより次式を得る。
 (q^2-1+2pq)/(pq^2-p-2q)=2
  2p-1=5q/(q^2-q-1)  ここで、qは自然数だからq^2-q-1≠0を使った。
  2p-1≧1であるから、5q/(q^2-q-1)≧1
 すなわち、q^2-6q-1≦0
  これを満たす自然数qは2,3,4,5,6である。
 このなかで、pが自然数となるものはq=3で、このときp=2。
   
 tanβ=1とすると、β=π/4+nπ (nは整数) となるので、
 tan(α+2β)=tan(α+π/2)=-1/tanα=-p<0 となって、tan(α+2β)=2に反する。
   
 以上より、求める解は p=2,q=3 。
   
   
京大・理系 問6
   
 確率の問題は漸化式を立てるものが多い。これもその一つ。他大学だと標準的な問題だが、京大としてはやや易しい問題になるだろう。
   
解答例:
 カードは1,2,3,4,5なので、Xを3で割った余りが1,2の確率は等しい。
 このため、Xを3で割った余りが0の確率をa(n)とすると、余りが1,2の確率はそえぞれ、(1/2)(1-a(n))となる。
 よって、a(n)にたいして、次の漸化式が成り立つ。
 a(n+1)=(1/5)a(n)+(2/5)(1-a(n))=(-1/5)a(n)+(2/5)
  a(1)=1/5であるから、結局、
 a(n)=(2/3)(-1/5)^n+(1/3)



東京大学・理系 数学入試問題2017年02月27日

 ここは、例年、計算量も多く内容も高度。しかし、今年は易しい。本当に東大の問題なのだろうかと首をかしげてしまう。特に、問4は、なんで、こんな易しい問題出したのだろう、出題者の意図がわからない。東大・理系の数学入試問題問4は次の問題です。

  
  
  
 p,1/pなどが出てくるので、ひねった問題なのかと思ったら、そういうことはなくてとても易しい問題。出題者はいったい何を考えてこの問題を出したのだろう。
  
以下、解答です。
  
p=2+√5  -1/p=2-√5 なので、
a(n)=(2+√5)^n + (2-√5)^n
  
1)a1=4  a2=18   問題にはないけれどa3=38*2
  
2)α=2+√5 β=2-√5 とすると、α+β=4  αβ=-1 なので、
 a(n+1)-4a(n)-a(n-1)=0   よって、a(1)a(n)=a(n+1)-a(n-1)
  
3)a(n+1)=4a(n)+a(n-1)とa1,a2が自然数であることから、数学的帰納法によりa(n+1)は自然数。
  
注意)(2+√5)^nを展開して得られる√5の奇数乗と、(2-√5)^nを展開して得られる-√5の奇数乗はプラスマイナスでゼロになる。このため、anは√5の偶数乗および2のべき乗の輪になる。よって、a(n)は自然数である。

4)答えは2  
 証明は、a(n+1)=4a(n)+a(n-1)を使って、数学的帰納法を使う。
  
 こんな感じ。a(n),a(n-1)の最大公約数が2であるとする。a(n+1)が2の倍数であることは明らか。
  a(n),a(n+1)の最大公約数が2rとすると、a(n-1)=-4a(n)+a(n+1)も2rの倍数となる。a(n),a(n-1)の最大公約数が2であるので、r=1。


* * * * * *

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