本の紹介-北千島冒険紀行2017年10月12日

  
阿部幹雄/著 『北千島冒険紀行』 山と溪谷社 (1992/8)
  
 ちょっと古い本です。
 ソビエト崩壊直前の1990年に、北千島アライド島、ポロムシル島のスキー登山記録。
  
 当時、ゴルバチョフのグラスノスチによって、これまで入域禁止だった地域に外国人でも入れるようになった。しかし、現場の人たちは、手続きに慣れていないので、許可を取ることに相当の苦労があったようだ。本書は、スキー登山記であるが、記述の内容は入域手続きが困難だったことなどが多い。また、サハリンやホロムシルで滞在した時の様子なども詳しく、ソ連崩壊期の僻地混乱の様子や、日ソ合弁会社の活動を知る貴重な記録になっている。
 登山記としてみると、記述はあっさりとしていて、なんとなく物足りなさを感じる。アライド富士の標高は2300m程度とたいしたことないので、登山自体には、さほど困難はなかったのだろう。

本―片山通夫写真集2017年06月11日

   
『サハリン』未知谷 (2005/08)
『サハリン逍遥』群像社 (2017/03)
  
どちらの本も、サハリンやサハリン残留朝鮮人のモノクロ写真集。
これらの写真を見て何を感じ取るか。うーん。

本の紹介―ロシア極東 秘境を歩く2016年12月27日

 
相原秀起/著『ロシア極東 秘境を歩く』 (2016/11)北海道大学出版会
 
内容は「占守島」「サハリン」「シベリア」の3つに分けられ、すべて著者の取材記。
現状を取材したのではなくて、各地に残る日本人の足跡をたどっている。
 
 「占守島」の部は、太平洋戦争末期の占守島の戦いに思いをはせ、関連遺跡などを取材している。
 「サハリン」の部は、戦前に日ソ境界線に置かれていた国境標石の行方を調査しているが、この部分は著者による別書『知られざる日露国境を歩く ―樺太・択捉・北千島に刻まれた歴史 (ユーラシア・ブックレット200) 』と重複する部分が多い。
 「シベリア」の部は、大黒屋光太夫の足跡を追い、冷凍マンモスの見つかる地に足を踏み入れている。この部分は、内容が散漫に感じた。

本-シベリア最深紀行2016年09月02日

 
中村逸郎/著 『シベリア最深紀行―知られざる大地への七つの旅』岩波書店 (2016/2)
 
 ロシア政治が専門の中村逸郎教授によろシベリア案内。
 シベリアに住む人々を取材したものだが、シベリアの一般像を描いているのではなくて、世捨て人のようなかなり変わった人を対象としている。でも、ある程度の広い地域の偏狭で、変わった人たちを探せば、どの地域でも、相当に変わった人がいるのではないだろうか。
 もっとも、変わった人が生きてゆけるのは、一言で言えば、シベリアの奥深さなのだろう。

本の紹介―社会人のための現代ロシア講義2016年07月31日

 
塩川伸明・他/編 『東大塾 社会人のための現代ロシア講義』東京大学出版会 (2016/6)
 
東大社会人向け講義の講義録。現在のロシアを知るうえで重要な10の講義がおさめられている。
 
・ソ連崩壊後のロシア史
・ナショナリズム
・クリミア問題
・司法制度
・経済
・シベリアとシベリア開発
・都市交通
・資源エネルギー
・北極海航路
・ロシアの今後  
このうち、「シベリアとシベリア開発」は帝政ロシア時代のロシアの東進など、歴史的な話が多い。「ロシアの今後」はロシア史や幕末以降の日ロ関係市などを概観したうえで、今後を見据えている。
 
この2つの講義を除くと、現在のロシアの姿を知るための講義内容になっている。
新聞などでは得られない、専門的で高度な内容ではあるが、予備知識がなくても読める記述になっている。

本の紹介―現代ロシア政治入門 第2版2016年07月24日

 
横手慎二/著 「現代ロシア政治入門 第2版」 慶應義塾大学出版会 (2016/5)

本書は、慶応大学法学部政治学科の「現代ロシア論」講義ノートを元にしている。このため、章ごとに良くまとまっていて読みやすい。

内容は、「ソ連崩壊までのロシア・ソ連の歴史」「ソ連崩壊以降のロシア政治」「ソ連崩壊以降のロシア対外政策」の3つの章と最終章に分かれる。

大学の講義が元になっているので、あまり詳しい内容はないが、現代のロシア政治をロシア・ソ連の歴史からざっと理解するためには便利で、記述もいい加減なところはなく、講義を聞いた学生には有益な知識が得られたと思う。

最終章に「学習の手引き」があって、2ページほど学習する上での心構えが書かれているが、これは、本書を読む上での心構えでもあるので、最初に読みたい内容だ。

本―ソヴィエト後の中央アジア2016年04月14日

 
ジュリボイ・エルタザロフ/著『ソヴィエト後の中央アジア‐文化、歴史、言語の諸問題』大阪大学出版会 (2010/10)

ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、キルギスなどの中央アジア地域のの話なのだけど、ざっと読んだだけ。

甲状腺がん-チェルノブイリと福島2016年03月21日

 
本の紹介  岩波「世界」2016年3月号
 
 チェルノブイリ原発事故では事故後5年後に甲状腺がんが発生したとの都市伝説がある。福島では、事故後3年から小児甲状腺がんが激増している。福島大学医療関係者や放射線医療専門家の中には、チェルノブイリの都市伝説に基づいて、事故後5年しないうちの甲状腺がんは原発の影響ではないとの主張が見受けられる。
  
 岩波「世界」2016年3月号には、ロシア研究者・尾松亮氏の論文「チェルノブイリ被災国の知見は生かされているか」が掲載されている。尾松氏は2011年のロシア政府報告書内容を紹介することにより、チェルノブイリ原発事故では事故の翌年から小児甲状腺がんが増大していると説明している。
 
 現在、福島で激増している小児甲状腺がんの原因は、普通の頭で考えたら、原発事故の初期に放射性ヨウ素に被爆したことが原因と思うでしょう。原発事故当時、浪江町民は、汚染が激しい津島に数日滞在したし、飯館村では数か月とどまったのだから。

本-ケヴォングの嫁取り2016年02月12日

 
ウラジーミル・サンギ/著『ケヴォングの嫁取り』 群像社 (2015/11)
 
 サハリンの少数民族ニブフ(ギリヤーク)の物語。
 19世紀後半になると、ロシア資本主義の影響が辺境のサハリンにも及ぶようになってくる。こうした波に少数民族の人たちは翻弄される。本書は、ニブフの作家によるこの時代をテーマにした小説。
 
 小説はあまり好きでないので、これ以上、書くことはありません。

本の紹介―プーチンの実像2016年02月03日

 
朝日新聞国際報道部・他/著『プーチンの実像 証言で暴く「皇帝」の素顔』朝日新聞出版 (2015/10)
 
ソ連崩壊期、プーチンはドレスデンでKGBとして任務にあたっていた。本書は、その当時から現在にいたるまでの、プーチンについて、関係者の証言を元にまとめたもの。プーチンがどういう人なのかわかる本と言えるのだけれど、ソ連時代から新聞を読んできた人にとっては、特に目新しく感じた内容は少ない。

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