Selydove解放作戦開始か ― 2024年10月24日
セリドベ(Selydove)はドネツクの北西40㎞、ポクロフスクの南東15kmにある鉱業都市。
8月終わりごろ、ロシア軍の進軍が報じられた。このころ、ウクライナ兵の逃亡が相次いでいるようだった。しかし、ウクライナ軍は2個旅団を投入し、兵の逃亡を防ぎ、Selydove戦線は膠着した。
Selydove北東部には、大きなテリコン(ボタ山)がある(地図の赤丸印)。8月終わりごろ、ここをロシア軍が制圧したとの情報があったが、誤報だった。また、このころ、中南部の病院(図のHマーク)までの東部地域をロシア軍が制圧したとの情報があったが、誤報だった。誤報の原因は、斥候が到達した地域と支配地域を混乱したためにおこったようだ。
ロシア軍は、Selydoveに侵入せずに、南北交通の遮断に取り掛かった。西部は制圧されていないので、ウクライナ軍が完全包囲されたわけではないが、補給が困難になっている。
昨日より、Selydove中心部の(48°08'29.5"N 37°18'21.6"E)のビル屋上に、ロシア国旗が掲揚されている写真が公開されている。ビル上階で、赤旗を振る動画も公開されているので、このビルをロシア軍が制圧した可能性は高い。地図で黄色線を書いた部分の右側(東側)は低層住宅が多く制圧は容易と思われるが、黄色線の左側(西側)は高層ビルが建て並び、制圧は困難になる。黄色線の左側のビルをロシア軍が制圧していることが事実ならば、Selydove解放が視野に入ったことになる。
ただし、東北部のテリコンをロシア軍が支配しているのかどうかは異なる情報があって確定できない。
追記:24日になって、ビル屋上に赤旗とロシア国旗を持った兵士の動画が公開されている。赤旗は連隊旗のようだ。Selydove中央部のビルをロシア軍が制圧したのは間違いない。でも、なぜ、これほど急速に制圧できたのだろう。