クルスク―ウクライナ敗北間近 ― 2024年10月17日
8月6日、ウクライナ軍はロシア領クルスク州に進攻し、深さ20~30㎞、幅50㎞程度の範囲を占領した。これに対するロシア軍の反攻は緩慢で、ウクライナ軍のさらなる進行もあまりなく、戦線は一旦膠着した。9月11日ごろ、ロシア軍はウクライナ軍支配地の西部地区に侵入し、ウクライナ軍に支配された領土の1/3を解放した。10月10日には、ウクライナ進攻地点の中央付近・Liubimovkaをほぼ解放した。
その後、ロシア軍は東進して、Zelenyi Shlyakh、Novoivanovkaを解放、また、Liubimovkaのウクライナ軍残存兵も掃討した。一方、Liubimovkaの東10㎞にあるMalaya Loknyaは、これまでグレイゾーンだったが、10月10日ごろには、北東から進攻したロシア軍によって解放された。
現在、LiubimovkaからMalaya Loknyaの間は、ロシア軍が支配している模様。このため、Liubimovkaより北側に布陣したウクライナ軍部隊は、完全に孤立している。この地域のウクライナ兵に待っている運命は、降伏か、掃討されるか、飢えと寒さで死ぬか、このうちのどれかだ。ロシア軍支配が手薄なところから逃げ出すことは、すでに秋に入って、ぬかるみが多くて難しい。
多くの識者にとって、ウクライナがクルスクに進攻した目的が不明だった。特に、進攻が成功した後、ウクライナ軍はどうするつもりだったのか、どうも、ウクライナ軍の中でも不明だったようだ。ゼレンスキーの目的は、小さな成功を見せることで、西側から援助を取り付けること、もっと言えば、ウクライナ兵の命と引き換えに、西側援助を使って私腹を肥やすことだったのだろう。
PS
『LiubimovkaからMalaya Loknyaの間は、ロシア軍が支配している模様』と書いたのは、急ぎすぎだった。この間、ウクライナ軍が自由に活動できる場所はないが、だからと言ってロシア軍が完全支配しているわけではない。LeonidovoからMalaya Loknyaの間はグレーゾーンとすべきだろう。(10/20)