東大 理系 の数学入試問題 ― 2025年03月02日
解説
(1)が(2)のヒントであることは容易にわかるだろう。つまり、(2)は挟み撃ちの原理を使い、上の評価はy=x-1を使うということ。
ところで、logは上に凸で、(1,0)でy=x-1に接するのだから、 (1)は自明。しかし、自明では解答にならないので、点を引かれないためにはf(x)=x-1-log(x)とおいて微分して増減を調べる解答にした方が無難だろう。
(2)で下から評価する方法は、いろいろあるだろうが、ここでは、(1,0)をとおり、傾きが1よりもわずかに小さい直線で評価する。
この問題は、論考のほかに、計算力も必要で、他大学、特に私立大学の問題に比べれば、易しい問題とは言えない。しかし、20年ほど前の東大の問題に比べると、易しい部類になる。この程度の問題で苦労した生徒が、東大理系に入ってくるとしたら、日本の将来は終わっている気がする。
解答 (1) f(x)=x-1-log(x)とおいて、増減を調べればよいので、解答は割愛する。
(2)
本-ロシアから見える世界 ― 2025年03月07日

駒木明義/著『ロシアから見える世界 なぜプーチンを止められないのか』 (朝日新書)(2024/9)
特に興味のある内容ではなかったが、読んだことを忘れないようにタイトルのみ記す。
大学入試の数学 京都大学理系問6 ― 2025年03月08日
<問題>
Nは2以上の整数とする。1枚の硬貨を続けてn回投げる。このとき、k回目(1≦k≦n)に表が出たらXk=1、裏が出たらXk=0として、X1,X2,…,Xnを定める。
Yn=ΣXk-1Xk (和はk=2からk=nまでとする)
とするとき、Ynが奇数である確率pnを求めよ。
<解説>
京都大学理系の問題らしく、簡単ではない。思考力と、勉強量の両方がないと、正解にたどりつかないだろう。なお、どちらかというと、勉強量よりも思考力が問われる問題。
Ynの値とXn+1の値がわかったとしても、Yn+1はわからないので、pnの漸化式は、すぐには立てられない。ここでは、Xnの値とともに、漸化式を立てる。
<解答>
以下のように定める。
an:Ynが奇数でXn=0の確率
bn:Ynが偶数でXn=0の確率
cn:Ynが奇数でXn=1の確率
dn:Ynが偶数でXn=1の確率
この時、以下の漸化式が成り立つ
an+1=(an+cn)/2
bn+1=(bn+dn)/2
cn+1=(an+dn)/2
dn+1=(bn+cn)/2
a2=0 b2=1/2 c2=1/4 d2=1/4
a3=1/8 b3=3/8 c3=1/8 d3=3/8
an+bn=1/2 cn+dn=1/2 であるから、
an+1=(an+cn)/2
an+1=(1/2)an-1+1/8
この漸化式をa2=0 a3=1/8のもとで解くと、次式となる。
an=(1/4)+αpn+βqnただし、p=1/√2 q=-1/√2
α=-(2+√2)/8 β=(-2+√2)/8
ここで、pn=an+cn=2an+1であるから、
pn=(1/2)+2αpn+1+2βqn+1
見やすいように、nが偶数のときと奇数のときに分けて書く。
・nが偶数のときan=(1/2)- pn+2
・nが奇数のときan=(1/2)-pn+1ただし、p=1/√2
東京科学大学(旧東工大)の数学入試問題 ― 2025年03月09日
問4
<問題>
数列{an}を a1=1 a2=1 an+2=an+1+an {n=1,2,3,…} により定め、
数列{bn}を tan bn =1/an により定める。ただし、0<bn<π/2 とする。
(1) n≧2に対して、an+1an-1-an2 を求めよ。
(2) m≧1(mは整数)に対して、a2m・tan(b2m+1+b2m+2) を求めよ。
(3) 無限級数 Σb2m+1 (mの和は0~∞) を求めよ。
<解説>
東工大は東京医科歯科大と合併して、東京科学大学になった。しかし、入試は、旧東工大と、旧医科歯科とは別の問題。旧医科歯科の問題は(1)が(2)のヒントになっていて、(2)が(3)のヒントになっていることが多かった。旧東工大は、必ずしもそう言うことではなかったが、この問題は前の問題が次の問題のヒントになっている。ヒントがなかったらできっこないけれど、この問題は、順に解けば易しい。
<解答>
題意からanは次式となる。
an+1=αpn+βqn
ただし、p+q=1 pq=-1 α+β=1 αp+βq=1
すなわち、α=(1-q)/(p-q) β=(p-1)/(p-q)
(1) an+1an-1-an2=αβ(pq)n-2{(p+q)2-4pq}
ここで、αβ=1/5であるから、結局、
an+1an-1-an2=-1 (nは偶数)
an+1an-1-an2=1 (nは奇数)
(2) a2m・tan(b2m+1+b2m+2)= a2m・(tan b2m+1+tanb2m+2)/(1- tan b2m+1・tanb2m+2)
=a2m・(1/ a2m+1 +1/ a2m+2) / {1-1/ a2m+1 ・1/ a2m+2}=1
ここで、a2m+2a2m-a2m+12=1 a2m+2= a2m+1+ a2mを使った
(3) (2)より、tan(b2m+1+b2m+2)=tan(b2m)で、0<bn<π/2であるから、
b2m+1+b2m+2=b2mである。すなわち、b2m+1=b2m- b2m+2。
よって、Σb2m+1 (mの和は1~M-1)=b2-b2Mである。
明らかに、an→∞であるから、bn→0
Σb2m+1 (mの和は1~∞)= b2=π/4
Σb2m+1 (mの和は0~∞)=b1+ b2=π/2
クルスク州完全解放間近か ― 2025年03月09日
ただし、オレシュニャ川に沿った歩道を、闇に乗じて脱出することは可能だろう。もし、ロシア軍のドローンに見つかったとしても、河川敷に逃げ込んで、泥をかき分けて進めば、助かる可能性はある。どれだけのウクライナ兵が戻ることができたか。
東京科学大学(旧東工大)の数学入試問題 ― 2025年03月10日
問5
(1) 関数 f(t)=(t2-1)/t3 (t≠0) の増減を調べグラフの概形をかけ。
(2) 実数x,y,zが条件
x<y<z xyz≠0
x3y2-x3=x2y3-y3 y3z2-y3=y2z3-z3
<解説>
(1) は普通に易しい問題。この大学を受験する生徒ならば、できたと思う。
(2) は問題の式が何を言っているのか、にわかにはわからないだろうが(1)がヒントになっているに違いないと思えば易しい。
<解答>
(1) は易しいので割愛 (最初の図が答です)
(2) 要するに、x<y<z、xyz≠0でf(x)=f(y)=f(z)が成り立つxの範囲を求めるという問題。
(1)の解答の図から、x<-√3 -1<x<-√3/2
本の紹介-現代の「戦争と平和」 ロシアvs.西側世界 ― 2025年03月11日

アレクサンドル・パノフ、東郷和彦/著『現代の「戦争と平和」 ロシアvs.西側世界』 ケイアンドケイプレス (2024/11)
アレクサンドラ・パノフは元ロシア外務次官で、「不信から信頼へ: 北方領土交渉の内幕」など日本関連の著書もある。東郷和彦は元外務省欧亜局長。
本書は、東郷が質問し、パノフが回答する形の対談で、ロシアを中心とした外交問題・国際政治を説明する。パノフの説明なので、基本的にはロシアから見た国際情勢であるが、特にプーチン政権とは無関係な学者の説なので、客観的に国際情勢の説明になっている。
クルスク州完全解放間近 ― 2025年03月11日
PS:スジャからウクライナ兵が日中、歩いて撤退する動画が投稿されている。ロシア軍との間で撤退が合意された可能性がある。
既に、スジャのほぼ全域が解放されたとの情報がある。戦闘の結果として、こんなに早く解放されるはずはないので、ウクライナ軍が自主撤退したのだろう。そういえば、シルスキーがそんなことを言っていたな。
もし、スジャが解放されたのならば、スーパーマーケットPyaterochkaの現在の画像が見たいものだ。ここは、ウクライナ兵のお気に入りで、ウクライナ兵による略奪・落書きの画像が多数投稿されていた。(3/12)
PS:現地時間3月12日朝、スジャ市行政庁舎にロシア国旗が掲げられた。ロシア兵たちはのんびりしており、ウクライナ兵の掃討もほぼ完了したものと思われる。(3/12)
クルスク州完全解放間近 スジャ解放 ― 2025年03月13日
クルスク州でウクライナが占領しているロシア領は国境地帯の過疎地のみ。ここも、今月中には掃討されるだろう。
スジャはロシアからウクライナを経由してヨーロッパへ送るガスパイプラインの経由地。このため、ガス供給者であるロシアとしては、スジャで戦闘が起こることを控える必要があった。今年1月1日、ウクライナはガスパイプラインを停止した。この結果、ロシアは、スジャでの戦闘を控える必要がなくなり、スジャ近辺で、ロシア軍の攻勢が活発化した。2月上旬、補給路を射撃統制下におくと、スジャへの締め付けが厳しくなった。ゼレンスキーがガス供給を止めなかったならば、スジャの解放はもっと遅れたはずだが、ウクライナの無能な戦術によって、解放が早まった。
スジャ解放はガスパイプラインを使って侵入した数百名のロシア軍部隊が中心となっている。必ずしも、ガスパイプラインを使う必要はなかったはずだが、ガス供給を止めたゼレンスキーの無能さを揶揄するような戦法でおもしろい。
スーパーマーケットPyaterochka ― 2025年03月16日




