本の紹介-カルトと対決する国2025年04月15日

 
広岡 裕児 (著)『カルトと対決する国 なぜ、フランスで統一教会対策ができたのか、できるのか』同時代社 (2024/8)

 フランスにおけるカルト対策の歴史、実態が詳しい。本のタイトルを見ると、日本との比較に主眼が置かれているような印象を受けるが、そうではない。日本でカルト対策ができなかった理由についても一応触れられてはいるが、詳しくない。
 この本、読みにくく感じた。フランス人の宗教に対する、私の知識が乏しいためなのか、著者の書き方のためなのか、良く分からなかった。いずれにしても、私がこの本の内容を十分理解したとは思えない。、
 
 新興宗教の教義はいかがわしいので、何らかの規制が必要だと考える人がいる。フランスでも、かつてはこのような考えがあったようだ。また、カルトは洗脳して、引きずり込んでいると考えた時代もあったそうだ。しかし、統一教会が洗脳しているわけではなく、逆洗脳に効果があったわけでもなかった。フランスでは、マインドコントロールの定義をして、このような行為を禁止することにより、統一教会のようなカルト対策が機能した。
カルト対策は、カルトを正しく理解して、「行為」規制することであって、「教義」「信仰」を規制することが対策ではない。ところが、法律で禁止する行為は、行為の内容が明白に記されるものなので、カルト側も対策を取って法律に抵触しないマインドコントロール技術を開発するだろう。そうなると、法律の対応は不十分なものとなる。フランスでは、このような傾向もみられるようだ。

本の紹介-宗教・カルト・法2024年12月19日

 
島薗進/著『宗教・カルト・法: 旧統一教会問題と日本社会』高文研 (2024/10)
 
 安倍元総理が殺害され、統一教会問題が起こった時、NHKこころの時間では、宗教社会学者・島薗進を座長とする座談会を行った。最初のものは、NHK出版より『徹底討論 ! 問われる宗教と“カルト”』として、出版されている。本書はそれに続く座談会の記録。
 本書で取り上げているのは4回の放送で、本書では、以下の3章に分かれる。「宗教と家庭・性・子ども」「信教の自由と法規制」「宗教リテラシーを高めるために」。それぞれの章は6人の対談で、この中で、島薗進と櫻井義秀は毎回参加し、他の4人は章ごとに変わっている(小原克博は2,3章参加)。本書では、各省の終わりに、対談者によるコラムが付けられる。
 前著『徹底討論 ! 問われる宗教と“カルト”』では、統一教会の悪質性を明らかにする内容も多かったが、本書は個別の宗教の問題を指摘する内容はあまりなくて、宗教と社会の関係に関するもの。

ウクライナと統一教会(5)2024年11月23日

 現在、ゼレンスキー政権はバンデラ、ヤロスラフ・ステツコなどの、ウクライナ民族主義者を称賛している。戦時中、バンデラとステツコが主宰するOUNはナチスドイツに協力して、ユダヤ人、ロシア人等を虐殺した。戦後、ヤロスラフ・ステツコはABNを結成し、また、1958年にメキシコシティで開催されたWACL(世界反共連盟)設立準備会議に参加した。こうした経緯があって、ウクライナ・ナチスと統一教会は関係が深い。
 ABN correspondence誌にはウクライナと統一教会の関係を示す写真が複数ある。その中で、一番興味深いのはSep-Dec,1983 P12のもの。ステツコ夫妻、統一教会・久保木修己の他に、K.Chumachenko(後のユーシェンコ大統領夫人)が写っている。


 同誌、Sep-Dec,1983 P49には、会議で演説する久保木の写真がある。



ウクライナと統一教会(4)2024年11月22日

 
 現在、ゼレンスキー政権はバンデラ、ヤロスラフ・ステツコなどの、ウクライナ民族主義者を称賛している。戦時中、バンデラとステツコが主宰するOUNはナチスドイツに協力して、ユダヤ人、ロシア人等を虐殺した。
 戦後、ヤロスラフ・ステツコはABNを結成し、さらに、1958年にメキシコシティで開催されたWACL(世界反共連盟)設立準備会議に参加した。こうした経緯があって、ウクライナ・ナチスと統一教会は関係が深い。
 写真右端がヤロスラフ・ステツコ、左から二番目はステツコ婦人。ヤロスラフ・ステツコの隣が統一教会の久保木修己。中央の縞ネクタイはH.Kondoとあるが誰だろう。
『ABN correspondence Sep-Dec,1983 P74』

ウクライナと統一教会(3)2024年11月20日

 
 現在、ゼレンスキー政権はバンデラ、ステツコなどの、ウクライナ民族主義者を称賛している。戦時中、バンデラとステツコが主宰するOUNはナチスドイツに協力して、ユダヤ人、ロシア人等を虐殺した。
 戦後、ステツコはABNを結成し、さらに、1958年にメキシコシティで開催されたWACL(世界反共連盟)設立準備会議にステツコも参加した。こうした経緯があって、ウクライナ・ナチスと統一教会は関係が深い。
写真はステツコと会談する統一教会の久保木修己。
『ABN correspondence May-Aug.,1975 P31』

ウクライナと統一教会(2)2024年11月19日

  
 現在、ゼレンスキー政権はバンデラ、ステツコなどの、ウクライナ・ナチスを称賛している。戦時中、バンデラとステツコの勢力はナチスドイツに協力して、ユダヤ人、ロシア人を虐殺した。ウクライナ・ナチスと統一教会は関係が深い。

 写真の左から2番目が勝共連合・阿部正寿、右から6番目がヤロスラフ・ステツコ。一番左側は岩村義雄。岩村は、現在は神戸国際教会の牧師だが、当時は統一教会だった。
 写真は『ABN correspondence July-Augst,1971 P8』 
 この写真の中には、他にも統一教会関係者が写っているかもしれないが、私には分からない。


 この写真は『ABN correspondence Sep-Oct,1971 P14』
 右側がヤロスラフ・ステツコ。その左隣が、WACL JapanのDr. J. Kitaokaとの説明がある。北岡寿逸・国学院大学教授。

ウクライナと統一教会2024年11月18日

 
 現在、ゼレンスキー政権はバンデラ、ステツコなどの、ウクライナ・ナチスを称賛しているが、ウクライナ・ナチスと統一教会は関係が深い。写真は1971年のもので、左から2番目が統一教会の久保木修己、4番目の女性がヤロスラフ・ステツコ婦人。
 戦時中、バンデラとステツコの勢力はナチスドイツに協力して、ユダヤ人、ロシア人を虐殺した。ステツコ婦人もウクライナ・ナチスの主要メンバー。
 写真は『ABN correspondence March-April,1971 P49』

運慶展2024年11月11日

 
横須賀美術館で開催中の『運慶展 運慶と三浦一族の信仰』を見学しました。
運慶作の弥陀三尊・毘沙門天・不動明王の5像が展示されています。大きい像で、間近に見られます。運慶30代の作で、運慶にしては優しく穏やかな表情です。

本の紹介-明解 統一教会問題2024年10月30日

 
櫻井義秀/著『明解 統一教会問題: 宗教に無関心の人も宗教者でも知らなかった事実』興山舎 (2024/2)
 
 宗教社会学者・櫻井義秀の統一協会解説本。出版社が、雑誌『月刊住職』の興山舎なので、本書は、宗教に対して関心はあるが、統一協会はあまり知らない読者を対象にしているのだろう。
 本の内容は、統一協会の出自、宗教教義、霊感商法、政治との癒着、二世問題とは幅広く扱っている。ただし、宗教にあまり関心がない一般読者にとっては、統一協会の教義よりも、霊感商法や政治との癒着の方が関心が高いだろうから、そういう意味では、統一協会の出自や教義が若干厚いようにも感じる。これは、宗教関連の学者の本だから当然ではあるが。統一協会は宗教・霊感商法の面と、反共団体・まともな経済活動の面がある。本書には、後者の話はほとんどない。
 また、本書は統一協会の本ではあるが、エホバの証人や摂理なども取り上げている。

マクワウリ2024年09月30日

最近、上信越自動車道の「ららん藤岡」に寄ったら、マクワウリが売られていた。

マクワウリを見ると、鎌倉時代の禅僧・大燈国師の話を思い出す。 
マクワウリの味は、さっぱりしたメロン。近年、あまり見かけなくなったけれど、これはこれで、美味い。

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