本の紹介-原発事故残留汚染の危険性2011年07月11日


原発事故 残留汚染の危険性 武田邦彦/著 朝日新聞出版 (2011/4/20)

福島原発事故後、事故の解説と放射能の危険性を解説するために、急遽出版された。この本をしっかり読んで、放射能の危険性に対処した人は、ある程度、被曝を少なくすることに成功しただろうか。事故当時の政府やマスコミの無責任な安全宣言に振り回されないために、この本を読むことは、きわめて価値があった人もいるだろう。もし、まだ読んでいない人、特に、国の放射能暫定基準が、安全基準であるかのように誤解している人は、ぜひとも、このような本を読んで身を守ってほしいものだ。

福島原発事故が発生した時、多くの、原発研究者たちは、放射能が安全であるかのような、言説を振りまいていた。こうした中、著者の武田邦彦氏は、原発関係者に一人であるにもかかわらず、原発と放射能の危険性を強調していた。
武田邦彦氏は、もとは、核燃料の研究者で、現在は、大学教授。原子力安全委員会の委員を務めたこともある、原発関係者。その意味では、原発推進派に属するというべきだろう。

本書は、最初の1/3に福島原発事故の概要説明と原子力発電所の大まかな説明。次の1/3はこれまでの正負の原子力政策の批判。最後の1/3が放射能の危険性の説明。
最初と最後の部分には、同感であるが、中央の1/3には、必ずしも賛成できない。著者は事故の責任は第1義的に政府に有るとの考えであるが、原発を作り発電することは、東京電力の経営判断なのだから、東京電力が、事故の第1義的な責任を免れることはできないだろう。

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