本の紹介- シベリアにうずめたカルテ ― 2014年07月01日

『シベリアにうずめたカルテ』平出節雄/著 (2001/03)文芸社
シベリア抑留体験者の体験記はいくつも出版されているが、本書も、このような本の一つ。
軍医だった著者は、満州でソ連軍に武装解除され、シベリア抑留となった。当時の日記を出版したような雰囲気ではあるが、実際には、帰国後に、当時を思い起こして、日記風にまとめたものを、著者の死後に、遺族が出版した。
日記風ではあるが、実際の日記ではないので、明らかに著者が体験したものでないことも、実際に見聞したような雰囲気で書かれている。また、著者の死後に出版されたものなので、著者の校正は入っておらず、記述の信憑性には疑問がある。軍医によって書かれたもので、一定の価値はあるだろうが、書かれていることがすべて真実と信用するわけにもゆかず、評価が難しい本だ。
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