本の紹介-北太平洋世界とアラスカ毛皮交易2015年02月03日


森永貴子/著 「北太平洋世界とアラスカ毛皮交易」(2014/05) 東洋書店(ユーラシアブックレット)

 本書の著者は2008年に「ロシアの拡大と毛皮交易―16~19世紀シベリア・北太平洋の商人世界」の表題で、近世のロシア極東・アラスカ進出と毛皮交易の関係を示した単行本を出版している。本書は、同様な内容だが、ブックレットということもあり、コンパクトにまとめられている。

 ロシアの極東・アラスカ進出は、露米会社が主体となって行われた。本書では、露米会社に関連した人たちのエピソードも交えて、当時の様子を読みやすく書かれている。
 日本の北方領土問題と直接関係がある内容はないが、露米会社はロシアによる千島開発に深く関係しているので、北方領土問題理解のために、歴史の背景を知る上で参考になるだろう。露米会社について書かれた本は少ないが、その中で、本書は一番読みやすい。

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